コーチング

「前向き質問」を使って思考と行動を変えるコーチングの質問思考

2019年1月21日

前向き質問で行動を変えるコーチングの手法

受講しているコーチングクラスの先生から『すべては「前向き質問」でうまくいくー質問思考の技術/クエスチョン・シンキング』という本をおすすめしてもらいました。

コーチングの勉強の一環として読んでみましたが、とても分かりやすくて良い本でした。特に前回紹介した『セルフトークマネジメントのすすめ』ととても共通するところが多い内容でした。

というのも、自分や他人に対して使っている「意見」や「質問」を「前向き質問」に意識して変えていくことで、考えや行動を変えていくことがこの本のポイントだからです。

これまで自分や他人に対する質問について意識してこなかった人、行動を変えたいと思いつつ上手く変えられていないという人、何らかの壁にぶち当たり超えていきたいと思っている人などには、とても学びがある本だと思います。

それでは『すべては「前向き質問」でうまくいくー質問思考の技術/クエスチョン・シンキング』から学んだことを紹介します。

質問には2つの種類がある

著者はまず、質問を「学習する人の質問」と「批判する人の質問」に分けて考えています。

学習する人の質問・・・身に起こったことから何を学べるかを考えるための質問

批判する人の質問・・・身に起こったことに自動的に反応し、感情的に考え、行動する質問

そして、人は「批判する人の質問」をしがちですが、常に「学習する人の質問」を選ぶことでどんどん成長していける、というのがこの本の中心にある考え方です。非常にシンプルですがそれだけに真似しやすく、誰でも簡単に実践していけると思います。

もう少し詳しく解説していきます。

本の中では、意識的に質問を使うことで考え方や行動を変える手法のことを「クエスチョンシンキング」と言っています。

クエスチョンシンキングの考え方は「批判する人」は自分の身に起こったことに対して自動的に反応してしまうが、「学習する人」は意識して状況に対応するため「学習する人」は常に状況を冷静に判断して行動し、より自分が学べる選択肢や生産的な選択肢を選ぶことができるということです。

自分になにが起こるかは必ずしも選択できないが、起きていることに対して自分がなにをするかは選択できる。

『すべては「前向き質問」でうまくいく』

もちろん、どれだけクエスチョンシンキングに習熟しても、常に「学習する人」として行動を選択できるわけではありません。しかし、著者によると、たとえ「批判する人」の立場に立ってしまっても「学ぶ人」としての意識を持っていれば、自分が「批判する人」の立場に立ってしまったことを認識し、行動を変えることができるということです。

具体的には、以下のプロセスで行動を変えることができると説明されていました。

質問をして行動を変えるプロセス「ABCC」

批判する人ではなく学ぶ人としての行動をしていくためには、ABCCというプロセスを訓練することが大事です。

ABCCとは、以下のことです。

  • A・・・Aware:気付き
  • B・・・Breathe:深呼吸
  • C・・・Curiosity:好奇心
  • C・・・Choose:選択

順番に解説します。

Aware:気付き

Aware:気付きとは、まずは自分のことを客観的に眺め「批判する人」と「学習する人」のどちらの立場に立っているかを認識することです。

著者によれば、人は多くの場合で状況に自動的に反応し、その状況を批判的に見てしまうそうです。確かに、自分の行動を振り返ってもそのようなことが多い気がします。たとえば、仕事がうまく進まない時に、

「なんでこんなことになるんだろう?」

「〇〇さんが遅いのが原因じゃないのか?」

「なんでこの人はこんなに仕事が遅いんだろう?」

「私のことを邪魔するためにわざと仕事を遅らせているのでは?」

などと考えてしまうことがあれば、これは「批判する人」の立場に立ってしまっています。

また、アタマの中では常に「質問」を持っているわけではないと思います。その場合、アタマの中にある考えを質問に変えてみると、批判する人、学習する人のどちらの立場に立って考えているかを明らかにすることができます。

たとえば、

「あいつのせいでイライラする(考え)」→「うまくいかないのは誰のせい?(質問)」→批判する人の立場の質問

というように考えることができるのです。

自分が「批判する人」「学習する人」のどちらの立場に立っているか確認できたら、次にBreathe:深呼吸のフェーズに入ります。

Breathe:深呼吸

Breathe:深呼吸の段階では、落ち着いて自分の状況を客観的に見てみることが大事です。

「状況の捉え方について思い込みはないか?」

「自分や他人に対してどのような質問をしていた?」

「質問を変えたらどのような状況になる?」

落ち着いて自分の状況を見ることができたら、次の段階に進みます。

Curiosity:好奇心

Curiosity:好奇心とは、事実を見る、情報を集めるという段階です。

「〇〇さんは兄を考えているのだろう?」

「何があれば状況がうまくいくだろう?」

「他にどんな考え方ができるだろう?」

「正しく判断するためには、何を調べるべきだろう?」

上記のような問いを自分・他人に問いかけて「学習する人」としての行動、選択をするための情報を集めるのです。

この段階では、問題になっていることについて「質問のブレインストーミング」をして、状況を変えうる質問をできるだけたくさん出してみる、ということも有効です。

Choose:選択

ここまでのプロセスを経て、最後にChoose:選択の段階に進みます。これまでのA、B、Cの段階を経て「学習する人」としての選択をするのみです。

段階に分けると「4つ段階もあるのか」と面倒に感じてしまうかも知れませんが、慣れれば大した手間はなく、一瞬で考えを切り替えて「学習する人の質問」を自分に投げかけられるようになるのではないかと思います。

まとめ

『すべては「前向き質問」でうまくいくー質問思考の技術/クエスチョン・シンキング』の中には、他にももっと具体的に考え方を変える方法として7つのツールが紹介されています。

このツールを少しずつ使ってみるだけでも、普段使っている質問を変化させ、行動をかえていくことができるでしょう。

私も、この本を読んでさっそく毎日行っている「日次レビュー」の項目のいくつかを改善し、より質の高い問いかけができるようにしてみました。

物語形式ですぐに読み終わる本なので、ぜひ読んでみてくださいね。

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