こんにちは、ふかや均整院の院長深谷です。
私は施術家としても剣術指導者としても、自分の体の感覚をとても大事にしています。
施術においては、お客様のお体から情報を得るために視覚や触覚を鋭くして、自分のモノサシとして活用する必要があります。
また、剣術など武道の稽古においては、いかに体を繊細に、正確にコントロールするかが大事な要素です。
そのため、常に体の感覚を磨くことを意識して生活してきましたが、体の感覚を磨くためには道具を使うことが大事だと考えています。
人類は道具を使うことで進化してきた
道具を使うことで体の感覚が磨かれるというのは、人類の進化を考えるとある意味当然のことかもしれません。
人類は、サルに近い時代から道具を使い、道具を狩猟や農耕、コミュニケーションなどに使うことでヒトへと進化し、人間となってきたのでした。そのため、人間の手はさまざまな道具を自在に扱えるように進化してきたのだと思います。
それは、サルと人間の身体の構造や機能の違いを比較すると、詳しくわかるのかもしれません。
最近、ある沖縄空手の達人の先生が下記のようなことを動画の中で述べていました。
人間の手は道具を握るようにできており、もともと素手で握るようになっているわけではない。そのため、空手でも、素手だけじゃなく道具(琉球古武道の武器)を使うことが鍛練になる。
これを聞いて、私も同じ考えだと共感しました。
人類は道具を使うことで進化してきたのですから、現代人も道具を使うことで感覚を磨くことができる。
逆に、素手がメインの武道やスポーツを嗜んでいる方でも、あえて道具(武器など)を扱う稽古を取り入れることで、より体の感覚が磨かれ、上達できる可能性があります。
体の感覚が磨かれる道具とは
とはいえ、どんな道具であっても感覚が磨かれるわけではないでしょう。
私が、実際に体の感覚が磨かれているという実感があるのは、まず木刀や刀などの武器です。
剣術の稽古において、長年使われてきたこのような武道具は、正しく使えば体の感覚がとても磨かれます。
毎日、木刀で素振りをしていますが、この素振りをした後は手の感覚が鋭くなり、
- モノの重みをより感じる
- 手の摩擦をより繊細にコントロールできる
- 手の圧のコントロール(例えばタイピング)が繊細にできる
といったことが起こります。
また、最近包丁を砥石で研いでいるのですが、砥石と包丁という道具も体の感覚を鋭くしてくれます。昔から使われている道具は使い手の感覚の鋭さ、体のコントロール性能が要求されるのでしょう。
よい道具はよい感覚をもたらしてくれるのです。
剣術や剣道をしている方じゃなくても、体の感覚を磨く目的で素振りなどを運動に取り入れることはおすすめです。
特に、素手でしかやらないスポーツや武道、ダンスなどをしている方は、道具を取り入れることで大きな体の変化を感じられるかもしれません。