GoogleやAppleの音声入力の精度が、近年は日本語版でも非常に向上しています。
そのため、最近は私はブログの文章はほとんど音声入力を使って執筆しています。
音声入力を多用している私の経験上、下記のポイントを押さえると長文の入力が非常に楽になります。
- 自分にあったツールを選ぶ
- いいマイクを使う
- 構成を作っておく
- 編集するのを前提に考える
- 裏技を使う
この記事で順番に説明します。
1章:音声入力で長文を書くポイント①ツールを選ぶ。
音声入力で長文を書くためには、まずはツールを選ぶことが大事です。
私が色々試した結果、2021年8月現在では、Googleドキュメントを使うことがベストだと考えています。
とはいえ他にも、便利な音声入力のツールはありますので、順番に紹介します。
1-1:【全デバイスでおすすめ】Googleドキュメント
最もおすすめしたいのがGoogleドキュメントです。
無料で使えますし、最近では非常に精度が向上しています。
数年前は、
- 誤字脱字が多い
- 音声入力の区切りごとに半角のスペースが自動で入ってしまう
といったデメリットがありました。
そのため、入力した後の編集時間が非常に長くなり、結局手でタイピングしたほうが早いという状態でした。
しかし、最近では誤字脱字がほとんどなくなり、このような普通の内容であればほとんど修正することなく入力することができます。
しかもGoogleドキュメントは、どのようなデバイスでも使うことができるため、複数の端末で同時に開いておいて、スマホで音声入力したものを、パソコン側で修正しながら執筆するということも可能です。
ドキュメントの内容は、すべての端末で共有されるため、家ではパソコンで作業して外ではスマホで作業するということももちろん可能です。
音声入力は、下記のコマンドですぐに呼び出すことができるため、是非実際に試してみてください。
- Ctrl+Shif+Sの同時押し
- もしくは、上部メニューの「ツール」→「音声入力」をクリック→マイクのマークが出れば音声入力が可能(止めたいときはマイクのマークをクリック)
1-2:【Mac・iPad・iPhone】デフォルトの音声入力
Mac・iPad・iPhoneのApple製品を利用している場合は、デフォルトで入っている音声入力の機能を使うこともできます。
Appleのデフォルトの音声入力機能も、精度はそれなりに高いため、長文の執筆は可能です。
Apple製品の音声入力では、句読点や改行を言葉でそのまま入力することができます。
つまり「改行」というと自動で改行され、「てん」というと「、」が入力され、「まる」というと「。」が入力されるのです。
少し慣れが必要ではありますが、全て音声入力で完結できるため、編集の手間が少なくなるというメリットがあります。
また、Googleドキュメントの利用に比べて、単語登録ができるという面でメリットもあります。
これは裏技的な方法なのですが、「連絡先」に変換したい言葉を登録しておくと、これが単語登録の代わりになり、音声入力でも正しい変換をしてくれるようになるのです。
登録方法は、「連絡先」のアプリケーションを開き、「+」という新規追加のマークをクリック・タップして、そこに変換したい漢字とその読み方を入力するだけです。
いずれは正規の単語登録ができるようになるかもしれませんが、今はこのような裏技的な方法で誤入力をカバーすることができるのです。
ちなみにMacであれば、「Fn」キーを二度連続で押すことが音声入力のショートカットキーになっています。このショートカットキーを利用すれば、長文を音声入力で執筆しているときも使いやすいです。
1-3:【android】Edivoice
Androidスマホの場合は、Edivoiceというアプリが非常に使いやすいです。
これは、音声入力自体はGoogleの仕組みを利用しているため、Googleと同じレベルの精度を持っています。
このアプリのメリットは、まず音声入力の機能が自動でOffにならないことです。
大抵のデバイスでは、音声入力の機能をオンにしていても、しばらく音声入力が途絶えると自動でOffになり、またいちいち立ち上げなければならない場合があります。ショートカットキーで一発ではあるのですが、このひと手間が面倒なことも。
EdivoiceというAndroidアプリの場合は、音声入力が自動でオフになることがないため、文章を考えている間少し間が空いても、何の操作もせずにまた続けて話し出すことができます。
このアプリにはもう1つメリットがあります。
それは音声入力をしながら、同時にスマホの画面で句読点を打つことができるということです。
前述のようにアップル製品であれば、音声入力時に口で「改行」や「てん」などをいうことによって、改行を入れたり句読点を入れたりすることができます。しかし、他のデバイスではまだこのような機能はありません。
このEdivoiceというアプリでは、音声でそのまま入力することはできないものの、喋りながら適切なタイミングで画面でタップしていけば、適切な場所に句読点を入れたり、改行を入れていくことができます。
私としては、Apple製品のように口頭でこれらを入れていくよりも、このアプリのように手動で入れていた方が楽でした。
そのため、スマホでの音声入力ではこのアプリを今も使っています。
無料で使えますのでぜひ使ってみてください。
ここまで音声入力のツールを3つ紹介しましたが、長文を書く場合、大抵はパソコンを利用すると思います。そうなればWindowsであってもMacであっても、やはりGoogleドキュメントを活用するべきです。
Googleドキュメントの学習能力は高く、ドキュメントの学習能力は高くこれからも精度が上がっていくことは間違いないでしょう。
2章:音声入力で長文を書くポイント➁いいマイクを使う。
適切なツールを選ぶことを意外にも、音声入力で長文を執筆する場合のポイントはあります。
2-1:誤入力はマイクの性能でカバー可能
これほど便利な音声入力ですが、まだまだ利用する人が少ないのは、やはり誤入力が多いというデメリットがあるからだと思います。
確かにGoogleドキュメントの精度が上がっているとはいえ、誤入力はゼロではありません。
しかし、誤入力はマイクの性能でカバーが可能なのです。
私が色々試してみた感じでは、パソコンの内蔵されているマイクは機種によってその精度がさまざまです。私が日常的に使っているのはThinkPadのx280という機種ですが、内蔵されているマイクではそれなりに誤入力がありました。
この誤入力を減らすためには、
- 精度の良いマイクを使う
- マイクを近づける
という2点が重要です。
パソコンに内蔵されているマイクがそれなりにいいものであっても、口元からの距離が遠ければどうしても精度落ちてしまいます。
そのため、おすすめなのはUSBで有線接続できる外付けのマイクです。
それも全方位型のものだと、広く音声を拾ってしまうため、単一指向型の物がおすすめです。
2-2:おすすめのコスパがいいマイク
音声入力でパソコンを使って長文を書く場合、おすすめのマイクは下記のポイントをから選ぶと良いでしょう。
- USBで有線接続できる
- 単一指向型である
- 口元に近づけられるある程度の高さがある
ただし、音声入力できるだけの精度しか必要ではないため、機能においてはそこまで高性能のものは必要ありません。もちろん高性能のマイクでも問題なく音声入力は可能ですが、そのぶん価格が高くなってしまうため、音声入力以外に使う目的がなければ、性能はそれなりのもので問題ないのです。
上記を踏まえて私がおすすめするのは、下記のマイクです。
このマイクは、上記のポイントをすべてクリアしており、私が使っている感じでも誤入力が入っています。
メーカー品であるため品質もよく、コストパフォーマンスが高いです。
そもそも音声入力は室内でしか行わないと思いますので、このマイクの機能があれば十分です。
是非使ってみてください。
3章:音声入力で長文を書くポイント③構成を作っておく
長文で音声入力するためには、その文章の構成をあらかじめ作っておくことが大事です。
なぜなら、手を使って書く場合と音声入力で書く場合では頭の使い方が異なるからです。
手を使って文章を書く場合は、思いついた内容をある程度整理してから書く余裕があります。しかし、音声入力では考えたことをすぐに言葉にするため、内容を整理する余裕がありません。
そのため、頭の中で整理しながら書くということがタイピングで書くよりも難しいのです。
従って、書く前にある程度の全体の流れを構成にして作っておくことが非常に重要です。私はこの構成づくりをせずにブログ記事を書くことはありません。構成を作るか作らないかで、書くスピードが全く変わってくるからです。
私の場合は、Googleドキュメントを使って音声入力で文章を書いているため、Googleドキュメントの中に暇なときにブログに書きたい内容の構成を一気に作って、保存しています。
この構成は、ブログの構成でいえば、大体H3からH4レベルまで書いています。
つまり、下記のように書く内容をある程度決めておくのです。
1章:~~。
1-1:~~。
1-1-1:~~~。
このくらい具体的に書く内容決めておけば、書くときに「次の文章は何にしよう」などと考えることが減り、スムーズに書き進められます。
4章:音声入力で長文を書くポイント④編集するのを前提に考える
音声入力で長文を書くポイントとして、音声入力で最後まで書いた後で編集することを前提に考えることも大事です。
音声入力だけで、全体の流れや誤字脱字、改行、細かい文章表現まで正確に書こうとすると、スムーズに書き続けることができません。
音声入力の良さは、考えたことを一気に、スピーディーに文章にできるということですので、できるだけつまずくポイントは減らしたいものです。
そのためにも、書き終わった後に編集することを前提に考えて、音声入力で最後まで一気に書ききってしまうことを最優先することをおすすめします。
とはいえ、Google音声入力や紹介したAndroidアプリを使えば、音声入力しながら手を使って句読点を入れたり改行を入れたりすることは難しくありません。
そのため、無理のない範囲では音声入力しながら手で句読点や改行を入れ、ある程度の手間を省くことも可能です。
5章:音声入力で長文を書くポイント⑤ Google ドキュメントの置換機能をうまく使う
音声入力で長文書く上で、現状最も障害になるのは誤入力です。
この後入力については、これから Google 音声入力の精度が上がることを期待するしかありません。ここ数年でかなりレベルアップしていますので、これからの性能の向上にも期待できます。
さらに、誤入力については Google ドキュメントの機能を上手く使うことによって、修正する手間を大幅に削減することができます。
修正する単語が少ない場合は、ワードと同じく「Ctrl+H」で単語を検索し特定の表現に置き換えることができます。 これはショートカットで一手間でできますので、おすすめです。
もう1つの方法は Google Apps Script を使うことです。
これは Google のシステムの中で簡単なプログラミングができる機能のことですが、簡単なコードをコピペするだけで特定の言葉を正しい表現に置き換えることができます。
簡単にいうと、下記の手順で設定するだけです。
(※こちらの方法はこちらの方のブログを参考にさせて頂きました。)
(1)Google ドキュメントの上部のメニューバーの「ツール」をクリック。
(2)メニューの中にある スクリプトエディターをクリック。
(3)下記のコードをコピペして貼りつける。
function myFunction() {
var doc = DocumentApp.getActiveDocument();
var text = doc.getBody().getText();
//下記に置換したい言葉を入れる
var text= text.replace(/痴漢/g,'置換');
var text= text.replace(/無い/g,'ない');
var text= text.replace(/一つ/g,'1つ');
var text= text.replace(/二つ/g,'2つ');
var text= text.replace(/三つ/g,'3つ');
var text= text.replace(/([あ-ん])時(?![一-龥])/g,'$1とき');
var text= text.replace(/(.)\n/g,'$1。\n');
Logger.log(text);
}
簡単に説明すると、下記のコードは左側にある言葉を右側にある言葉に置き換えるという指示です。
var text= text.replace(/置換/g,'置換');
つまり痴漢という言葉を置換という言葉に置き換えるという指示をしているわけです。
またその下の方にある下記のコードは、漢字になってしまう文章をひらがなに置き換えるという指示です。
var text= text.replace(/([あ-ん])時(?![一-龥])/g,'$1とき');
ちょっと変わったコードになっているのは、「時」という漢字を全てひらがなに置き換えるという指示にしてしまうと、「時間」が「とき間」と置き換わってしまうからです。
そのため、 「時」という漢字の前後がひらがなの場合のみ、「とき」に置き換えるという指示になっています。
最後の行にある下記のコードは、改行した部分に自動的に「。」を入れるという指示です。
var text= text.replace(/(.)\n/g,'$1。\n');
私は最近はこのコードは使っていませんが、音声入力中に「。」を入れる手間を省きたいという方は、このコードを使ってください。
(4) Ctrl+Rで実行する
このコードを貼り付けたら、「Ctrl+R」を同時押ししてこのスクリプトを実行してください。
スクリプトを実行すると下記のような表示が出てきます。
「承認が必要です」
これは、下記の操作を行えば実行できます。
- 「権限を確認」をクリック
- ログイン→自分のアカウントを入れる
- 「このアプリは Google で確認されていません」→「詳細」→安全じゃないページに移動→「許可」と操作
難しい操作ではありませんので、上記の通りにやってください。
ここまでの操作の仕組みを理解したい場合は、 Google Apps Script のテキストを買って読んでみてください。 ネット上にも多くの情報がありますので検索してみるといいかもしれません。
まとめ:音声入力に慣れると長文の執筆が楽になる
音声入力で長文を執筆するための、使うべきツールやポイントについて解説してきました。
音声入力への長文の執筆になれる最大のメリットは、長文を書く上での心理的なハードルが非常に低くなるということです。
タイピングで書き続けることを考えると、書く前から面倒になり、書き始めるまでに時間がかかってしまうこともあります。
しかし音声入力で楽に書けるということが分かれば、 長文を書くことが全く苦ではなくなるのです。
最初の設定やマイクの導入などだけ行えば、音声入力で長文書くことが非常に楽になりますので是非できることから試してみてください。
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