思考を変える

頭の働きをよくするためには「環境」「感覚」「認識」を改善すること

2023年7月28日

頭の働きをよくするためには

こんにちは、ふかや均整院の院長深谷です。

いろいろな形で身体のことを勉強、実践してきた経験から、頭の働きをよくするためには、身体の状態を変えることが何より大事だと考えています。

そのためには、デジタルな環境(パソコン、スマホなど)を遠ざけて五体と五感覚をしっかり使う活動をするべきです。

このように書くと「デジタル化が進む時代に何を逆行していることをいっているんだ」と思われるかもしれません。

しかし、人間はそもそも頭だけの存在ではありません。頭が進化したのも、進化の過程で高度で複雑な身体活動が求められたためであり、五体と五感覚を駆使することは、頭の働きをよくするために必須です。

クヨクヨ悩んでしまうといった思考の問題や、イライラするような感情的な問題は、身体から整えることで改善される可能性もあります。

身体の経験、実践の少なさは下がるところまで下がったのではないか

すでに多くの方が主張していることですが、現代人の身体をまともに使わない生活は、かなり行くところまで行ったのではないかと思います。

座り時間の長さ、ディスプレイを見ている時間の長さ、運動不足、、

特に個人の娯楽、消費はネットの世界のみで完結することも多くなり、現実の世界での経験は少なくなったのではないでしょうか。

また、日常生活や仕事のほとんどに便利な機械が入り込んだことで、自分の感覚をまともに磨かなくても、生活に困らなくなりました。

たとえば、パソコンを扱うのに必要なのはパソコンのハードやソフトの仕組みを理解するアタマの能力は必要とされますが、フィジカルとしては「画面を見続けること」「指先を速く動かすこと」くらいの使い方しか必要とされません。

このような日常生活での、身体的な経験の蓄積の薄さは、積み重なることで人間の総合的な能力を落としているのではないかと思います。

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人間の頭脳の活動は感覚(身体)からの反映が元になっている

「現代人の生活は、頭を使うことの方が多いのだから、身体活動が減っても別のいいだろう」という考えもあると思います。実際、ここまで考えなくとも、現代人の生活は自然にそうなってはいます。

しかし、頭を使うことが増えているとはいっても、その頭の活動も身体の活動に支えられています。よくいわれる「頭を使う」「頭の働きをよくする」といったことは、頭の働き(機能)に焦点が当てられており、それ以前に頭の働きを支える実体の問題や、認識の問題がおざなりにされている印象があります。

頭の働きを支える認識の問題

そもそも人間の頭の働きのことを、認識論という学問分野では「認識」ととらえます。

頭の中で思考したり、あれこれ考えたり、感情が動いたりするような、頭と心の働きのすべては認識の活動です。

そして、認識とは外界の五感覚器官(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)からの反映を脳の働きによって統合したものがもとになっています。つまり、外の世界、環境のすべてを感覚によって受け取り、それを頭の中で合成した像が、人間の頭の働きのもとになっているということです。

詳しく説明すると長くなってしまうため、ここでは簡単な説明にとどめます。

ここでいいたいのは、人間の頭の活動のもとになっているのは、感覚器官による外界の反映であるということです。

そのため、感覚器官そのものの実力が悪い(感覚が鈍感になっている、逆に過敏になっている、など)と頭の働きや精神状態にも影響します。

また、感覚器官の働かせ方が悪い(自分から能動的に働かせて周囲を反映する力を鍛えていない)と、やはり頭の働きや精神状態にも影響します。

このように、人間の頭の働きを「認識」としてとらえると、そのベースにあるのは感覚器官の働きであることがわかります。

最近では、発達障害の子どもに感覚の問題があり、感覚を鍛えるトレーニングをすることで発達障害が改善されるケースも多くなっているようです。このような例からも、感覚の重要性がわかると思います。

頭の働きを支える実体の問題

さらに、頭の働きは身体の実体(脳細胞、神経、内臓などの問題)もベースになっているといえます。

簡単にいえば、体の健康状態が悪ければ神経や脳細胞の機能にも影響し、働きが悪くなってしまうということです。たとえ、悪い部位が頭と関係がないところにあっても、人間の全身はつながっているため、頭の働きに影響します。

また、人間の認識が反映するのは外界だけでなく、内界(=体の中)でもあります。

そのため、反映する対象である内界に乱れがあれば、当然認識も乱れます。つまり、頭や心の働きに影響し「頭が働かない」「落ち込む」「不安が強い」といった状態になるということです。

普段のあなたの「考え」はどこまで体に影響されているか?

最近では、AIを中心にテクノロジーが発展し、デジタル化が進み、頭を使った活動(思考、人格、感情 etc)が頭だけで行われているかのように論じられていることも目にします。

しかし、ここまで書いたように、人間の頭の働きは身体の状態と密接に関わっていると私はとらえています。

逆にいえば、あなたが自分の「考え」「気持ち」だと思っていることは、身体の状態に大きく影響されているということです。

たとえば、あなたが毎日イライラしていて、そのイライラの原因が職場の上司であったとしましょう。すると、たいていは「仕事を辞めたい」「職場を変えてほしい」といった悩みに結びついていくでしょう。

しかし、そのイライラの原因が、感覚器官や神経の実体や機能が衰えているためであったり、その働かせ方に問題があるためであったり、内臓疲れがあるためであったり、ということも多いわけです。

身体の状態がよければ、たいしてストレスにならないようなことも、身体の状態が悪ければストレスになってしまいます。健康があなたが考えることと、不健康なあなたが考えることは内容が違うはずです。

昔から「健全な精神は健全な肉体にやどる」といいますが、少なくとも身体の状態がよくなるほど、思考や感情も整うベースができてくるのです。

身体の状態をよくするには、まず生活基盤を整えること

身体の状態をよくするためには、よくいわれるように栄養豊富な食事、質のいい睡眠、軽い運動習慣がまずはベースになります。

さらに、前述のように思考や感情といった精神的な活動は、すべて認識の働きです。そのため、認識が乱れないように整える、ということも大事です。

たとえば「ストレスを感じないようにする」「嫌なことは忘れる」「前向きに考える」といった一般的な習慣でも続けると認識が乱れなくなります。

身体を使った実践の少なさで、頭の働きや感情も劣化する可能性

食事、睡眠、運動や認識を整える習慣を行うことで、ある程度は身体と頭の状態はよくなるでしょう。

しかし、そもそも現代人は身体を使った実践が少ないです。そのため、下記のようなこともあり得ます。

  • そもそもの外界の認識としての反映が偏っている
  • 感覚器官や脳細胞の実体が弱くなっている
  • 感覚や認識の働かせ方がよくない

そもそもの外界の認識としての反映が偏っている

繰り返しになりますが、人間の認識は外界の反映がもとになっています。

そのため、外界の反映が偏っていれば、認識も歪む(頭の働きが悪くなる、悩む、疲れる、感情的になる、など)ことになります。

「一日の大半はスマホやパソコンのディスプレイを見ている」「毎日、家と職場の往復ばかり」といった生活だと外界の反映が偏っているといえます。

感覚器官や脳細胞の実体が弱くなっている

身体をしっかり使って活動していないと、感覚器官や脳細胞の実体そのものが強くなりません。

理想的なのは、五体と五感覚器官をしっかり使う活動をすることです。スポーツや武道でもいいですし、子どもであれば自然の中でたくさん遊ばせることをおすすめします。

大人もできるだけ運動、遊びなどで身体を使うことが大事です。

感覚の働かせ方がよくない

現代の生活では、身体の使い方が適当でも生活で困ることがあまりありません。

しかし、身体の使い方が適当では、感覚器官を能動的に働かせることができません。

そのため、たとえば、

  • 料理
  • 砥石での包丁研ぎ
  • 絵画、彫刻、書道など手先を繊細に使う趣味
  • 武道
  • 楽器の演奏

など身体を繊細に操作する、感覚を駆使する趣味などをつくるといいでしょう。

現代人の認識の働かせ方、というのは実は非常に大きなテーマなので、今回は思いつくまま日常的な部分のみに焦点をあてて書きました。

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