武道・文化の課題

山ごもりならぬ山通い〜10代の頃通っていた山城「岩戸城跡」について

2018年12月14日

岩戸城跡に山通い

私は10代の頃、高校を辞めてひたすら空手の練習に励んでいた時期がありました。

練習は道場だけでなく自宅の庭でも行っていたのですが、広いスペースがある&人目に付かないという場所が近所になかったため、自転車で40分ほどの所にある山の中に毎日のように通って練習していました。

今思えばなかなか奇異な行為ですし、気味悪く思われていたかもしれません。。

実際、何度か警察から職務質問されました。

最近なんとくそのころのことを思い出して、あの頃は変なことをしてたなー、懐かしいなー、と感じたのですが、すでに10年くらいが経過して記憶が薄れてきたので、ここに当時のことを記録しようと思って書きました。

元寇に由来があった「岩戸城跡」

通っていた山は、田んぼや住宅がある地帯から、本格的な山林地帯に入る入り口にあるような、小さな山でした(高さは200メートルくらいだったようです)。

引用:好日山荘

こんな感じの牧歌的な風景でした。

確か登山道の入り口には「頂上まで30分」とか書かれていたと思うのですが、私は走っていたので15分くらいで登っていました。岩戸城跡というのは、その頂上にあった遺跡?のようなものです。また、登山道から鳥居が立ち並ぶ階段が伸びていて、中腹には小さな神社がありました。

確か、元寇の時に砦として使われた山なので「城跡」と言われていたのだったと思います。また、その後に武将の兄弟が殺し合いをした山だとか、、

実際、登山道から外れたところに行ってみると、木や草と一体化した石垣が残っていました。

引用:好日山荘

入り口の鳥居。中腹の神社に至る階段。

 

頂上に何時間もいても一人も人に会わない日の方が多いようなひとけがない山で、かつ頂上には広い平地があったので「空手の練習にはぴったりだ」と思って、木を突いたり蹴ったりして部位鍛練したり、型や基本練習をしたりしていました。

頂上からは福岡市方面が一望できて、天気が良ければ福岡ドーム(現ヤフオク!ドーム?)や福岡タワー、海まで見えます。

引用:YMAP

こんな展望。

ここに、ごはん2合分のソフトボール大のおにぎり(具はウインナー)を3つほど持って、午前中から夕方まで練習していました。

上京して自然が少ない環境に住んでいる今からすると、毎日自然を感じられていたので、本当に贅沢な時間だったな〜と思います。

岩戸城跡(城山?)はこんなところなのですが、たまに人と会ったり動物がいたりすることもありました。

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エピソード①林の中からおばあちゃんが出てきた話

ある日練習をしていると、山の登山道ではないところから急におばあちゃんが現れたことがありました。「ここ登れる?」と思うような急斜面です。なんだろうと思って見つめていたら「あら、こんなところに出てきた。おりるのはどっちかいな?」と言われたので、おりる道を教えてあげました。

おばあちゃんは、山菜かキノコか何かを探しているうちに、頂上まで来てしまったようなことを言っていた気がします。

こんな急斜面、おばあちゃん登れる?と驚きましたね。

エピソード②林業のおじいさんが空手家だった話

何度も通ううちに、ふもとのおじいさんから話かけられるようになりました。

頂上で空手の練習しているということを言うと「今時珍しいな〜!」みたいなことを言われた記憶があります。しかも、話してみるとおじいさんは、全日本空手道協会(昔の松濤館)で三段の腕前だと言っていて、空手の型の話とかもしたような気がします。

声を掛けられたときは怒られると思ったので、良い人で良かった思い出です。

エピソード③野生動物

低いとは言え山の中なので、いろんな動物がいました。さすがに猿や猪に会うことはありませんでしたが、ヘビ、ウサギはよく見かけました。野ウサギって本当にいるんだな〜と感動しましたね。追いかけたのですが、もちろんすぐに逃げられました。

また、姿は見えないものの、草がガサガサ揺れたりすることがよくありました。

ウサギとかより重い動物のような音だったので、猿や猪だったのかもしれません。危険かもしれませんが、野生の動物をもっちよく見たかったです。野生の動物はあんまり姿を見せてくれないのですよね。

エピソード④人知れない所にあるお社の発見

岩戸城跡(城山)の頂上に登るには、

  • 左の登山道を上る
  • 正面の高津神社への階段をのぼる

という2つのルートがあるのですが、右側にも林道が延びていました。

暇だったのでそっちを探検したこともあるのですが、そっちの道を奥まで行くと、普通に行っても気づかないような奥の方に、お社的なものを発見しました。周囲には草木が生い茂っていたので、普段ほとんど人は来ないのであろう所です。

でも、いくつも仏像が並んでいて、誰も知らない不思議なところを発見したような気になって興奮しました。。

今、当時について感じること

誰もいない、自然の音しか聞こえない山の中を一人で探検するようなこと、もうそれ以降まったくしていません。でも(それゆえ?)当時見たもの、感じたことを思い返すと、生々しいくらい豊かな感情が蘇ります。

周囲の人がみんな高校に行く中、自分だけ人とまったく違う生活をしていることに不安を感じつつ、あふれ出るエネルギーからか自分をうまくコントロールできず、そんな状況からいろんな面で感性が豊かだったのだと思います。

あの頃、一人で自分の道を歩き始めたことが今の自分を作っていると思うので、当時の行動は(世間的に普通じゃなくても)今思えば良かった。

またあの場所に行ってみたいな〜。

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