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【ビジネスにおけるストーリーテリング】メリットと活用の4ステップ

ビジネスにおいて「ストーリーが重要である」「ストーリーテリングを活用して差別化をはかるべき」とはよく言われます。

ストーリーテリングを活用することは、大企業の広告作りから個人のSNSやブログ発信まで、多くの場面で強力な手法になることは間違いありません。

しかし、安易にストーリーテリングを活用しようとしても、「嘘っぽい」「偽善っぽい」「共感できない」と思われてしまう問題もあります。

そのため、ビジネスにおいてストーリーテリングを活用する場合は、どういう場面で、どういう方法で活用すべきかよく検討することが大事でしょう。

私はこれまで、いくつかのスタートアップ企業と一緒にマーケティングに関わる仕事をする中で、数えきれないほどのストーリーを活用してきました。そのストーリーのおかげで、お客さん集めに役立った場面も多かったと思います。私自身、本業外のプロジェクトで実際にストーリーを活用し、多くの人から共感してもらい、支援を得ることができた経験もあります。

そこでこの記事では、ビジネスにおけるストーリーテリングとはどういうものか、どう活用するものなのか、私の経験と学んできた知識から詳しく解説します。下記の目次から読みたいところに飛んで読んでみてください。

1章:ストーリーテリングとは

まずは、ビジネスにおけるストーリーテリングとはどういうものか、簡単に説明します。

1-1:ストーリーテリングとは物語を活用すること

端的に言えば、ストーリーテリングとは物語を活用することです。

たとえば、自動車を購入したいとき、詳しい人なら詳しくスペックを調べるかもしれません。しかし、自動車について詳しくない人たちは、排気量や最高速度、車体の大きさなどの個別具体的なデータを見ても「ふーん、、それってつまりどういうこと?」といまいちピンと来ないものです。

したがって、多くの自動車のCMでは細かいデータはほとんど登場せず、「オフロードの走行に強くたくさんの荷物が載せられるアウトドアに向いた車」「都会的で洗練されたデザイン、内装、走行性を持つ車」というイメージだけが伝えられます。CMの中では非常に短いですが、その車が「欲しい!」と思うようなストーリーが組み込まれているものなのです。

とはいえ、ビジネスの現場でバリバリ働いている方からすれば、「物語なんてまどろっこしい」と思われるかもしれません。確かに、上司と部下の情報伝達をいちいち物語で行っていたら時間がどれだけあっても足りません。

しかし、タイミングや伝える相手さえ間違わなければ、物語の形で情報を伝えることが、とても効果的なのです。

人間は古代から、物語によって情報を伝えてきました。論理や数値より「神話」「寓話」で大事な情報を伝えてきたのです。物語で伝えることで、メッセージが記憶に残り、顧客の感情に影響を及ぼし、あなたの商品・サービスを「買おう」「使おう」と思うのです。

1-2:ストーリーテリングとは差別化の手法の1

ストーリーテリングとはビジネスにおける差別化戦略の1つです。簡単に言えば、ストーリーを用いて顧客との間に感情的なつながりを作ることで、共感を得て、あなたの商品・サービスを選んでもらえるようにすることができるのです。

まず、大前提として現代の消費者は商品・サービスを選ぶ目が肥えています。

そのため、商品・サービスを選ぶときに「これって本当に効果あるの?」「これを買う意味あるの?」「品質は大丈夫?」と疑いの目で見ているものです。そして、少しでも疑問を持つ部分があれば、あなたが作った商品・サービスは選ばれず、競合他社の商品・サービスが選ばれてしまいます。

もちろん、あなたの企業が競合他社に比べて突き抜けた品質や価格の強みを持っているとか、まったく独創的な事業を行っているなら別ですが、顧客から見て「他社と大して変わらないもの」と思われてしまうと、そう簡単には選んでもらえません。この、消費者の持つ疑いの目、覚めた目と、私たち事業者側の「買ってほしい」「使ってほしい」という気持ちの間に橋渡しすることができるのが、ストーリーというものなのです。

そのため、競合他社と似たような商品・サービスを扱っているとしても、お金をかけず、商品を買えることなく、差別化を図ることができるのがストーリーテリングの強みです。

1-3:ストーリーテリングはどんな場面でも効果的

「でも、どういう場面でストーリーテリングが活用できるんだろう」と疑問もあると思います。

端的に言えば、顧客と接触するあらゆる機会で、ストーリーテリングが活用できると考えられます。

たとえば、ECサイトなら商品を送付するときに同梱するチラシに。飲食店なら店の内外のポスターやメニューの中に。また、あらゆるビジネスでウェブサイトを活用することは当たり前になりましたが、そのウェブサイトがある程度閲覧されているなら、やはりそこでストーリーを語るべきなのです。

ただし、ストーリーの中身は何でもいいわけではありません。それを読む相手にどうなってほしいかという目的によって、語るべきストーリーの内容は変わってくるからです。

1-4:ストーリーテリングの種類

ストーリーテリングにはいくつかのタイプがあり、目的によって使い分ける必要があります。

『心に刺さる「物語」の力』というビジネスにおけるストーリーテリングについて詳しく書かれた本があるのですが、この本では下記の4つのタイプのストーリーが紹介されています。

  • バリューストーリー
  • ファウンダーストーリー
  • パーパスストーリー
  • カスタマーストーリー

簡単に説明します。

※こちらの本もぜひ読んでみてください。

1-4-1:バリューストーリー

バリューストーリ-とは、売りたい商品・サービスそのものについてストーリーを語るものです。

そもそも、消費者が商品・サービスの購入を決断することを後押しするためには、情報量を増やすだけでは無意味です。むしろ、情報が多いと迷ってしまい、決断できなくなることがあります。そのため、スペックについてより詳しく書くよりも、その商品を使うことによる本質的な価値や体験について、ストーリーとして伝えることが大事なのです。

このストーリーは、顧客の日常的な具体的な悩みが、その商品によってどう解決されるのか?使うことで顧客はどういう気持ちになるのか?ということを読者がイメージできるように伝えます。

1-4-2:ファウンダーストーリー

ファウンダーストーリーは、その事業の創業者について語るものです。顧客に対しては、その事業の信頼性や共感性を伝えることができ、また出資者にはその創業者がいかに想いを持っているか、いかに信頼できる人間か(逃げないか)ということを伝えられます。さらに、無名の企業が人材を募集する時にも活用できます。

一般的には、その創業者がどのような体験から、どういう問題意識を持って事業を始めたか。どういう困難を乗り越えて、今どういう想いで事業をしているのか、ということを具体的にストーリーにするものです。

1-4-3:パーパスストーリー

パーパスストーリーは、一緒に働くメンバーに頑張る理由、目的を与えるものです。従業員は働くうちに、働く意味を見失ったり「あっちの会社の方が魅力的だな」と目移りしてしまうものでしょう。従業員の気持ちが仕事から離れてしまうと、会社にとっては問題です。パーパスストーリーは、そのようなメンバーをつなぎ止め、頑張る理由を与える上でとても大切です。

働く意味、その事業の意味、従業員1人1人の立場の意味を、明瞭なメッセージで伝えることが必要です。

1-4-4:カスタマーストーリー

カスタマーストーリーは、顧客自身が自分の言葉で語るストーリーです。今ではさまざまなECサイトで当たり前のように「レビュー」が書かれていますが、これを利用してストーリーとするのです。それを読んだ人は「私と同じ悩みの人でも効果があるんだ」「私と同じ気持ちで使ってみた人がいるんだ」と感情的なつながりを持ちやすく、購買行動に繋がりやすいです。

もちろん捏造してはいけませんので、買ってくれた顧客の方に、ストーリーを引き出すような質問を送って語ってもらうことが大事です。

詳しいストーリーの作り方は3章以降で解説します。その前に、ストーリーテリングの具体的なメリット・デメリットについて解説します。

2章:ストーリーテリングを活用するメリット・デメリット

ストーリーテリングのメリットとデメリットを簡単に説明します。

2-1:メリット

ストーリーテリングメリットは、主に下記のものです。

  • 人間味や親しみを伝えられる
  • 信頼性を持ってもらえる
  • 読者の共感を得て支援が期待できる
  • 読者のもつ疑問を解消できる

2-1-1:人間味や親しみを伝えられる

ストーリーテリングは、人間味や親しみを人に伝えやすいというのが、大きなメリットです。

そもそも、ビジネスとは何らかの価値を相手に提供して、その見返りにお金を得るというのが本質だと思います。そのため、企業は本質的に利益追求を行動原理とするものですから、どうしても「売りたい」という目的からあらゆる表現が生まれてしまいます。

そのため、広告はどぎつくなり、消費者も商品・サービスを「自分にとってどれだけコスパがいいか」からだけ判断するようになるものです。

もちろん、これはあらゆる消費活動の前提となっていますが、ストーリーを用いて、その事業や商品に対する「思い」や「裏にいるの人間の持つ温かみ」などを伝えることができれば、そこから顧客との間に感情的なつながりが生まれます。

「こんな思いを持っているなら、ここのものを買ってみようかな」「ここのお店にこれからも通おうかな」と思ってもらいやすくなるのです。

また、顧客相手ではなくとも、株主や従業員など、あらゆる関係者に対して、目的に沿ったストーリーを伝えることで同様の効果があると考えられます。

2-1-2:信頼性を持ってもらえる

ストーリーによって、事業や商品・サービスに対するあなたの思いを伝えることで、読者に信頼性を持ってもらえるメリットもあります。

繰り返しになりますが、現代の消費者は企業から騙されまいと疑いの目を持って、商品・サービスをジャッジしているものです。そのため、ちょっとした所で信頼を失い、顧客を取り逃がしてしまう可能性があります。

しかし、ストーリーであなたの思いを伝えると、読者はその事業を行っている人がただ儲けたいだけの人ではない、信念をもって事業を行っている人なのだ、と感じます。信頼性を得ることで、顧客を取り逃さずリピーターや支援者になってもらえる可能性があるのです。

2-1-3:読者の共感を得て支援が期待できる

ストーリーから読者の共感を得ることができると、読者が自主的に支援してくれるようになる、というメリットもあります。

私は約2年前、とあるウェブサイトを立ち上げました。月30万PVくらいまで伸ばすことができましたが、社会的意義があるサイトであると自負していた一方で収益化が難しいという問題を抱えていました。

そこで、サイト内でページを作り、私がどのような問題意識を持ち、どういう意義があると思ってそのサイトを立ち上げたか、1つの簡単な物語にして書きました(これは「ファウンダーストーリー」というものです)。すると、SNS上で継続的に応援の声が届くようになり、また運営費の支援までたびたび頂くことができるようになったのです。私自身、そのページを大きく拡散してはいかなったのですが、読者の方が繰り返し拡散してくれ、多くの支援を頂くことができました。

このように、ストーリーには読者に共感を与え、読者がサポーターとなって支えてくれるというメリットがあるのです。

とある本では「顧客が信者になる」と表現されていました。この表現は誤解を生みそうですが、確かにストーリーにはそのような力があります。

2-1-4:読者のもつ疑問を解消できる

顧客は、商品・サービスを買う決断をする前にさまざまな疑問を持つものです。その疑問には、確かに「Q&A」を作って答えたり、さりげなく広告の中で疑問を潰す要素を入れることで対処される方が多いと思います。しかし、ストーリーがあれば読者を顧客にする、最後の一押しが可能になります。

人は決断をするときに、2つのタイプの決断をします。1つが、さまざまなスペックや値段を見比べ、理性的に判断するものです。しかし、この理性的な判断では、結局「まあまだ買わなくて良いか」「考えるのに疲れたからもういいや」「安い方でいいや」といった判断に繋がりがちです。

これでは、あなたが自信を持つ商品・サービスが選ばれない可能性が高いです。

しかし、ストーリーは読者との間に感情的なつながりを作るものです。そのため、理性的な判断を飛び越えて「これを買いたい!」と思わせる力があります。理性的に考えさせる前に、共感や感動によって購買行動に繋げることが可能なのです。

ちなみに『ファスト&スロー』という有名な著作では、人間の脳には、自動的で速い処理を行う「システム1」と、意識的で遅い判断をする「システム2」があると説明されています。ストーリーは、いわばこの「システム1」に働きかけるものなのです。

2-2:デメリット

ストーリーテリングには、デメリットともなり得る面もあります。それが下記のものです。

  • 嘘くさくなる
  • 共感が得られる反発される、炎上する可能性
  • 話を盛って後から辛くなる
  • 使いすぎるとまどろっこしい

2-2-1:嘘くさくなる

ストーリーの作り方が稚拙であったり、読者の感情を捉えそこなってしまうと、嘘くさくなってかえって顧客が離れてしまう可能性があります。

ストーリーとは、読者に何らかのメッセージを与えて、読者を特定の行動に導くものです。そのため、メッセージはたいてい、感動するもの、共感されるものが選択されます。しかし、ストーリーの作り手である事業者にとっての本音は「この商品を買ってほしい」であるはずです。

ここにはギャップがあるため、メッセージの作りこみが甘いと、読者は本当の意図を察して逆に不信感を持ってしまうのです。「本当は売りたいだけのくせに、綺麗ごといってるんじゃねえよ」というわけです。

たとえば、簡単に儲けられるビジネスを教えてくれるというセミナーがあるとして、そのセミナーの広告がやたらと「あなたのためになる」「社会のためになる」とうたっていたら、あなたは不信感を持つのではないでしょうか。これは極端な例ですが、読者はちょっとした違和感から離れてしまうものですので、そのちょっとした違和感も持たせないようなストーリーを作ることが大事なのです。

そのためには、ストーリーの作り手自身が誠実であること、本音で発信していることが大事になります。この点について詳しくは後述します。

2-2-2:共感が得られる反発される、炎上する可能性

ストーリーの内容と読者の感情にギャップがあると、嘘くさくなるだけでなく反発され、時に炎上してしまう可能性もあります。

ストーリーの本来の役目は、読者を顧客にしたり、支援者にすることにあるはずなのに、間違うと敵になってしまうこともあるというわけです。特に、近年は意図的に感動させようとするコンテンツが「感情ポルノ」と批判されたり、マイノリティへの方々への配慮から偏見が垣間見える表現が厳しく批判されるようになりました。

そのため、ストーリー選びやその構成には十分に気を付けなければ逆効果なのです。

2-2-3:話を盛って後から辛くなる

ストーリーの重要性に気づいた一部の企業や個人は、ブログやSNSを通じて積極的にストーリーを活用しようとしているようです。

特に個人が、セルフブランディングのためにストーリーを用いることも多く見受けられます。

たとえば、「~~のような転落人生から~~のように努力して、今では~~のように成功しました」のようなギャップを見せるストーリーです。確かにストーリーは、大きな転換から新しい日常へとギャップを描くことも多いですが、ここで話を盛ってしまうケースも多いように思います。読んでいて「嘘くさいな」と思うストーリーを見ることも少なくないです。

これからビジネスを始めようとしている人が、特に情報を売って生計を立てようと(情報商材やブログで)する場合は、自分自身がいかにそのメソッドを使って成功したことを見せなければなりません。そのため、自分を価値ある存在に見せるために話を盛ってしまうのです。しかし、そのようなストーリーは嘘くさく、ビジネス経験豊富な人々はその人と繋がろうとは思わないでしょうし、何より自分自身演じるのが辛くなり仕事が面白くなくなるのではないかと思います。

結局、話を盛っても自分のためにもならないのです。

そのため、ストーリー作りは本音を誠実に語ることが何より大事になるのです。

2-2-4:使いすぎるとまどろっこしい

読者がストーリーを求めていないところでストーリーが登場すると、読者は「まどろっこしい」と思ってしまいます。

私は実際に、欧米の書籍や広告で「ストーリーを使い過ぎじゃないか?」とまどろっこしさを感じることが少なくありません。特にアメリカのビジネス書を読んだことがある方は、ストーリーがやたら多すぎると感じたことがある方がいるのではないでしょうか。『心に刺さる「物語」の力』というストーリーテリングの本では、まさにあらゆるところでストーリーが使われていたため、私はもっと端的に書いてくれと思いました。

あらゆる情報をストーリーで伝える必要はありません。読者と感情的な繋がりを作りたい、読者に信頼してほしいと思う場でストーリーを使えば良いのです。

3章:ストーリーテリングの実践法

それではこれから、ストーリーテリングの実践方法について簡単に解説します。

ストーリーの作り方について、下記の文章は示唆的です。

「ビジネスの世界では、常に目に映る以上の何か、もっと大きな何かが動いている。その『何か』についてストーリーを語れば、あなたのビジネスは根本から変わるかもしれない。」(『心に刺さる「物語」の力』)

つまり、ストーリーは作り出すものではなく、すでにあるものを見つけて言葉にすることなのです。

3-1:ストーリーを集める

まずは、ストーリーを集めることが大事です。

ストーリーは、

  • あなた自身が過去に体験したこと
  • 仕事をする中で感じた感情、思い
  • 事業を始めたきっかけ、その製品を作ったきっかけ
  • あなたが持つ問題意識、顧客に「こうなってほしい」と思っていること
  • 顧客から聞いた物語
  • 日常的に耳にした話

などあらゆるところにあります。それをまずは思いつく限りピックアップすることです。

ストーリーは、5W1Hの枠組みを使って整理すると良いでしょう。つまり、What(何が)、When(いつ)、Why(なぜ)、Who(誰が)、Where(どこで)、How(どうやって)に要素を整理するということです。

考えやすいのはファウンダーストーリーやバリューストーリーです。ファウンダーストーリーであれば、あなたが事業を始めたきっかけとなったあらゆる出来事がストーリーになりますし、バリューストーリーはその商品を作るに至ったあらゆる経験がストーリーになります。

3-2:目的に合ったストーリーを見つける

ストーリーを集めたら、その中から最適なものをピックアップして作りこんでいきます。

繰り返しになりますが、ストーリーが読者の感情とマッチしなければかえって逆効果になることがあります。そのため、ストーリーは目的に合ったものである必要があります。

その上で大事なのは、あなた自身が「これを伝えたい」と強く思うストーリーがたいてい最適であるということです。わざわざひねり出したストーリーより、あなたが本心から伝えたいと思うものに勝るものはありません。

3-3:ストーリーを構成する

ストーリーは、あなたが体験したことを、事実をそのまま羅列すればいいというわけではありません。

読者を引き込み、感情的な繋がりをつくるために構成する必要があるのです。

その上で、『心に刺さる「物語」の力』では下記のように構成するべきだと説明されています。

物語の流れ:日常爆発新しい日常

これは「爆発」から考えると分かりやすいです。たとえば、ファウンダーストーリーであればあなたが起業するにいたったきっかけを見つけ、起業を決意した出来事が「爆発」です。

それから様々な困難を乗り越え、想いを強くし、現在に至ると思います。その経緯から現在の状況があると思いますが、その現在の状況が「新しい日常」です。

そして、「爆発」以前の状況が「日常」です。

この「日常」の描き方としては、読者が共感するような親しみが持てる「日常」を過ごしていたことを描くことです。最初の「日常」で、あなたがあまりにも優秀で特殊な人間であると伝わってしまうと「自分とは違う人間なんだな」「才能や環境に恵まれていたんだな」と思われ、読者は共感できません。それより、あなたの他の人と同じような日常、変わらない悩みを持っていたということが伝わった方が良いのです。

その上で、何らかの偶然の出会い、きっかけから転機が訪れます。これが「爆発」です。これをきっかけに、あなたは目的に向けて努力を始めるということです。

そうして、また日常に戻ってくるのですが、その「新しい日常」は最初の日常とは異なるものになっているはずです。「爆発」をきっかけに努力をして、何らかの新しい成功、成果や教訓を得て再び日常に戻ってきたと言える何かがあると思います。

そのようにしてギャップを描くことで、読者は「自分と変わらない状況にいた人が、努力をしてこのような成功をおさめたのだな」と共感できるのです。

ファウンダーストーリーを例にして説明しましたが、バリューストーリーやパーパスストーリーでも同様の描き方を工夫できます。

3-4:ストーリー作りで重要なポイント

前述の本では、ストーリー作りで重要なのは下記のポイントであるとされています。

  • キャラクター:イメージしやすい、共感できる特徴を持つキャラクターを出すこと
  • 本物の感情:読者(顧客)の本質的な悩み、抱えている問題、辛さなど
  • 瞬間:起業のきっかけや商品開発のきっかけとなった瞬間
  • ディティール:ストーリーの具体的な描写(一般化しないこと)

仕事上、よく企業向けのストーリーを作る私としては、この要素は確かに無意識のうちに使っていたものでした。詳しくはこの本を読んでみることをおすすめします。

4章:私の経験から考えるストーリーテリングのポイント

私の経験上、他にも下記の点がビジネスにおけるストーリーテリングで重要だと思います。

4-1:本音で誠実に語ること

とにかく、本音で誠実に語ることが大事です。繰り返しになりますが、現代の消費者は目が肥えており、企業の動向、言動を厳しくジャッジしています。ちょっとした違和感を感じたら、すぐに競合他社の商品・サービスを選びもう帰ってこないことでしょう。

そのため、消費者の信頼を裏切らないように本音で誠実に語ることが大事なのです。どこまでいっても、その語り手にとって真実の話であると確信が持てる内容のストーリーです。

「そんなストーリー思いつかない」という方もいるかもしれませんが、そんなことはないと思います。ストーリーとは日常に無数にあるものを特定の視点から切り取っただけのものです。そのため、記憶をたどれば必ず人に語れる何かがあるはずなのです。

何となくぼーっと過ごしていたらいつの間にか社長になっていたとか、いつのまにか製品ができあがっていたという人は絶対にいません。あなた自身、忘れているかもしれない出来事や感情が、ストーリーになりえるのです。

本音で誠実に語ることで、イメージしやすいディティールも描けますし、読者も「私も同じ悩みがある」「私も同じ想いがある」と共感できます。

4-2:社会観、人間観、倫理観を持つこと

本音で誠実に語ることが大事であると書きました。しかし、その本音の中身が倫理観がなかったり、人間性を無視したものだとやはり共感されません。

たとえば、あなたが起業したきっかけがただ単に「儲けたかったから」という理由である場合もあるかもしれません。これをそのままストーリーにしても、読者はあなたを信頼する理由になりません。むしろ、「儲けたいだけなら質の低い商品なのかな」「何か裏があるのかな」と疑いの目を持ってしまいます。

そのため、ストーリーの語り手には社会観、人間観、倫理観といったものが必要になります。難しく考える必要はありません。これはいわば、「常識」とも言い換えられるものです。読者が反感を持ったり、信頼を裏切るようなストーリーを語らなければ良いということです。

また、もしただ「儲けたい」というような個人的な動機からビジネスであったとしても、どこかのタイミングで心を入れ替え、人のためにビジネスをやるようになった、というようなストーリーであれば読者の信頼を得られるでしょう。

ようは、伝え方、言い方が大事だということです。

あなたも、すぐに取り掛かれるところからストーリーテリングを活用し、どんどん練習しながら良い物語を作ってみてください。

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