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『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』(新潮新書)の要約・感想

2021年7月31日

『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』(新潮新書)を読みました。

「毒親」という言葉は、最近ネットでよく見ますが、ちょっと強い言葉であまりいい印象を持っておらず、この本もあえて読んでませんでした。しかし、実際読んでみると、自分が家庭を持つ上で知っておくべき内容だと思いました。

また、親子関係に問題を抱えている人は、ぜひ読んでみることをおすすめします。親のことを理解することにも役立つでしょう。

1章:『「毒親」の正体』の要約

親から虐待を受けたり、親子関係で問題を抱えてしまうことがある。近年は、そういう親のことを「毒親」ということもある。

この「毒親」は、実は本人が発達障害や精神疾患を持っている場合が多い。

1-1:毒親とは

毒親とは、子にとてつもない害を及ぼした親のことである。

毒親になる人のタイプ。

  • (1)発達障害、精神科的な問題を持っている
  • (2)圧倒的に余裕のない状況(貧困など)

本当にやばい毒親からは離れるべきだが、そうじゃない親もいる。

1-2:愛着スタイル

愛着スタイルは幼少時、母との関係で形成するもの。

(1)安定型:母が安全基地となる。健康的な関係を知っているため、不適切な関係になると相手に問題があることが分かる。

(2)不安型:母が不安定で、見捨てられ不安を大人になっても持つ。不適切な関係になった場合、自分のせいにしてしまう。対人不安になる。ストレス、変化に弱くなる。一人っ子など親子が閉鎖的になりやすい場でおこる。

(3)回避型:母の存在がない環境で育ち、助けを求めることを知らない

子は、成長するにつれて家のおかしさに気づく。しかし、それを他者に隠そうとする。人に話して改善すると思えないためである。

1-3:毒親の事情

子は当事者として、親の分析をすることが多いが、それは間違っていることも多い。子は、親に優しすぎ、親のことを「かわいそう」と思って離れられなくなることも。

毒親の特徴は下記である。

(1)発達障害

この代表がASDで、空気が読めない、考えを押し付けるなど。「心の理論」が欠如しており、コミュニケーションをパターン認識で蓄積していくしかない。応用が利かない。

横のつながりを認識できず、別視点から考えられない。また、人からの意見を奇襲のように感じる。何か言われるととりあえず反論してしまう。

習慣を強く持っていても確固たる自我は持っていない場合も。

そして、衝撃を受けやすい傾向にある。自分の領域を犯されると、攻撃的になる。

子どもを大人のように思ってしまい、子どもだから仕方ないと思えない。

マルチタスクが苦手で、子育てに向かない。

(2)不安型、回避型の愛着スタイルを持っている

「不安型」で癒されないまま大人になると、安定した愛着を子に求める。親離れを許さなかったり子を振り回したりしやすい。

「回避型」の人は、情が薄く、子を大人のように扱ったり、独善的な価値観を押し付けたりする。

発達障害の人は結果重視でプロセスはどうでもいい、不安型の人は、自分が愛されることを最優先する。

(3)うつなどの疾患

うつなどで子に対応する気力がない。

いやされていないトラウマが親にある場合、対人面で複雑な症状になる。

親が子の愛を強く求める、やたら厳しくなる、他人への強い警戒心を子にも教える、など。

(4)DVなどの環境問題

子は「良い子」を演じてしまう。

1-4:毒親の子のためのステップ

(1)自分は悪くなかったと認める:不適切な環境で育ったと認める。

(2)怒り、混乱を受け入れる:自分がどんな感情を抱いても受け入れる

(3)親にも事情があったと認める

(4)親にできる事を整理する:理解して、距離を置く。できないことを期待しない。自分をこれ以上傷つけないようにする、過去を思い出して自分を傷つけない。

1-5:不安定な愛着スタイルを変える

不安定な愛着スタイルを変えるには、以下のようなことを実践すると良い。

  • 安定型の人と接する。
  • 自分から他人を助ける。相手を無条件に受け入れることで自分も癒される。
  • 自分が親になる。
  • 等距離の関係を心掛ける。相手がどんな反応を返してこようと、このくらいは誠実でありたいという対応を決めて、続けること。このくらいの誠実さであれば一生続けられる、と思える程度のものであることが大事。この人は安定していると思われ、安定した人との関係が増える。
  • 自分のスタイルを人に伝える。

2章:『「毒親」の正体』の感想

簡単に紹介したように、「毒親」と言われるような親の多くは、発達障害だったり、親自身が子ども時代に問題を抱えていたりと、普通の子育てができる状態にないことが多いようです。

ただ子どもが嫌いだからとか、子どもに嫌がらせをしたいから問題のある子育てをしているのではなく、親自身が問題を抱えている。そのため、「普通の親」と思って関わるのではなく、適切な関わり方を知っておくことが大事なのでしょう。

詳しくはこの本を読んでみてください。

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