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伝統産業・工芸分野こそウェブを使ったマーケティングが有効

2021年7月10日

伝統工芸、伝統文化を担う人こそマーケティングを活用しよう

私はとある古武道流派で師範をしていますが、ウェブサイトを使って認知を広めたり、多くのお問い合わせをもらうことができるようになりました。また、私たちの流派のことを理解した上で入会希望してくる方や、TV番組の制作協力の依頼が来たこともあります。

古武道は私の本業ではなく、いわばライフワーク的な取り組みとして簡単なウェブサイトを作っただけですが、それでも大きな成果が上がったのです。

それから気になってネット上でいろいろな伝統的な産業・工芸などの分野を調べてみましたが、しっかりウェブサイトを作りこんでいる所もあれば、いまいち目的に合ったサイトが作れておらず「これで多くの人に知ってもらえてるのかな?」「お客さんは集まるのかな?」と思うこともしばしばあります。

しかし、時代の流れと共に廃れてしまうことも多い伝統産業・工芸、文化の分野こそ、多くの人から認知、理解、支援を得るためにウェブを使うことが非常に大事だと思います。

この記事では、私の本業とライフワークを通じて得た実体験から、伝統的な分野におけるウェブマーケティングの可能性について説明します。

1章:伝統産業・工芸・文化にウェブマーケティングが必要な理由

まずは、伝統産業でウェブマーケティングが必要な理由を簡単に説明します。

1-1:伝統は放っておくと廃れていく

そもそも、私自身古武道を続ける中で感じたことですが、伝統工芸も伝統文化も、そのまま放っておいたら廃れていってしまうものです。これは、実際に担い手となっている方々はみなさん強く実感しているのではないでしょうか。実際、ある古武道大会でも、ある流派の先生が「私たちのような古武道は、ちゃんと宣伝していかないと廃れていきます」とはっきりとおっしゃっていました。

伝統工芸や伝統文化というものは、特定の時代のある時点で生み出されたものを、時代の流れと関係なく(というか逆らって?)保存していくものです。社会の大多数の方は社会の流れと共に、新しいことに興味が移り、新しい仕事につくようになるのですから、伝統的な分野は興味を失われて当然です。

そのため、何らかの策を講じなければ、確実に廃れていってしまいます。

とはいえ、私たちのような担い手だからこそ、伝統の魅力や大事さをよく理解しています。

特定の時代の生み出された技術は、非常に高度、繊細で、一度失われたら二度と取り戻せない類のものです。その時代だからこそ生み出された固有の魅力があります。そして、普段はとりたてて興味を持たないような大多数の人も、観光地で、TVで、ネットで、その文化の高みを目にすることで「こんなものがあったんだ」「こんなすごいものがあったんだ」と感動することがあると思います。

そのため、たとえ普段は見向きされなくても、やはり伝統的なものはしっかり保存し、継承していく必要があると思います。

1-2:伝統はマーケティングで認知・理解を広めるべき

そのため、伝統的な分野の担い手のみなさんこそ、積極的に認知を広め、理解してくれる人を増やすことが大事だろうと思います。

しかも、現代なら個人でもちょっとした手間をかければ、簡単に発信することが可能です。もちろん本業をやりながら発信し続けるのは少し大変なこともありますが、続けることでお客さんや支援者が増えるのであれば、メリットは大きいのではないでしょうか。

もし広告を出そうと思えば、ある程度まとまった金額の投資が必要になります。しかし、自分の手で発信することができればお金はあまりかかりません。

その、お金をかけない発信方法がウェブマーケティングの手法です。

ウェブマーケティングというと聞き慣れない方はイメージがわかないかもしれませんが、ネットを使って多くの人に見てもらえるように情報を発信する。多くの人に届くように、ウェブサイトなどのコンテンツを戦略的に運用するということです。

1-3:伝統工芸や文化を広める上で有効なマーケティング方法

認知・理解を広める上では、主に、以下の媒体が有効です。

  • ウェブサイト・ブログ:最初の設定を済ませれば文章を書くだけ。年間~数万円程度のコストで運用可能。情報がストックされるため続けるほど優秀な営業マンになってくれる。
  • SNS:アカウントさえつくればすぐに始められ、情報の拡散性が高い。ただし、フロー型であり続けるほど資産になるブログとは異なるタイプ。
  • 動画(Youtube):最もイメージを効果的に伝えられるが、1つ1つの制作の手間が大きい。Youtube内で拡散されるかどうかは偶然にもかかっている。

私の経験上、効果的に認知・理解を広めるのに最もよかったのはウェブサイト・ブログです。Twitterや動画も便利ではありますが、私の場合は補助的に使ってきました。

ブログの良さは、読者が特定のキーワードを入力して探しているということです。つまり、偶然情報を目にしたのではなく、自分から興味があって調べているということです。そのため、お客さんや支援者になってもらいやすいのです。

また、SNSやYoutubeは、情報の拡散がある程度偶然になってしまいます。ある程度以上拡散されると非常に多く見られますが、拡散されないとほとんど読者の反応がない、ということも。しかも、利用者は自分で何かを調べているというより、なんとなく使っていたら偶然そのアカウントを見つけた、という使い方が多いため、興味のレベルが浅く顧客や支援者にはなるまで時間がかかるというデメリットもあります。

詳しくは後述しますが、ブログの場合は、特定のキーワードで検索したらあなたのサイトが上位表示できるようにするテクニックがあります。そのため、うまくやれば、特定のキーワードで調べた人をある程度確実にブログに集めることができるため、偶然によらずに読者を集めやすいのです。

一方、ブログのデメリットとしては、効果が出るまで時間がかかるということです。

検索した人がある程度流入してくるまでに、半年から1年程度はかかるのが一般的です。それまでは、反応が少なくても継続して発信し続けることが必要です。

ただし繰り返しになりますが、ブログは情報媒体としてストック型であり、記事・ページを作るほど資産になっていきます。その記事1つ1つが、ウェブ上での営業マンになってくれるのです。

したがって、私の経験からは、やはりブログを主体としつつ、SNSや動画を補助的に使っていくことをおすすめします。

■ブログ・SNSの紹介■

このサイトでは「一生元気に動ける体になりたい」「心身の不調を改善したい」「心身を磨いてより良い人生を歩みたい」といった方に向けて、整体師・剣術指導者の著者がさまざまな情報を発信しています。ぜひブックマーク&Twitterフォローなどをして、今後もお読みください。

2章:伝統工芸品・伝統文化でウェブマーケティングを活用するメリット

伝統工芸品や伝統文化など伝統産業でウェブマーケティングを活用するメリットとしては、主に下記のものがあります。

2-1:知りたい人に情報が届けられる

ウェブマーケティングを活用することで、知りたいと思っている人に効果的に情報を届けることができます。

伝統的な分野では、そもそもネット上に情報がないために「知りたくても詳細が分からない」と感じることが多いです。そのため、興味があって調べても、結局よく分からず離れていってしまう人も少なくありません。

したがって、ウェブ上で発信することで潜在的なお客さんや支援者となる人を取りこぼさなくなります。

2-2:お客さんや支援者が増える

もちろん、お客さんや支援者が増えるというのも大きなメリットです。

特にブログ・サイトで発信すると、あなたの行っていること、伝統の良さなどについてあなたの言葉で詳しく語ることができます。そのため、読者なあなたのことをよく理解してお客さんになってくれたり、支援者として様々な面でサポートしてくれるようになります。

2-3:場所に関係なく広められる

広告、広報といった手段では発信する場が限られており、見る人が限られています。

しかし、ウェブを活用すれば全国どこからでも見てもらえます。もちろん、工夫すれば地域に特化してみてもらえるようにサイト・ブログを設計することもできます。

低コストで全国の人に広めることができるのは大きなメリットです。

2-4:長年効果が持続する

ウェブを活用した発信は、長年効果が持続します。広告、広報やイベント、講演などを通じた発信も目的があれば有効ですが、効果は一時的です。なかなか話題になり続けるということはありません。しかし、ウェブを活用すると、あなたが続ける限りウェブ上に情報がストックされていきますので、最初に制作しておけば効果が長く持続するのです。

これは、ウェブマーケティングを活用するからこそ可能なのです。

3章:伝統産業・工芸・文化におけるウェブマーケティングの活用法

これから、伝統工芸や伝統文化の担い手のみなさんが、ウェブマーケティングを活用する上での具体的な方法を説明します。

下記の3つがポイントです。

  • SEO対策したブログを作る
  • ストーリーテリングを活用する
  • イメージを伝えられるコンテンツを作る

順番に説明します。

3-1:マーケティングSEO対策したブログを作る

まず、SEO対策したブログを作ることが必要です。SEO対策とは、簡単に言えば「検索結果に出てきやすくする」ということです。

あなたもネットで何かを検索して調べたことがあると思いますが、その時、あなたが実際にクリックするのは上位表示された1~5件くらいではないでしょうか。実は、検索結果の表示はGoogleが「そのキーワードに対して最も適したページは何か?」と自動で検索してランキングを作っているのです。

そのため、読者にとって良いというだけでなく、Googleから評価されやすいように設計したブログを作る必要があるのです。そのように設計することをSEO対策と言うのです。

キーワードはそれぞれ、「毎月だいたいこのくらい検索されている」という数値があります。そのため、ある程度検索されているキーワードで上位表示できるように、記事やサイトを作りこむことが必要です。

SEO対策をうまくやっていくと、月に何万人、何十万人もの人が見てくれるようになり、たくさんのお問合せをもらえるようになっていくものなのです。

とはいえ、大事なのは閲覧数だけではありません。読者がどういう行動をとってくれるか?が大事です。

私がライフワーク的に行っている古武道では、わずか10記事程のブログだったころから毎月のように見学や体験希望の問い合わせが来ました。かなり少人数の規模で行っている団体ですので、その程度の簡単なブログでも十分に目的達成することができているのです。

また、認知を広めるという点でも、私の流派に関連する多くのキーワードで1位~5位あたりの上位表示が実現できています。今はほとんど更新していませんが、それでも検索順位が落ちることがありません。

このように、SEO対策を工夫したブログを作ると営業マンとして長く活躍してくれるのです。

ブログの作成方法については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読みながら作成してみてください。

▶【マニュアル】ブログの簡単な始め方を初心者向けに徹底解説

この記事を読まなくても、実は下記のサービスを使えば10分でブログを開設できます。

詳しくはこちら▶エックスサーバー

3-2:マーケティングストーリーテリングを活用する

ストーリーテリングとは、あなたがその事業に対して持っている「想い」「コンセプト」「はじめたきっかけ」などを簡単なスト―リーにまとめて発信する方法のことです。

私の経験上、情報を発信しようとすると、多くの方が「商品のこだわり」「特徴」「データ」など個別具体的な情報を発信しようとするようです。具体的な情報は確かに重要ですが、それを見ただけで「これが買いたい」「これをやってみたい」とはなかなか思わないものです。

しかし、しっかり作られたストーリーなら、読者とあなたの間に感情的な繋がりを作ることができます。読んだ人が共感、感動し「こういう伝統は確かに大事だ」「自分も担い手になりたい」「この伝統を支えたい」と思うようになるのです。

そのために大事なのは、あなたが本心から誠実に伝えたいことをストーリーにするということです。

具体的には、下記のようなものがあります。

  • ファウンダーストーリー:あなたが始めたきっかけ、その商品を作ったきっかけなど
  • バリューストーリー:その工芸品や文化に触れることで、読者の方にはどういう変化があるか、どういう意味があるか
  • パーパスストーリー:支援者を得るために、あなたの実践にどういう目的や意味があるのか伝える
  • カスタマーストーリー:実際にその工芸品を買った人や、伝統の担い手になった人の体験談

何でもかんでもストーリーにする必要はありませんが、気持ちを伝えたい、信頼を得たいという場面ではストーリーが有効なのです。これは、ウェブサイト・ブログの中で書いて行くことをおすすめします。

ストーリーテリングについて詳しくは以下の記事で説明しています。

▶【ビジネスにおけるストーリーテリング】メリットと活用の4ステップ

また、こちらの本もとても分かりやすいため、読んでみることをおすすめします。

3-3:マーケティングイメージを伝えられるコンテンツを作る

SEO対策やストーリーテリングは、簡単に言えばウェブサイト・ブログの中で記事を作成し、そこで適切な文章を書くというものです。

しかし、伝統工芸品や伝統文化の多くは、文章だけで魅力を伝えることができません。やはり、画像や動画という視覚的な媒体を使ってしか伝えられない部分があります。そのため、ウェブサイト・ブログを作る上でも、イメージを伝えられるコンテンツを作ることが大事です。

今では、画像も動画もスマホを使えば綺麗に取れるものです。プロに依頼するほどではないとしても、自分で工夫して作成することはできます。

画像や動画を、ウェブサイト・ブログ内で効果的に配置すれば、これも情報の資産としてストックされ長く活躍してくれます。動画はYoutubeにアップしてブログ内に埋め込むことができますので、そうすればブログで見てもらう+Youtube内で見てもらうという一石二鳥の効果があるため、おすすめです。

4章:まずはできることから始めてみよう

伝統工芸品や伝統文化などに携わるみなさんは、「それほどお金に余裕はない」「でも、自分がやってることを広めたいという強い気持ちを持っている」という方が多いと思います。

のため、自分で頑張れば大してお金をかけずに実践できるウェブマーケティングの各手法は、非常に有効なのです。

とはいえ、これまでやったことがなければ「何からやればいいかわからない」「自分に続けられるか不安」という場合もあると思います。

そこで大事なのは、まずはできることからすぐに取り掛かってみるということです。

私も、古武道のブログを最初に作った時は「続けられないかもしれないが、まずは小さく始めてみよう」と思ったものです。その結果、成功したことは前述した通りです。

特に、私がおすすめするブログの作成方法については、詳しくは下記の記事で解説していますのでぜひ読みながら実践してみてください。

▶【マニュアル】ブログの簡単な始め方を初心者向けに徹底解説

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