「もっと速く文章を書きたい」
「文章を大量に書く必要がある」
この記事はこのような方に向けて書いています。
Web を使ったコミュニケーションが非常に増えた結果、私たちは日常的にたくさんの文章を書かなければならなくなりました。
チャットやメールはもちろんのことを、仕事の資料や大学のレポートまで、文章を書く機会はたくさんあります。
そのため、 文章を早く書けるようになっておくと、さまざまな場面で人よりも余裕を持って行動することができるようになるはずです。
そこでこの記事では、文章を書くことを仕事の一部にしている私が、これまでに身につけてきた文章を早く書くポイントをお伝えします。
是非実行できるものから取り入れてみてください。
1章:文章は速く書けた方が良い
そもそも文章を早く書けるようになることは非常に大事です。その理由を簡単に説明します。文章を早く書く具体的な方法から知りたい場合は、 2章以降をお読みください。
1-1:速く書けるとあらゆる場面で役に立つ
冒頭でも簡単に書きましたが、現代の多くの学生やオフィスワークをする方にとって文章を書く場面は非常に増えています。学校や仕事上でのやり取りはもちろんのこと、さまざまな資料作成レポート作成があり、日常的に大量の文章を書かなければなりません。
一般人がこれほど大量の文章を書かなければならない時代は、 史上初めてなのではないでしょうか。
このように、大量の文章を書かなければならなくなったのは、言うまでもなくオンラインでのやり取りがそれだけ増えたためです。
文章はしゃべるよりも短時間で多くの情報を伝えることができるため、たくさんの情報をオンラインでやり取りする現代において、文章でやりとりする機会は増える一方なのです。
そしてこの傾向はこれからもずっと続いていくことでしょう。
従って、 文章が書けるようになることは、現代人にとって必須のスキルであるともいえます。
1-2:速く書けると編集に時間をとれる
「文章は早く書くよりも時間をかけて丁寧に書いたほうがいい」と思われる場合もあるかもしれません。確かに、作家になるような方であれば、丁寧に よく練った文章を書かなければならないことでしょう。
しかし一般人にとってはそうでありません。ある程度の質の文章をたくさん書く必要があるため、正確さよりも早さが大事なのです。
さらにいえば文章を早く書くことと正確さは両立させることができます。
なぜなら、 文章を速く書ければそれだけ編集に時間を取ることができるからです。
一気に最後まで文章を書いてしまって余裕を持って時間をかけて編集した方が質が高い文章を書けます。
文章は一気に勢いで最後まで書いてしまった方がつながりのある内容を書きやすいのです。
1-3:数多く練習することで速く成長できる
文章をを速く書けるということは、 それだけ人よりも多くの文章を書けるということです。
スポーツと同じで数多く練習するほど、書くことに慣れて文章力も向上させることができます。
文章力を磨くためにも文章を早く書くスキルは必要なのです。
1-4:速く書くには事前の準備・環境整備が重要
このように文章を速く書くメリットは非常にたくさんあるのですが、文章を早く書くためにはただ指を速く動かせばいいというわけでありません。
それよりも大事なのは事前の準備と環境整備です。
そこでこれから具体的な方法を順番に紹介しますので、取り入れられそうなものから実践してみてください。
2章:【事前準備編】文章を速く書く方法
文章速く書くためには、書き始める前の事前準備がとても大事です。
そこでまずは、文章を速く書くための事前準備について説明します。
■文章を速く書く事前準備
- 情報をすぐ使えるように整理する
- 構成を作る
- 読者に伝えたいポイントを絞る
- 文章を構造化する型を身につける
順番に説明します。
2-1:情報をすぐ使えるように整理する
まず文章を書く場合は、 文章書く前に読書、調査、取材などのインプットをしていると思います。
ここでインプットしておいた情報をすぐに文章にできるように整理しておくことが大事です。
具体的には、調べたことをテーマやカテゴリ別にパソコンの中にまとめて保存しておくことをおすすめします。簡単なレポートやレジュメのようなものと考えていただければと思います。
私の場合は、パソコンからもスマホからもアクセスできるように Evernote 常にさまざまな情報をまとめて保存しています。
例えば、 このブログ内では読んだ本の内容をまとめてアップしていることがよくありますが、 このような記事はあらかじめ Evernote 上に読書した直後にまとめたレポートを下敷きにしています。
そのため、 いざブログを書くときに手が止まることがなくスピーディーに書くことができるのです。このようにまとめた情報を Evernote などの自分が使いやすいクラウド上に保存しておくと、文章を速く書く準備になります。
2-2:構成を作る
文章を速く書く上では、 書き始める前にある程度構成を作っておくことが必須です。
文章を書くための構成は、 伝えたい内容を事前に整理し1つの文章の流れとして考える上で必ず必要なものです。構成がなければ流れが悪く、 読みにくい文章になりますし、何より速く書くことができません。
私はこのようなブログ記事を書く上でも事前に構成を作っています。この機種の場合は、記事の冒頭にある「目次」が最初に作った構成そのままです。
構成を作っておくことで、後は見出しごとの文章を一気に書き上げていくだけになります。
基本的なルールですが、ひとつの見出しの中にはその見出しに関係のある内容以外はいれません。 そのためその見出しの中の文章を書いている間は、 関係のあることだけを書いて行けばいいため速く書くことができるのです。
2-3:文章を構造化する型を身につける
文章を速く書く上で構成を作ることは必須とお伝えしましたが、どのような構成でもいいというわけではありません。
文章の構成には型があるため、 その型を事前に学びいつでもその通りに文章の構成を作れるように訓練しておくことも大事なのです。
この形を書く上でのポイントは簡単には以下の通りです。
- 序論・本論・結論の全体の流れを守る
- パラグラフライティングを意識する
これは論文の書き方の基本ではありますが、どのような文章にも通じる基本ルールです。
なぜなら、どのような文章も何らかの情報やメッセージを伝えるという点では同じであり、人が文章から情報を 受け取って理解する仕組みも同じだからです。
想定する読者や伝えるメッセージによって細かい表現はいくらでも変えていいですが、 根本の構造は上記のルールを守っていることが大事です。
詳しい上記の執筆方法については、長くなってしまうため別の記事で解説します。
ロジカルライティング系の本を1冊読んで、そのまま真似すると良いでしょう。
2-4:読者に伝えたいポイントを絞る
速く文章を書くためには、読者に伝えたいポイントを絞ることが大事です。
伝えたいメッセージや情報を、何でもかんでも1つの文章の中に盛り込む落としてしまうと、まとまりがなくなって読みにくい文章になります。その上、執筆する上でも流れが複雑になり速く書くことができないのです。
必ず正確に1つのテーマを解き明かして行かなければならないような論文なら別ですが、一般的な文章であれば伝えたいポイントはできるだけ絞り、余計な情報はそぎ落としてしまった方が伝わりやすいです。
そのため、 構成を作る段階でできるだけ伝えたいポイントを絞りましょう。
そうすることで文章の流れがシンプルになり、速く文章を書くことができます。
3章:【環境整備編】文章を速く書く方法
文章速く書くためには、環境にこだわることも大事です。具体的には下記のことに注意してみてください。
■文章を速く書くための環境整備
- ブラインドタッチは必須
- キーボードにこだわる
- 使いやすいエディターを選ぶ
- 集中できる場所を選ぶ
3-1:ブラインドタッチは必須
まず文章を速く書くためにはブラインドタッチは必須です。
ブラインドタッチとはキーボードを見ずにタイピングするスキルのことです。ブラインドタッチができるかできないかで文章を書くスピードは全く変わってきますので、必ず身につけてください。
最近の学生には、スマホのフリック入力の方が速く入力できると思っている方もいるようですが、 パソコンでブラインドタッチするスピードには全く及ばないことを知るべきです。
ブラインドタッチは誰でも練習すれば身につけられますので、 Web 上 で無料のサービスを使って練習してみてください。
メジャーなものは「イータイピング」や「寿司打ち」です。
3-2:キーボードにこだわる
文章速く書くためにはキーボードにこだわることもおすすめします。
私はこれまで多く使ったのは以下のタイプのキーボードです。
- MacBook Air、MacBook Proのキーボード
- Apple 純正の外付けのマジックキーボード
- キーボード付きに有名な高級キーボードHappy Hacking Keyboard
- ThinkPad
キーボードだけで3万円もするようなものも使ったことがありますが、私が一番速くタイピングできたのは ThinkPad のキーボードです。
キーボードは人によってかなり好みが分かれるようですので、家電量販店などで色々と触ってみて一番やすそうなものを買うことをおすすめします。
文章を書く書きたいという方は、 文章を大量に書かなければならない場合も多いのだと思います。そのため速く書けるだけでなく疲れにくい感触のキーボードを選びましょう。
3-3:使いやすいエディターを選ぶ
文章速く書くためには使いやすいエディターを選ぶことも大事です。
エディターとは、文章を入力するツールのことです。ほとんどの方が使っているのはWordだと思います。仕事の都合上Wordしか使えなければしょうがないですが、もし他のツールも使えるのであれば、あなたにあった物を見つけてみてください。
例えば、 Word のようなエディターとは違いますが、文章入力に特化したツールにアウトラインプロセッサというものもあります。
これは 特に長い文章を書くときに使いやすいもので、文章を構造化して書くことができるツールです。実際に使ってみれば、その特徴が分かりやすいと思います。
私が長文を書くときに使っているのは、「Workflowy」というツールです。
しかし、日常的に使っているのは Google ドキュメントです。なぜなら Google ドキュメントを使うと非常に速く文章を書ける方法があるからです。
詳しくは4章で説明します。
3-4:集中できる場所を選ぶ
文章速く書くためには集中できる場所を選ぶことも大事です。
「静かさ」を気にする方は多いとは思いますが、それだけでなく他の感覚も快適に過ごせる環境が良いです。
具体的には、
- 静か
- 人から邪魔されない
- 机の上に必要なものしか出ていない
- 温度が適切で不快じゃない
といったことが大事です。
私の経験上、これらの要素のどれかが欠けていると、そのぶん集中力が欠けてしまいます。
聴覚的な静かさだけでなく、視覚的にもノイズがないことを、気温も適切であることなども意外と大事なのです。
作業するためにカフェなどに行く方も少なくないと思いますが、普段と違う環境でメリハリをつけやすい一方で、 これらの条件を揃えにくい場合もあります。
そのため、可能であれば自分の部屋をできるだけ集中できる環境に整えることをおすすめします。
4章:【裏技編】文章を速く書く方法
ここまで紹介したこと以外にも、文章を書くスピードをずっと速くする方法がありますのでこれから説明します。
4-1:音声入力を使う
文章を書くスピードをかなり速めることができるのが、音声入力を使うことです。
音声入力は、マイクが付いていればパソコンではもちろんのことを、 iPadやスマホでも可能です。 iPhone であれば音声入力が最初からついていますし、 Android スマホでも Google 音声入力を入れるといつでも音声入力で文章が書けるようになります。
最近では音声入力の精度が非常に上がっているため、普通の文章(例えばこのブログ記事のようなもの)であれば、 誤字はほとんどありません。
また、最初に構成を作っておくなど工夫をすれば、タイピングするよりもずっと速く書けます。
文章を速く書ける以外にも音声入力には下記のようなメリットがあります。
- 手が疲れない
- 肩がこらない
- 目を休めながら書ける
- 公園など屋外でも書ける
ちなみにこの記事を書いた日は、3時間で9000字ほど書いていました。それほど集中していたわけでもない上、他の作業も挟みながらですが、それでも1時間に3000字くらいは書くことができているようです。
音声入力はメールやチャットなどの文章はもちろんのこと、ブログ記事や簡単な仕事のレポートのような長文にも非常に役立ちます。
どのような文章も音声入力の方が良いというわけでありませんが、仕事や趣味で文章をたくさん書く必要がある方は部分的に取り入れて試してみることをおすすめします。
音声入力の詳しい方法について、 詳しくは以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
▶【音声入力で長文執筆】効率的に書く5つのポイントを徹底解説
4-2:単語は Google app Script で一括置換する
音声入力で文章を書くことを説明しましたが、音声入力の最大のデメリットはやはり変換の間違いが多いことです。音声入力の精度が向上することによって、 昔よりはかなり速くはなりましたが、それでも誤入力はゼロではありません。
またタイピングでも、よっぽど正確に打てる方以外は、誤字脱字は日常的にあるのではないでしょうか。
このような誤字脱字の修正は、ワードや PowerPoint、 Google ドキュメントなどでは「Ctrl+H」で一括置換することができます。
しかしそれ以上に効率的に置き換える方法があるのです。
それが Google app Scriptを使うことです。
この方法は、 Google ドキュメント上で使える簡単なプログラムで、特定の単語を正確な表現に一気に置換できる方法です。例えば「事」は「こと」に、「時」は「とき」にひらがなで書きたい場合があると思いますが、「Ctrl+H」のコマンドを使うと、単語を1つ1つ手作業しなければならず効率が悪いです。
しかしこの方法であれば、置き換えたい単語は全て一回のプログラムで実行することができるため、手間がありません。またプログラムはコピペして何度も使えばいいので、最初にやり方さえ覚えれば、後はどのような文章でも同じ方法で、正しい表現に置換することが可能なのです。
下記の方法で簡単に出来ますので試してみてください。
(※こちらの方法はこちらの方のブログを参考にさせて頂きました。)
(1)Google ドキュメントの上部のメニューバーの「ツール」をクリック。
(2)メニューの中にある スクリプトエディターをクリック。
(3)下記のコードをコピペして貼りつける。
function myFunction() {
var doc = DocumentApp.getActiveDocument();
var text = doc.getBody().getText();
//下記に置換したい言葉を入れる
var text= text.replace(/痴漢/g,'置換');
var text= text.replace(/無い/g,'ない');
var text= text.replace(/一つ/g,'1つ');
var text= text.replace(/二つ/g,'2つ');
var text= text.replace(/三つ/g,'3つ');
var text= text.replace(/([あ-ん])時(?![一-龥])/g,'$1とき');
var text= text.replace(/(.)\n/g,'$1。\n');
Logger.log(text);
}
簡単に説明すると、下記のコードは左側にある言葉を右側にある言葉に置き換えるという指示です。
var text= text.replace(/置換/g,'置換');
つまり痴漢という言葉を置換という言葉に置き換えるという指示をしているわけです。
またその下の方にある下記のコードは、漢字になってしまう文章をひらがなに置き換えるという指示です。
var text= text.replace(/([あ-ん])時(?![一-龥])/g,'$1とき');
ちょっと変わったコードになっているのは、「時」という漢字を全てひらがなに置き換えるという指示にしてしまうと、「時間」が「とき間」と置き換わってしまうからです。
そのため、 「時」という漢字の前後がひらがなの場合のみ、「とき」に置き換えるという指示になっています。
最後の行にある下記のコードは、改行した部分に自動的に「。」を入れるという指示です。
var text= text.replace(/(.)\n/g,'$1。\n');
私は最近はこのコードは使っていませんが、音声入力中に「。」を入れる手間を省きたいという方は、このコードを使ってください。
(4) Ctrl+Rで実行する
このコードを貼り付けたら、「Ctrl+R」を同時押ししてこのスクリプトを実行してください。
スクリプトを実行すると下記のような表示が出てきます。
「承認が必要です」
これは、下記の操作を行えば実行できます。
- 「権限を確認」をクリック
- ログイン→自分のアカウントを入れる
- 「このアプリは Google で確認されていません」→「詳細」→安全じゃないページに移動→「許可」と操作
難しい操作ではありませんので、上記の通りにやってください。
ここまでの操作の仕組みを理解したい場合は、 Google Apps Script のテキストを買って読んでみてください。 ネット上にも多くの情報がありますので検索してみるといいかもしれません。
まとめ:文章を速く書けるようになってたくさん書く練習をしよう
文章を書くことに苦手意識を持つ方は少なくないようです(私もそうでした)が、 文章はとに書く書くことでしか上達しません。
そのため、文章を速く書く方法を身につけて、とに書く場数を踏むことが大事なのです。
この記事で紹介した方法を実行すれば、すぐに文章が上達することはなくとも「書く」という心理的なハードルは非常に低くなると思います。
是非できることから実践して、文章を書くことを日課にしてみてください。
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