整体

体の痛み、不調の改善、怪我予防のためには「各部位が役割分担できること」が大事

2023年7月26日

役割分担できる体になることが大事

こんにちは、ふかや均整院の院長深谷です。

私が整体の施術や運動指導を通してゴールとして描いているのは、体の本来の機能がしっかり発揮できるような「いい体」です。

この「いい体」とは、言い換えれば各部位が役割分担できている体、ということでもあります。

体って、勝手に役割分担されているのでは?

と思われるかもしれませんが、痛み、怪我、不調が出がちな体になっている場合は、役割分担がうまくいっていない、といえます。

役割分担できていない体の典型例の一つが、腰痛になりやすい体です。

腰痛になりやすい方は、股関節や胸椎(胸の部分の背骨)の動きが悪く、体をねじったり、前屈・後屈するときに、過剰に腰(腰椎など)を使ってしまいます。

その結果、腰だけに負担が集中して痛めてしまうのです。

そのため、体の各部位が本来の機能を使える、役割分担ができる体を作ることが、痛み、不調の改善や怪我予防にもつながるのです。

この役割分担できる体について、もう少し詳しく説明します。

腰痛は股関節、胸椎の動きの悪さから起こりやすくなる

体の役割分担とはどういうことか、具体例で説明します。

冒頭でも触れたように、腰痛は股関節や胸椎の動きの悪さから起こりやすくなります。

本来、体をねじる(回旋させる)ような動きは、腰(の背骨)にはよくない動きです。

たとえば、座ったまま横や背後にあるモノを取ろうとする、人から呼ばれてパッと振り向く、といった動きなど日常で多いでしょう。このような動きで腰をひねったときに、痛めてしまうことがよくあります。

なぜなら、腰の部分の背骨(腰椎)はねじる動きが得意な構造ではないからです。

そのため、腰をねじると、周囲の筋肉や骨そのものが傷ついてしまう可能性があるのです。

体をねじる動きをするなら、まず動かなければならないのは股関節です。股関節は自由度が高い関節であるため、ねじる動きも大部分を行ってくれます。

さらに、胸椎(胸の背骨)もねじる動きができます。胸椎は肋骨がくっついているため大幅に動く部分ではありませんが、ここが動きにくいために、腰が代償して痛めることが多いのです。

つまり、腰は腰としての役割から逸脱すると痛めてしまいますし、股関節などの他の部位が役割を果たしてくれれば、腰を痛めることは減ります。

したがって、腰痛の予防のためには、股関節や胸椎の柔軟性を高めること、普段から動きやすくしておくことがまず必要なのです。

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肩の怪我や不調や肩甲骨、鎖骨の動き、肩と肩甲骨の連動の問題などから起こりやすくなる

運動・スポーツによる肩の怪我や、四十肩・五十肩で悩む方も少なくないでしょう。

このような方は、肩甲骨や鎖骨、肋骨を含めた体幹の動きが悪くなっていることが多いです。

いわゆる肩の関節とは「肩甲上腕関節」という部分ですが、腕を大きく動かすようなときは、ここだけでなく肩甲骨や鎖骨が大きく動きます。また、肋骨や肋骨がついている胸椎(胸の背骨)も動きます。

これらの連動がうまく行われていれば、肩関節だけに過剰な負担がかかって痛めるようなことはありません。

しかし、肩甲骨、鎖骨、肋骨などは、現代人の生活ではあまり使わないため、動きが悪くなりがちです。

その結果、肩関節だけが動きすぎ、痛めてしまうことが多いのです。

したがって、肩を痛めないためには、肩甲骨や鎖骨、肋骨も含めた全体の柔軟性を保つことが大事なのです。

このように、肩は肩らしく、肩甲骨は肩甲骨らしく、それぞれが構造上正しい動きをしてくれれば、特定の部位に負担が集中することはなくなるのです。これが、役割分担ということです。

体を痛めるのは自然本来の動きから離れた生活をしているため

本来なら、人間は体の構造と違う動きをしてしまうことはないはずです。

野生動物が天敵から襲われたときにぎっくり腰になることはないでしょう。自然本来の動きをしていれば、自分の動きで体を痛めてしまうことはないはずなのです。

つまり、自然本来の体の使い方が、体の機能上の役割分担ができている、ということです。

これは当然のことで、そのような機能の動物として進化してきたのですから、人間以外の動物は、自然本来の体の使い方から逸脱することはないはずなのです(ペットや家畜は違ってきますが)。

人間が本来の体の使い方から逸脱してしまうのは、本能から離れた生活をしているからだと私は考えています。

座り時間が長い生活も、同じ動きを繰り返す生活も、本来の動物としての生活とは大きく異なります。

人間は、人間的に生活を作り変えて文明を発達させてきたため、もはや本能から遠く離れた生活スタイルになってしまっているのです。

とはいえ、動物のように体をいつも多様に動かし続ける生活は現実的ではありません。仕事で疲れたからと職場で気ままに寝っ転がったり、勝手にどこかに走り出したりするわけにはいきません。

そのため、人間の場合は、

  • 体の構造上、正しい使い方を知ること
  • 日常生活に問題があれば、トレーニングなどで意識的に体の使い方を変えること

が必要不可欠になってきます。

これは、体を動かさないような生活が根付いてしまっている、都会に住んでいる人、デスクワークの人、特定の動きばかりする肉体労働の人、などに特にいえることです。

役割分担できる体になることが一生モノの投資になる

以上から、私は各部位の役割分担がしっかりできる体になることをおすすめしています。

私は、整体施術でそういう体になるように意識して施術していますし、役割分担できる体をつくるパーソナルトレーニングも行っています。

こうして、大きな怪我や不調に悩まされる前に体を変えておくことが、一生モノの投資になると考えています。

体を健康に保つメリットは医療費の削減にとどまりません。毎日、元気な心身で生活できるというだけで、とても大きな価値があるものではないでしょうか。

ぜひ、今のうちから少しでも意識して体を変えていくことをおすすめせいます。

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