コーチング

本当の自信とは「Do」の自信とは違う「Be」の自信を持つこと

2019年2月7日

本当の自信はDoの自信ではなくBeの自信

あなたは「Doの自信」「Beの自信」の区別を付けていますか?

私はコーチからコーチングを受け始めたときに、はじめて「Doing」と「Being」を使い分けることを知って、そんな考え方があるのかと面白かった記憶があります。

それ以降「Do」と「Be」をなんとなく区別して意識していたのですが、最近『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』という本を読んで「Do」と「Be」の使い分けをよく理解することができました。

結論を言えば、多くの人が持っている自信は「Do(行動、成果)」による自信のことであり、それは失われやすいこと。「Be(在り方、心の姿勢)」の自信を付けると、本当の自信が得られること。

そんなことが『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』には書かれていました。

この本から学んだことを詳しく書いてみます。

「成果を出すことが自信に繋がる」は間違い

あなたは常に揺るぎない自信を持っていますか?

実は、一般的に「自信」と言われることは「Do」つまり行動した結果の成果に基づいたものだと考えられています。自分の能力で何らかの成果を達成した場合に、自信が付くという考え方です。

これは間違っているわけではないのですが、それだけでは不十分であるというのが著者の考えです。

なぜなら、成果に基づいた「Do」の自信は、成果だけでなく人間としての価値として捉えられがちだからです。たとえば、行動した結果成果が出ない場合「自分の価値は低いのかも知れない」と思ってしまう。単に成果が出なかっただけなのに、それを自分自身の価値と結びつけてしまう。

「Do」の自信は、こうした勘違いを引き起こしやすく、その結果自己肯定感の喪失に繋がってしまいがちなのだそうです。

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「Do」の自信は安定しない

また、行動の成果は他人の評価によって左右されます。

会社での仕事ぶりは、ある上司からはほめられても、他の上司からはダメだと言わるということがあります。他人の評価によって成果が左右され、その結果あなたの自信も他人の評価によって左右されてしまうと、自信は常に安定しません。

状況に左右されて自信があったりなかったりすると、安定したパフォーマンスも発揮できませんよね。

したがって「Do」でしか自信を持てない人は、自己肯定感自尊心が低く、その結果、以下のような行動をとってしまうことが多いそうです。

  • 自分がどう思うかより他人がどう思うかを優先するため、誘いやお願いを断れない
  • 他人がどう思うかを重視するため、自分の意見が言えず優等生的な答えしかできない
  • 自分のニーズより他人のニーズを優先してきたため、自分の気持ちに鈍感
  • 外見など自分の見え方を気にしすぎ、常に自分に満足していない
  • 自信がありそうな姿を装って、自信なさそうにしている人を見下す
  • 勝ち負けを気にしすぎる
  • 本当の自分をさらけ出せないため、人を避け、人と知り合ってもプライバシーを明かさない
  • 深い人間関係を築けない
  • 自信がないため少しでも成果を重ねようとし、やらなければならないことに追われ、本当にリラックスできるような自分のケアを怠る
  • 自分は価値がないため、人に尽くしてようやく存在が許されると思う
  • 成果を上げ続け、それを評価してもらえないと自分の価値を保てないと思っている→ワーカホリックになる

私はこうした「Do」に自信を求める人(=自信が安定しない人)の特徴を見て、過去の自分はそうだったなあと思いました。今でも、その兆候が100%なくなったとは言えないかもしれません。

では、どうしたら本当の自信を手に入れることができるのか。

そこで大事なのが「Be」の自信を持つことなのです。

「Be」の自信を付けることが「本当の自信」を手に入れる方法

自信を持つための方法として「もっと行動して成果を上げることで自信を付けよう」と思う人は多いと思います。私も以前はそう思っていました。

しかし、著者によるとこの考えは間違いなのだそうです。

なぜなら、繰り返しになりますが、成果に基づいた自信は人の評価に左右されるため、安定せず「自信が付いた」と満足することができない。そのため、常に成果を求め続けて、疲れ切ってしまうという結果に繋がるからです。

そこで大事なのが、成果、つまり「Do」の自信ではなく、自分の心の姿勢そのもの、つまり「Be」に自信を持つことなのです。

  意味 特徴
Doの自信 成果をあげることで身につく自信(〜できる) 他人の評価に左右されるため、常に成果を上げ続けなければ満たされない
Beの自信 自分の心の姿勢、在り方そのものに対する自信(〜したい) 在り方そのものに自信を持つことなので、成果や他人の評価に左右されない

では「Be」の自信とは何なのでしょうか?

「Be」というのは、心の姿勢、自分の在り方そのもののことです。「こう在りたい」と思う自分の気持ちそのものに対する心地よさ、愛おしさを「Be」の自信と言うのです。

たとえば「いつも誠実な姿勢を持っていたい」と思っている人の場合、誠実な姿勢を持とうとしている自分の姿勢そのものに居心地の良さ、心地よさを感じられるため、成果に関係なく常に満たされています。これが「Be」の自信になるのです。

心が安定するため、成果も出しやすくなり「誠実な姿勢で行動した結果、成果も出せた」ということで「Be」の自信の上に「Do」の自信も蓄積されていきます。

「Be」の自信には、以下のような特徴があります。

  • 形がないのでなくならない
    なくならないため、どんな状況でも常に持ち続けることができる
  • 評価や比較の対象にならな
    他人の評価や比較に左右されないため、安定している
  • 失っても、いつでも取り戻せる
    「在り方」なので、それを見失うことがあっても、また意識し直せば取り戻せる
  • 目の前の物事に集中したり、心から感動したりできるようになる
    在り方、姿勢そのものの自信であるため、常に満たされ、その結果「今」に集中できる。

「Be」の自信は自分の心の姿勢であるため、どんな場合でも感じ続けることができます。

では、どうしたら「Be」の自信が付けられるのでしょうか?

「Be」の自信(本当の自信)を身につける方法

「Be」の自信を身につけるためには、これまでの自信に対する考えを改める必要があります。

あなたは「自信は筋肉のように、成果を出すことで強くしていくことができる」と思っていませんか?このような考えでは、本当の自信は身につきません。

「Be」の自信、つまり本当の自信をつけるためには、以下の方法を実践すると良いそうです。

  • その時の「Be」を感じること
  • 正確な言葉を使うこと
  • 自分の限界を認識すること
  • 今に集中すること自分に目を向けないこと
  • 他人からの批判に影響されないようにすること

順番に解説します。

その時の「Be」を感じること

「Be」の自信は、常に、空気のようにリアルタイムで感じ続けるものです。

「こうしたいな」「こう在りたいな」「こんな姿勢でいたいな」

このような在り方、心の姿勢を持とうとすること、それ自体に心地よさを感じることが「本当の自信」を身につける方法なのだと、この著者は主張しています。

実際に成果が出ているかどうかは関係ないのです。

そのため「自分はダメだ」という思いを持ってはいけません。

このように自虐的な考えを持ってしまうと、行動することに気持ちよさを感じられません。つまり「Be」の自信を感じることができません。また、今に集中できないため、成果も出なくなってしまいます。

たとえば「毎日5キロランニングすること」を考えてみてください。

毎日5キロランニングすることを目標にし、「Do」つまりできたかどうかという成果で自分をジャッジしてしまうと、5キロ走れなかった日は「走れなかった自分」に焦点を当ててしまい、落ち込んでしまいます。つまり、挫折しやすいです。

そこで「毎日走ることで健康であろうとする自分の在り方」という「Be」の焦点を当てるようにしてみましょう。

すると、走れた日は「走ることで健康になろうとした在り方」に心地よさを感じることができますし、休んでしまった日も「休むことで健康であろうとする自分」や「時間がなくても、走ることに対する思いを忘れなかった自分」に心地よさを感じることができます。

そのため、挫折しにくくランニングを継続しやすいのです。

このように、行動自体ではなく行動に対する在り方、心の姿勢を意識することが「本当の自信」に繋がるのだそうです。

正確な言葉を使うこと

「自信がない」と思った時、どのようなシチュエーションだったか思い出してみてください。

その「自信がない」は、正しく言うと、

  • 近い未来に起こりそうなことに対する不安
    例:新しい職場になじめるか不安、学校で友達ができるか不安
  • 人から批判されたことによる衝撃
    例:上司や先生から強く怒られて自信を失った

などのことではありませんでしたか?

こうした「未知のことへの不安」や「衝撃(ショック)」は人間として当然の防衛本能なので、あなた自信の価値の無さや自信のなさに繋げる必要はない、と著者は主張します。

未来のことなど未知のことへの不安を感じる時は「不安でも前に進もうとしている自分」に心地よさを感じ、「Be」の自信を感じることもできます。

また「衝撃(ショック)」を受けて自信を失ってしまった時は、まずはそれまで通りやれていた日常に戻り、無理に行動せず、自分を大事にする「Be」を感じるようにしましょう。

もし身近な人を失ったなど「悲しみ」から衝撃を受けてしまった場合は、悲しみのプロセスをしっかり感じることで、自信喪失から脱することができるのだそうです。

自分の限界を認識すること

自信を失ってしまう時、それは自分自身に必要以上に期待していたことが原因である可能性があります。

しかし、どのような人にも限界があります。たとえば一流アスリートになるには何らかの遺伝的特質が必要でしょうし、誰もがビルゲイツやザッカーバーグのようにはなりません。

そのため「努力すれば何でも達成できる」と思わず、「できないのは仕方が無い」と思えるようになることが大事です。

また、現状に不満があり「もっと頑張れるはず」と思った時も「今はこれで良い」という思いを持つことが大事です。今は、お金や時間、やる気の高さなど様々な事情からそのようになっているのであり、現状は必然なのです。

進歩したいと思うのは良いことですが、今を否定するのではなく、今を受け入れた上に自信を蓄積していくことが大事なのだそうです。

今に集中すること

「Do」にとらわれてしまうと、今に集中し今を大切にすることができません。

「成果を出して自信を付けたい」と思うほど、過去や将来の「Do」つまり行動に意識が向いてしまい、気が散ってしまいます。

今に集中できないと、今やっていることで成果を出すこともできません。

そのため、完璧を目指さないこと、完璧さを手放すことが大事です。

完璧を目指すと自分に批判的な目を向けることになるため、自分の在り方、心の姿勢に良い感じ方ができなくなってしまいます。

今に集中し、今の在り方、心の姿勢を気持ちよく感じられるようになることで「Be」の自信に繋がるのです。

自分に目を向けないこと

自信を得るためには、自分に目を向けすぎないということも大事なことです。

なぜなら、自分に目を向けることは自分を評価することであり、自分を他人の目で見ることになるからです。自分に目を向けると批判的に見がちになり、今に集中できなくなります。

本の中では憧れの人と会食するシチュエーションが例となっています。

憧れの人と会食する時「相手を楽しませられるのか自信が無い」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかしこの考えは自分に目を向けている状態ですので、実際に楽しませることは難しくなるでしょう。

しかし、このようなシチュエーションで大事なのは、自分ではなく相手に目を向けることです。

「その人と一緒に時間を過ごせることを心から嬉しく思う」という在り方を意識することで「自信が無い」という思いから解放される上、嬉しさが相手に伝わって、結果的に良い雰囲気になれるはずです。

自分がどう思うかではなく、相手がどう思うかを意識することが「本当の自信」を得る上で大事なことなのです。

他人からの批判に影響されないようにすること

人から強く批判されるようなことがあると「自信が無い」と感じてしまいがちですよね。

もし批判されてしまった時は、批判の「内容」と「トーン」を分けて考えることが大事です。

内容としては批判でも、トーンが優しければあなたは自信を喪失することはないはずです。トーンが批判的だったり高圧的だったりすると、自信を喪失してしまいます。

そこで批判されたときは「内容」だけに注目し、トーンは受けとらないように意識することが大事です。

トーンを受けとらないためには、批判してくる人は「自信が無い人なのだ」と思うと良いそうです。

なぜなら、批判のトーンになる人は成果しか見ていない人だからです。

また、相手の批判に対しては「そう思います?」と返すのも一つの方法です。「あなたはそう思うのですね」という捉え方をすることで「私は私です」という防御線をはることができます。

この他にも、

  • いろんなことをやってみる
  • 何の目的もない、成果を求めない、気持ちよさだけを求める時間を作る
  • Beを振り返り確認する習慣を持つ
  • 自己開示しても大丈夫だと思える安全な人と話す

などの方法も紹介されていました。

詳しくは『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』を読んでみてください。

まとめ

私たち現代人は「成果を出すこと」を常に求められています。

そのため、自然と「成果が出せなければ、自分には価値がない」「成果を出すことで自分の価値が上がる」という考えになりがちです。このような考え方を内面化すると「成果が出せないから自信が無い」と考える癖がついてしまうのだと思います。

私自身「Doing」「Being」という言葉を聞くまで、自分の在り方や心の姿勢を意識することはありませんでした。

しかし、実際にこの言葉を知ってから自分の在り方に目を向けられるようになり、本当の意味でのありのままの自分を受け入れられるようになった気がします。

今「自信がない」と思われている方は、ぜひ一度この本を読んでみて、少しずつ意識を変えてみてください。

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