学び

「やいりたいことが見つからない」のはインナーチャイルドの声を抑えているから

「自分のために生きていける」のレビュー

『「自分のために生きていける」ということー寂しくて、退屈な人たちへー』という本を読みました。

この本を読んだのは、知人と話している時に言われた「やりたいことが見つからない」という言葉に違和感を持ったからです。

私は本当にやりたいことだらけの人間なので「やりたいことが見つからない」という人の考えがさっぱり分かりませんでした。これまでの人生で何度もそのような言葉を聞いたことがありますが、なぜやりたいことが見つからないのかずっと疑問に思っていました。

そんなアンテナを立てつついろんな本に目を通していた所、この本を見付けたのです。

この本で書かれているのは、自分の本当の欲望に耳を傾けようよ、ということだと思います。本当は誰でも欲望を持っているのに、それが分からないのは「育ち」や「現代社会の構造」に理由があるようです。

また、自己肯定感が低いとやりたいことが見つからないのだそう。

ではどうしたら自分の欲望を理解し、やりたいことが見付けられるのか、そんな疑問にこの本は答えてくれます。

この本から学んだことを書いてみました。

寂しさには「大人の寂しさ」と「耐えがたい寂しさ」がある

著者は、本の中で一貫して「寂しさ」をテーマにしています。著者の考えでは、大人が感じる寂しさには「大人の寂しさ」と「耐え難い寂しさ」があり「耐えがたい寂しさ」は様々な悩みや依存症、人生への退屈さなどに繋がるのだそうです。

  • 大人の寂しさ・・・精神的に成熟した大人の感じる寂しさで、通常は親しい人を呼んだり、幸せな自分を思い出したり、様々な精神活動をすることで解消する。
  • 耐え難い寂しさ・・・原始的な赤ん坊が感じる寂しさで、様々な嗜癖(タバコ、酒、性的関係などへの依存)や、感情の鈍麻(喜怒哀楽を感じなくなる)の原因になる。

嗜癖(しへき)というのは、その行為をするほ執着が強くなっていくことです。依存症に近いのだと思いますが、プライベートの時間が取れないほど仕事に執着してしまう「ワーカホリック」も1つの嗜癖なのだそうです。

また、日本人の多くは家族内(夫婦内)で共依存関係にあり、それも一種の嗜癖なのだそう。

そして、著者の考えは寂しさを感じるのは、自分で自分のことを心から愛せていないからなのだそうです。

そのままの自分で「愛されて当然」と思える大事さ

人間は、ありのままの自分を「愛されて当然」だと思えることで、自分の欲望を素直に感じ行動することができるし、依存も支配もしない、健全な人間関係が構築できるのだそうです。

しかし、こうした「自分は愛されて当然」と思える姿勢は、子供の時に親から健全な愛を注がれていなければ形成されません。

健全な愛を感じられなかった子供は「おねだり」して愛を求めるようになりますが「おねだり」で得られた愛は、自分が要求することでやっともらえた愛なので満たされません。そのため「おねだり」を繰り返すようになる。この「おねだり」が大人の「嗜癖」になるのだそうです。

また「おねだり」ができない人は、対人恐怖症になります。

人に愛して欲しい、受け入れて欲しいという感情を持っているのに、傷つくのが怖いためにその感情を出せない。自分の中に他者が侵入することも怖い。そのため、他者との間に親密性が築けない。

日本人はプライドが高くコミュニケーション能力が低い人が多いため、親密性を築けない人が多いそうです。そのため「こんなに仕事ができるんだぞ」と行為でアピールし、自分を認めてもらおうとする。その結果、ワーカホリック気味になる人が多いというのが著者の主張です。

確かに日本人の気質としてそうなのかな、と納得しました。

が、今の若い世代は別の価値観を持ってそうなので、特に中高年以上の世代に多い価値観なのかもしれないですね。

自己肯定感があれば着実な努力ができる

「愛されて当然」と思えない人は、自己肯定感を持っていない人です。

自己肯定感を持っていない人は、あまりにも大きな理想を描いてそこに自分を一致させるように行動するため、人生がとても不自由になります。

理想はどれだけ行動しても実現できないものですので、いつになっても満たされることがありません。

健全な自己肯定感を持っている人は、自分が実現可能な目標を設定して着実に努力を重ねていくことができます。そのため、実際に目標を達成し、満たされることもできるのだそうです。

私も、昔からとても大きな理想を描いて必死に努力した経験があります。とにかく現状を変えたい、最大限のスピードで目標を達成したい。私自身の自己肯定感のなさがそんな行動に結びついていたかもしれません。

その結果成長することもできましたが、完璧主義ゆえに人間関係を簡単に絶ったり、理想の環境を求めて突発的な行動をとったりと、周りに迷惑ばかりかけていました。

この本を読みながら、当時の自分にこの本のことを教えてあげたいと思いました。

では、どうしたら「自分は愛されて当然」と思えるのでしょうか。

愛されて当然と思えるためには「自己愛」を持つこと、つまり自分で自分の世話を焼けるようになることが大事なのです。

自己愛を持つためには

自己肯定感が低い人は、子供の頃に、

  • 親から厳しく育てられた
  • 親から理想を押しつけられた
  • 親から甘やかされすぎた

など、何らかの歪みのある環境で育った人なのだそうです。こうした環境で育つと、自分の心の中にある親の似姿である「インナーマザー」が、自分自身のことを批難するようになります。

この「インナーマザー」が「お前はダメだ」「もっと頑張らないとダメだ」と言い続けるため、自己肯定感が低くなってしまうのだそうです。

そこで必要なのが、自分で自分を愛せるようになることです。

自分を愛せるようになると、インナーマザーが引いて、自分の本当の心の声である「インナーチャイルド」が出てきます。インナーチャイルドは「もっと休みたい」「本当はこれがしたい」「もっと甘えたい」など、素直な欲望を発しています。

この欲望は今まで抑えられていたものですが、自分を愛せるようになることで、感じ取ることができるようになるのだそうです。

もちろんインナーチャイルドの声に常に従っていれば、まともな生活は送れないかも知れません。しかし、その声に耳を傾けて、自分をいたわり、いじめず、大事にしてあげる姿勢を持つことで、健全な自己肯定感が育つのだそうです。

自己肯定感が育てば素直な欲望が出てきて「本当にやりたいこと」も見つかるのだと思います。

完全に健全な家庭環境で育った人というのは少ないと思うので、あなたも一度「インナーチャイルド」の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

人生を豊かにするのは「惚れ込んだ」対象の数

さらに、人生を豊かにするためには「自己充足感」を得ることも大事だと書かれていました。

自己充足感とは、不足があっても「まあまあ満足しているという状態のことです。満たされている感じ、と言っても良いでしょう。

自己充足感を感じるためには、人との競争「パワーゲーム」からおりる、もしくは距離を取れるようになることが大事なのだそうです。

なぜなら、競争(パワーゲーム)は人の評価軸で生きることであり、それは勝っても負けても寂しいものだから、というのが著者の主張です。

人生を豊かにするのは勝ち負けではなく「いきいきと喜んだり涙を流したりしたその経験」です。また、著者は以下のような表現もしています。

人生が終わるとき、どれだけそうした美しいエッセンスを心に持って棺に入るか。心の預金通帳をどれだけ豊かに増やしてあの世に行けるか。本当の人間の勝負はここにあるのです。

これはとても良い考え方だと思いました。

私自身、どちらかと言うと人との競争より自分のやりたいことを追求しているだけの人間ですが、私の考え方は間違っていなかったんだと感じました。

また、真面目な人ほど一つのものを追求するべきと考えがちですが(私もそうです)、著者はいろんなものに惚れ込み、いつももっと違うことに惚れ込んでいくことが自己充足に繋がるのだと主張しています。

そして、違うものに取り組んでも、後で振り返ればそこには自分だけの物語があり、それがとても大事なのだそうです。

自分の人生を、ひとつの一貫した流れで物語れるようになれば、病気になろうと、どんなことがあろうと、全ては必要な「恵み」と感じられるでしょう

人からすごいと思われる物語ではなく、自然に流れてくるメロディのような物語。そういうものは誰でも持っているもので、それを認識することが自分の人生を豊かにしてくれるのだそうです。

まとめ

「インナーチャイルド」の声に耳を傾けるというのは、以前別記事で書いた「Be」を感じられるようにするということにも通じることなのかな、と思いました。

本当の自信はDoの自信ではなくBeの自信
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現代人は行動し、成果を出すことに焦り、自分が幸福を感じられるかどうかを感じなくなっている。そんな人が多いのかも知れませんね。

私自身、成果を焦りそうになることもあるので、自分の心の奥底にある本音を無視しないようにしていきたいと思います。

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福岡出身。学問と古武道。