あなたは、コーチングと聞いて、
「どういう意味?」
「何に使えるの?」
「普通のコミュニケーションや指導(ティーチング)とどう違うの?」
などと思いませんでしたか?
私もコーチングを受けたり勉強したりする前までは当然そうでしたし、さらに言えば「なんかよく分からないけど怪しい」と思っていました、、笑
結論から言えば、コーチングとは「対話を通じて相手の自己理解や思考、行動をサポートする手法」のことです。しかし、私は、コーチングは単なる「技術」に留まらないものだと思っていて、コーチングは技術+心(マインド)で行うことで、相手の人生を変えうる可能性を持ったものだと思っています。
そこでこの記事では、私がこれまでにコーチングをプロのコーチから受けたり、コーチングスクールで学んで分かった、コーチングの意味、由来や使えるシチュエーション、さらに私が勉強する上で参考になったおすすめの本を紹介します。
しっかり読んで、あなたの仕事や生活に活用してみてください。
1章:コーチングの意味とは?
それではさっそくコーチングの意味について解説します。
- コーチングの意味
- コーチングとティーチング(教えること)の違い
- コーチング・カウンセリング・コンサルティングの違い
を順番に解説しますので、知りたいところから読んでください。
1−1:コーチングの意味
先ほども触れましたが、コーチングとは対話を通じて相手の自己理解や思考、行動をサポートする手法のことです。
対象になるのは、何らかの課題や目標を持っている人です。コーチはクライアント(コーチングを受ける人)が自ら課題解決や目標達成の方法を見つけ、そのために行動していくことをサポートします。
「私は自分で目標達成のために行動できるからコーチングは必要ない」
と思われる方もいるかもしれません。私も以前はそう思っていました。しかし、実はそうではありません。コーチングとは、コーチがサポートすることでより早く、より高い所にたどり着くことができる方法です。
そのため、たとえ自分の力だけでも目標達成できるという人にも、コーチングは有効な方法なのです。
以上が基本的なコーチングの意味ですが、より詳しくは以下のような特徴があるので参考にしてみてください。
①コーチングはクライアントが主役
後ほど詳しく説明しますが、コーチングはコンサルティングとは違い、コーチがあなたの抱えている問題を解決してくれるわけではありません。また、基本的にコーチはあなたに「こうしたら良いですよ」と解決策を示してあげることもありません。
あくまでコーチングの主役はあなた(クライアント)であり、コーチはあなた自身が目標を設定したり、行動方法を決めたり、行動するための決意をするのを「対話」によってサポートするのです。
②「分かっているけど行動できない」を解決する
もしあなたが「行動方法を理解していて、実際に行動できている」という場合、コーチングの役割は少ないかもしれません。
しかし、あなたが課題解決や目標達成のために何が必要で、何をすれば良いのか分かっているのに行動できていないという場合、コーチングが使えます。
分かっているのに行動できていないという場合は、そこに何らかの理由があるはずです。そこを対話によって明らかにすることで、行動に移れるようにするのがコーチングの役割の1つです。
③自己理解を促進する
これは私の実体験でもありますが、コーチングを受けると自己理解がとても促進されます。
コーチングでは「オープンクエスチョン」が多用されます。オープンクエスチョンというのは、What、Who、Where、When、Why、Howなどの、Yes/Noでは答えられない問いのことです。
オープンクエスチョンで問われると、あなた(クライアント)は自分の頭で自分のことや課題・目標のこと、未来のことなどを考えなければならなくなります。1度や2度問われたくらいでは、あなたが普段考えているような答えしか出てこないかもしれません。しかし、コーチングでは何度も何度もいろいろな質問で問われ続けるため、セッションの間はずっと自分のことを考えることになります。
私も自分で普段から考えているつもりでしたが、実際にコーチングを受けると「こんなにも考えが進むのか」「自分にはこんな面もあったのか」と感じることが多いです。
その結果自己理解が進み、一人で考えている時も思考が進むスピードが速くなります。
④コーチングは継続的に受けることが大事
コーチングは1回限りでも結果がが出ます。
私も最初にコーチングを受けた時は「体験セッション」という形で80分ほどだけ受けましたが、それだけでも自分がテーマにしたことについて考えが進み、実際に行動に移ることができました。
しかし、本来コーチングは最低でも3ヶ月〜6ヶ月、もしくは年単位で受け続けることによって行動を変えていくものです。なぜなら、人の行動や考えはそう簡単には変わらないからです。
そのため、一般的には2週間から1ヶ月に1回程度、数ヶ月以上にわたって受け続け、その都度コーチからフィードバックを受けながらゴールの達成を目指していくものなのです。
1−2:コーチングとティーチングの違い
コーチングの意味について理解出来ましたか?
コーチングの意味を理解するためには、似ている言葉との違いを理解することも大事です。似ている言葉の代表的なものが「ティーチング」つまり「教える」ということです。
ここまでお読みになった方は何となくお分かりかもしれませんが、コーチングは、コーチがあなた(クライアント)に行動の方法を「教える」ことではありません。繰り返しになりますが、コーチングとはあなたの中から思考や行動を引き出すものなのです。
それに対して、ティーチングとは先生が生徒に解決策や行動の方法を教えてあげるものです。そのため、教わる側は受動的にならざるを得ません。
とは言え、ティーチングがダメなことというわけではありません。
たとえば「行動するための知識が足りていない」という場合、コーチング的な対話であなた(クライアント)の中から解決策を引き出そうとしても出てくるはずがありません。
その場合、まずはコーチングではなくティーチングによって基本的な知識を与えることが必要です。具体的には、会社内で新しい部署に入った部下とその上司の関係などが当てはまるでしょう。私自身も剣術指導の場では、基本的にはティーチング的なコミュニケーションを取ります。そこでは「教える」ことが自分の役割だからです。
しかし、たとえばあなた(クライアント)が解決策を知っているのに、いまいち意欲が出ずに行動できていない場合、コーチングによってあなたの中の意欲や、あなたがやりたい解決法を引き出すことで、行動に繋げることができます。
このようにコーチングとティーチングは意味が異なりますが、シチュエーションによって使い分けるべきものなのです。
1−3:コーチング・カウンセリング・コンサルティングの違い
さらに、似た言葉に「カウンセリング」と「コンサルティング」があります。
これも似ているようで異なる言葉です。
①コーチングとカウンセリングの違い
コーチングとカウンセリングの違いは、
- コーチング→正常な人をさらにプラスにすること
- カウンセリング→正常以下の精神状態にある人をゼロまで持っていくこと
という違いです。基本的にどちらも対話を使って行動を変えていく手法ではありますが、ゼロ(正常)以上にある状態からさらにプラスに持って行くのがコーチングで、ゼロ以下からゼロ(正常)まで持って行くのがカウンセリングなのです。
そのため、日常的な行動すら思ったようにできず、その状態が慢性化している、通常の社会生活にすら支障をきたしているという場合は、コーチングではなくカウンセリングを受けるべきでしょう。
②コーチングとコンサルティングの違い
さらに、コーチングとコンサルティングも以下のように意味が違います。
- コーチング→解決策をあなた(クライアント)の中から引き出し、クライアント自身に実行してもらう手法
- コンサルティング→コンサルタントが「問題を解決してあげる」あるいは「解決策を提案する」という手法
コンサルタントの役割は問題解決ですが、コーチの役割はあくまでサポートなのです。
私は最初にこれを知った時「解決策まで提案してあげるコンサルタントの方が、役に立つんじゃないの?」と思いました。あなたもそう思いませんか?
でも、実はそうではないんです。
コンサルティングの場合は、その状況に対して合理的に解決策が提案・実行されるため、ビジネスの場ではコーチングより向いているでしょう。しかし、たとえばあなた自身が抱えている問題の場合は、合理的に出された解決策では「確かに正論なんだけど、なんかやる気になれないな」と思うこともあると思います。
そんな場合は、実は本当に考えるべき課題・テーマは別のところにあることがあります。
「そもそも問題になってすらいない(顕在化していない問題)」場合は、コンサルティングでは解決できません。
このように、コーチングとコンサルティングも意味が違いますが「どっちが良いか」「どっちが優れているか」一概には言えず、それぞれ使い分けるべき手法なのです。
ここまでコーチングの概念上の説明をしてきました。
次に、より具体的なコーチングが活躍するシチュエーションについて紹介します。
2章:コーチングが活躍するシチュエーション
具体的なコーチングが活躍するシチュエーションとしては、例えば以下のようなものがあります。
2−1:キャリアの積み方に迷っている時
会社員でもフリーランスでも、これからのキャリアの積み方に悩んでしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。
たとえば、
- 転職すべきか会社に残るか
- 独立したいが、まずは会社で修業してからがいいのかどうか
- ワークライフバランスを何とか改善したい
- フリーランスになったが、今の働き方で生き残っていけるか悩んでいる
- 起業したが、今の事業の方向性で良いのか悩んでいる
などいろいろなケースが考えられます。
このような時にコーチングを受けると、現状を変えることに役立ちます。なぜなら、コーチングはあなたが本当にやりたいことを見つけ、現状とのギャップを分析し、ギャップを埋める(=理想を達成する)ための行動計画を明確にすることができるからです。
私の経験上、コーチングを受けることで、いわゆる「軸」「判断基準」「目的」と言われるものが明確になっていきました。コーチングを受けるうちに「あれ、自分ってこんな想いを持っていたんだ」「こんな価値観を大事にしていたんだ」と分かるようになるのです。
2−2:やりたいことが見つからない
やりたいことが見つからないという場合でも、コーチングを受けることでやりたいことが見つかる可能性があります。
なぜなら、多くの人がやりたいことがありながら、実は心の奥底に封じ込めてしまっていることがあるからです。
なぜ心の奥底に封じ込めているのかは人それぞれですが、たとえば「子供時代に親や先生から言われた一言」「過去の小さな失敗」「無意識の思い込み」などが原因になっていることが多いようです。
コーチングでは、こうした思考の癖を取っ払って、あなたが本当にやりたいこと、求めていることを浮き彫りにしていくことができます。
私も、コーチとして実際にセッションをした時に、相手から「自分がこんなことをやりたいと思っていたなんて自分でも知りませんでした」「こんな気持ちにはじめて気づきました」と言われた経験がたくさんあります。
あなたも、やりたいことが見つからなくてもコーチングを受けることでやりたいことが明確になっていく可能性があります。
2−3:やりたいことがあるのに行動が起こせない
私の経験上「やりたいことがあるのに行動が起こせないという状況」が、もっともコーチングが活躍するシチュエーションと言えるのではないかと思います。
「やりたいこと」を知っていて「そのための手段、行動」も知っているのに行動できないということは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。それは、
- 何となく気が向かない
- 気がかりなことがある
- どうせできない、続かないと思ってしまう
など様々な理由から行動できなくなっているのですが、このような状況を突破するのは「根性」「精神力」ではありません。
コーチングには「知識」と「行動」を橋渡しする役割があります。(参考:『コーチングの基本』15頁)
つまり、あなたが「知っているのに行動できない」時に、根性や精神力ではなく対話によって行動できるようにする力があるのです。実際に、コーチングを受けてみることで経験できるでしょう。
2−4:もっと速く成長したい
今、すでに目標に向かって行動できているが、もっと速く目標を達成したい、成長したいという場合も、コーチングが役立ちます。
私がコーチングを受けはじめた時の目的の一つもコレでした。
私はもともと独力で努力ができるタイプではあり、これまで十数年武道や勉強などで成果を出して、自分の力で現状を打破することができていました。そして、その方法が正しいと信じて疑っていませんでした。「自分なら、一人だけで前に進んでいける」と。
しかし、社会人になって忙しくなり、かつ自分の人生を生きたいという考えが強くなるに連れて、限られた時間の中でもっと速く成長するにはどうしたら良いだろうか?人の力を借りたらもっと速く成長していけるのではないだろうか?と考えるようになりました。
そして、あらゆる手法を検討した結果、実際にコーチングを受けようと決断したのです。
実際にコーチングを受けると、私が思ったとおり独力で努力するよりも速いスピードで成長できている実感があります。それは、コーチングを受けた結果、
- 自分の軸、価値観がより明確になり、行動・選択に迷いがなくなったため
- やるべきことが明確になったため
- 定期的にフィードバックを受けることによって、自分が前進している実感を得ているため
など効果があったからです。その結果私自身がコーチ側に立つための勉強になったのですが、そのような新しいチャレンジができたのもコーチングでよりスピーディーに成長できるようになり、その結果強い自信を持てるようになったからだと感じています。
3章:コーチングの意味・基本が分かるおすすめの本
さて、ここまでコーチングの意味やコーチングが活躍するシチュエーションについて解説してきました。
ここでは伝えきれないことも多いので、コーチングの意味や基本的な知識を得ることができるおすすめの書籍をご紹介します。
3−1:物語形式で基礎の基礎を学べる『ザ・コーチ』
『ザ・コーチ』はコーチングの意味や基本中の基本の知識が学べる本です。
営業マンの男性が公園でおじいさん(コーチ)と出会い、コーチングの知識を学んでいく物語です。私はコーチングについてはじめてこの本で学んだのですが、とても分かりやすく、物語の主人公と一緒に成長していけるような実感がありました。
コーチングについて学ぶ一冊目として本当におすすめです。
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3−2:何度でも読み返すべき基本書『コーチングの基本』
『コーチングの基本』は、コーチングの基本的な内容が網羅されています。特にコーチングの意味については1章を読めばよく理解できるはずです。
この本は本当にベーシックな知識について徹底的に分かりやすく解説されている本ですので、私もコーチングを銀座コーチングスクールに入って学びはじめてからも何度も読み返しています。
特に具体的なケースで書かれている所も多く、シチュエーションごとのコーチングの活用イメージについてよく学ぶことができます。
コーチングについて基本的なことから網羅的に知りたいという場合は、必ず参考になるはずです。
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3−3:まさにバイブル『コーチング・バイブル』
『コーチング・バイブル』は、コーチングのテキストとして有名な本で私が銀座コーチングスクールで受けていた先生からもおすすめされた本です。テキストとして非常に優秀で、もしコーチを目指すなら何度も繰り返し読むべきものでしょう。
私の実感では、先ほど紹介した『コーチングの基本』より少し難しい内容です。
そのため『コーチング・バイブル』はコーチングをより本格的に学ぶ上での入り口として良いのではないでしょうか。特にコーチ側の勉強がしたい人にはおすすめです。
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3−4:セルフコーチングに活用できる『ライフコーチングー自分を強く育てる習慣ー』
ここまでコーチングの基本的な本を紹介しましたが、次に紹介する『ライフコーチングー自分を強く育てる習慣ー』はどちらかというとセルフコーチングに向いている本です。
本の中ではライフコーチングの意味や考え方について分かりやすく解説されているだけでなく、一人でできるたくさんのワークが紹介されています。
そのため、この本を読んでワークを実践してみるだけで、一種のセルフコーチングができるようになっているのです。
コーチングに興味はあるがまだ受けるか迷っているという人は、この本を読んで一人だけで実践してみるのも良いかもしれません。
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3−5:セルフコーチングの意味が分かる『セルフコーチング』
『セルフコーチング』はその名のとおり、セルフコーチングの意味や基本的な考え方、実践方法などについて書かれた本です。
私はTwitterでコーチングについて勉強している人をフォローしているのですが、その人がおすすめしていたので読んでみました。これはなかなか良い本で、自分の思考、行動を見直してもっと成長したい、課題を解決したいという人が、コーチングを一人でできるようになるために必要な知識を学ぶことができます。
私もコーチングを受け始めたときに読んで、学んだことを自分の行動に取り入れてたくさんの良い結果に結びつけることができました。
コンパクトにまとまっていてすぐに読み終わることができますので、セルフコーチングについて網羅的に知りたい人におすすめです。
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3−6:スポーツコーチングの読み物として『ハードワーク』
『ハードワーク』は、以前日本のラグビー日本代表の監督をしていたエディージョーンズが書いたスポーツコーチングに関する本です。
コーチングについて学ぶというよりも、実践を通してエディージョーンズが導き出した独自の考え方を知ることができる読み物です。スポーツの現場でコーチングがどのように活用されているのか、生々しく描かれています。
この本は、私が武道とコーチングは何か繋がるものがあるのではないかと言った時に、コーチから読んでみると良いと言われた本です。
確かにとても学ぶ所が多かったです。
スポーツコーチングについて興味がある場合は、ぜひ手に取ってみてください。
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まとめ
私が学び、経験してきた中からコーチングの意味についてできるだけ分かりやすく解説しました。
ここまで文章で書いてきましたが、コーチングの意味は実際に受けることによって、身をもって学ぶことができるものだと思います。もしコーチングに興味があるなら、ぜひ一度受けてみて体感してみることをおすすめします。
■剣術師範、整体師(身体均整師)、ライター。セルフケア・トレーニングのオンライン教室運営中。
■池袋周辺で施術・トレーニングを行います。【旧:ふかや均整院】
■現代人の脳・感覚の使い方の偏りや身体性の喪失を回復するために【suisui】という独自のプログラムをオンライン教室中心に運営しています。