最近、ありがたいことに何人もの方に継続でコーチングセッションをさせて頂いているのですが、多くの方が最初に言われるのが「こういうことをやりたい」という、新たな挑戦です。
コーチングを依頼してくるくらいなので、やはり何か新しいことをしたい、挑戦したいというテーマをお持ちの方が多いのです。
しかし、何度かセッションをするうちに分かったことがあります。
それは、生活基盤が整っていないと新しいことに挑戦できないということです。
生活基盤が整うとは、
- 精神的に安定している(気持ちの上下が激しくない)
- 生活リズムが整っている(変動しない)
- 身体的に健康
- 身近な人間関係が良好
などのことです。すべてが100%ではなくても、ある程度整っていなければ新しい挑戦は難しいな、とクライアントの方を見て感じています。
なぜ生活基盤が大事なのか、どうしたら生活基盤が整うのか、解説します。
生活基盤が安定していないと新しいことはできない
生活基盤とは、私の考えでは「心身が健康で自分や周囲の環境が良好な状態にあること」です。
コーチングでは「自己基盤」という言葉を使いますが、より日常的な、行動のベースになるものを生活基盤と考えます(生活基盤にはインフラという意味もあるのですが、ここでは違う意味で使いますね)。
生活基盤が良好じゃないと、
- 精神的に安定せず、落ち込んだりハイになったり、気分の上下が激しい
- いつもなぜか不安だったり、イライラしていたりする
- やる気を出したり、前向きな考えを持ったりできない
- よく体調が悪くなる
- 時間に余裕がなく、やるべき仕事や家事でいっぱいいっぱい
- 人間関係に問題を抱えていて、いつも悩んでいる
- いつも「やるべきこと」に意識が割かれている
などの原因になります。
実際、コーチングセッションをする中で、最初は「新しい挑戦がしたい」というテーマで進めていても、2週間後に2回目のセッションをすると「やっぱり決めたことができなかった」「習慣が続かなかった」と言われることが多いのです。
この場合、実は生活基盤が安定していないために、新しい挑戦ができていないということが多いのです。
生活基盤に原因がある場合、ほぼいつもクライアントの方が自分でセッション中に気づいて「私のテーマは、〇〇に挑戦することよりも、まずは生活リズムを整えることのようです」と気づいてくれます。
生活基盤のイメージは、以下のような感じです。
生活基盤が整っていないと、新しいことをはじめても気持ち、体力、時間、環境などいろいろな面で問題が起きて、新しいことも続かなくなってしまうのです。
それどころか、新しいことを始めたために負担が増えて、以前よりももっと毎日が苦しくなるということも。せっかく新しいことをはじめたのに、続けられない自分にもイライラして悪循環に陥ることもあります。
そのため、新しいことを始める前に、まずは生活基盤を整えることをよく考えるべきなのです。
生活基盤が安定すれば、
- 新しいことに挑戦する意欲が常に湧いてくる
- ネガティブな出来事があっても、すぐに復活できる
- 努力を継続し、挑戦することが習慣になる
- 心身が常に健康
などになり、新しいことへの挑戦にも全力で取り組めます。
とは言え「生活基盤が乱れているかどうか」はなかなか自分では気づけません。
そこでおすすめなのが、今の自分を客観的に見てみる「レビュー」の習慣です。
生活基盤の乱れをチェックするレビューの習慣
生活基盤が乱れているかをチェックするために、毎日もしくは週に1回でも「レビュー」の習慣を作ることをおすすめします。
レビューとは、自分で項目を作り、定期的に振り返り、自分の状態を客観的に認識してみることです。私の場合は、以下のようなものをほぼ毎日レビューとして行っています。
「いきなりそんなにはできない」という方も、ほんの少しからでもはじめてみると良いと思います。
毎日、もしくは週1でもレビューするようになると、自分の定点観測ができます。定点観測ができると、自分が沈んでいるのか、浮上しているのか、良好な状態なのか、不調なのか、客観的に把握できます。
客観的に把握できるというのが大事なことです。
なぜなら、生活基盤が乱れていると、自分を客観的に認識できず「自分の生活基盤が乱れているかどうか」すら意識しなくなるからです。
そのため、これから新しい挑戦をしたいという方も、まずはレビューの習慣を作って生活基盤を認識し、安定させることからはじめてみることをおすすめします。
生活基盤を安定させる方法
自分の生活基盤がどのくらい乱れていて、どこを改善すべきか把握できたら、新しいことをやる前に、真っ先に生活基盤を安定させる方法を考えるべきです。
整えるべきポイントは状況によって異なりますが、私の経験上、生活基盤を整えるためには以下のような習慣に取り組むことが、効果が高かったです。
- 生活リズムを安定させる
起床、就寝時間や食事の時間、休憩、成長の時間などを決めておいて、できるだけ変えずに生活する。 - 時間管理を徹底する
何にどれだけ時間を使っているのか記録し、計画する。 - 労働時間をできる限り減らす
残業を減らし、できるだけ早く帰る。 - 食生活を整える
炭水化物を減らして、タンパク質やビタミンなどの栄養をしっかり取る。 - 心身の感覚、声に耳を傾ける
自分の心の姿勢や身体の疲労、心の底で思っていることに耳をすまし、時には休みをしっかり取る。 - 柱になる習慣を作る
早起きや運動習慣など、生活全体に良い影響を与えるような習慣を作り、継続する。
上記のようなことを実践すると、生活基盤が安定して心身に力がみなぎり、前向きな気持ちになっていくはずです。
これは私の経験上効果があったことなので、あなたも実際にやってみる中で、自分なりの整え方を工夫してみてください。
人生では何度も生活基盤を整えなければならない
私はこれまで、かなり意識して生活基盤を整えてきました。
それは、人生の中で常にやりたいこと(武道や勉強)があり、働きながらやりたいことをやるためには「生活基盤を安定させる」という課題と、向かい続けなければならなかったからです。
しかし、生活基盤は「これで100%整った」と思えることはなく、常に安定させるために工夫し続けなければならないのだな、と最近強く思っています。
なぜなら、引越、転職、キャリアアップ、趣味、結婚などなど様々な要因によって環境が変わり続けるため、そのたびに生活基盤を整え直さなければならないからです。
「常に考え続けなければならないなんて面倒だな」
と思ったかもしれませんが、安心してください。
普段から生活基盤が安定していれば、変化にもすぐに対応できるのです。逆に、普段から安定していなければ、周囲の環境に変化があるたびにさらに不安定になり、ストレスの原因になります。
そのため、まずは今の状況で生活基盤を安定させる工夫をすることが大事なのです。
このブログでは、生活基盤を安定させるためにヒントになるようなことも、よく書いていますので、ぜひ参考にして実践してみてください。また、実際に効果が高いことがあれば、ぜひ教えてください。
■剣術師範、整体師(身体均整師)、ライター。セルフケア・トレーニングのオンライン教室運営中。
■池袋周辺で施術・トレーニングを行います。【旧:ふかや均整院】
■現代人の脳・感覚の使い方の偏りや身体性の喪失を回復するために【suisui】という独自のプログラムをオンライン教室中心に運営しています。