武道・文化の課題

伝統文化を担う人は現代社会での役割・意義をはっきりさせるべき

2018年8月13日

武道・伝統文化の現代の役割・意義

私は元々、自分の活動を発信するようなことは一切やっていませんでした。

特にネット上で発信すると、いろんなデメリットがあるように思えてこれまでは控えてきました。

しかし、やはり世間一般からはほとんど興味を持たれていないであろう伝統文化の担い手だからこそ、積極的に発信し、一人でも多くの人に認知され、興味を持ってもらえるように工夫していくことが大事だと感じています。

今回は、伝統文化を担う人が発信していくことの重要性について思うままに書きました。

伝統文化に対して無理解な社会

私は、自分が修業してきた剣術を、次の世代に正しく継承させることが、自分が人生でやるべきことの一つだと思っています。

その上で、剣術のような伝統文化が現代社会になぜ必要なのか、現代社会を生きる人間が、このような伝統文化を修業し、継承していくことに、どのような意義があるのか、明確に言語化してたくさんの人に伝えていくことが大事だと思っています。

これは、剣術・武術に限らず、あらゆる伝統文化を担う当事者が考えるべきことではないでしょうか。

なぜなら、世間一般には

「なぜ伝統文化を残す必要があるの?」

「時代の発展に伴って淘汰されていくものを、なぜ無理して残す必要があるの?」

「武道や剣術なんて時代遅れでは?」

と思っている人も少なくないからです。

私も実際、これまでに何度もこのようなことを言われてきました。そして彼等のほとんどは特に悪意はなく、本当に疑問に思っているようなのです。

そして、言葉に出さなくても、そのように思っている人は非常に多いのではないかと思います。そして、その背後には、疑問すら持たず「まったく無関心」という膨大な数の人がいるはずです。

このような人々に対し、明確に説得力のある合理的な説明ができなければ、伝統文化は一部のマニアックな人だけにしか興味を持たれなくなっていくのでは、、と思います。

「本当に強い関心を持っている一部の熱意のある人だけを対象にしていれば良いのではないか」

と私も思っていましたが、今では、入ってから熱意を持ってもらえれば良いのでは?と思っています。

文化を担う側になってから熱意を育てれば良い

現代人は、剣術を含む伝統文化を「やらなければならない理由」を持っていません(一部の担い手の家系に生まれた方はそうではないかもしれませんが)。

それに、ほとんどの人は仕事で普段忙しく、余暇はいろいろな趣味、レジャーを楽しんでいると思います。

一部の熱意の高い人以外の人にまで興味関心を持ってもらうためには、その人たちが普段やっている趣味やレジャーの選択肢の中から「伝統文化に携わるという選択」をしてもらわなければなりません。

そのためには、何らかの惹きつける手段が必要です。

したがって、伝統文化の担い手は「現代社会においてなぜ伝統文化が大事なのか」「どのような魅力があるのか」ということを、分かりやすい言葉にして発信し続け、一人でも多くの人に目にしてもらうことが大事だと思っているのです。

その中の一部の人が興味を持ち、実際にはじめてくれれば、後は日々の稽古を通じて魅力を伝え、実感してもらい、熱意を育てていけばいいのではないでしょうか。

そのため、私はWeb上でも現実の対面の人間関係の中でも、たくさんの人に私が修業してきた剣術の魅力を伝え、興味をもってもらおうと努力しています。

武道の現代での役割・意義

私は大きな視点から武道、武術の現代での役割・意義を論じ、言語化しなければならないのではないかと考えています。

そのために、最近はスポーツ人類学、武道人類学と言われる分野の書籍を読んで、武道の役割の歴史の中での変化や、現代における役割がどのように論じられているのか、理解するために勉強しています。

読んでみるとこれまで知らなかったことばかりでとても面白いです。

今後は、日本武道という文化についてもっと大きな視点からまとめていきたいと思います。

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