整体

整体の施術と武術では「緊張させない触り方」に共通点がある

2023年4月9日

三河島の整体 ふかや均整院のこだわり

こんにちは、日暮里・三河島エリアの伝統整体「ふかや均整院」のふかやです。

私は、整体の施術時において「触り方」のこだわりを持っています。整体のことを学ぶまで深く考えたことはなかったのですが、整体を学んでからいかに「触り方」が大事なのかを思い知りました。

また、それが武術とも共通することに気づいてから「触り方」にこだわりをもって施術することを心がけています。

その整体と武術に共通する「触り方」について書きました。

1章:整体における緊張させない触り方は武術と共通する

当院のこだわりの一つが「触り方」に関するものです。

お客様をどう触るか、というのはどのような施術家の方でもこだわりを持っている部分だと思いますが、私の場合は「お客様の体が反射的に緊張しないこと」を重視しています。なぜなら、反射的に緊張させてしまうと、どれだけ施術をしても刺激が入りにくくなってしまうからです。

この触り方は、私が施術の技術を学んだときに何度も何度もしつこくいわれたことで、何十年もの施術経験があるベテラン先生は、本当にソフトに施術をするのです。なぜそれだけのソフトな施術で効果があるのか、当時はよく分かりませんでした。

しっかりと圧をかけて、お客さんも「気持ちがいい」と思うくらいの刺激を入れた方が、直感的には効果がでるように思えるからです。

しかし、この施術におけるソフトな触り方は、実は武術にも共通するものだとだんだんわかってきました。

武術との共通点に気づいてから、私もしっかりこだわって探求していこうと考えるようになりました。その触り方とは、端的にいえば「反射を起こさない触り方」です。

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2章:武術における緊張させない触り方とは、反射を起こさない触り方

そもそも、人の体には、様々な反射の働きがそなわっています。

そのため、人に触られるだけでも筋肉が勝手に緊張し、防御や逃走、闘争の準備をするのです。これは、人が進化の中で身を守るために発達させた機能です。

参考

この反射は自律神経の働きによるものです。以下の記事に書いたポリヴェーガル理論のような、新しい考え方も登場しています。

▶ポリヴェーガル理論について

一方、武術においてはできるだけ筋力に頼らず、最小の力で相手を崩す技術が発展しました。

その技術の一つが「相手に緊張させない」というものです。相手の体に反射の働きを起こさせないことによって、相手の体が「防御、逃走、闘争」の準備を行う前にこちらの力だけを伝えることができます。そうすると、相手の力とぶつからないため、相手を少ない力で崩せるのです。

このような触り方は、それ自体が非常に難しいものではあります。私も、ある武術の道場で習って何度も練習しましたが、何度やっても相手の反射を起こしてしまい、簡単なように見えてもとても難しい技であると感じたものです。

繰り返しになりますが、このような触り方ができると、相手の体に反射を起こさず、緊張させず、こちらの力だけを相手の体に伝えることができます。そのため「施術に応用できれば、非常に効果の高い施術ができる!」と思い、それから触り方を工夫してきました。

思えば、ベテランの先生方の非常にソフトな触り方は、おそらく武術の触り方とも近い(同じ?)ものだったのだろうと思います。

この触り方を、私はひとまず「相手をゼロにする触り方」と名付けて意識するようにしています。

3章:相手の体を「ゼロ」にする触り方とは

「相手をゼロにする」とは、端的には緊張させないということです。しかし「ゼロ」という部分にこだわりがあります。

そもそも、どれだけソフトに触ろうとしても、やはり人から触られると少しは緊張するものです。そして、施術においてその緊張を上回る圧で刺激を入れようとすれば、力がぶつかってしまいます。そのため、余計な力をこめて施術をしてしまうことになり、お客様の体は、わずかに緊張したままになります。

これでは、施術の効果が半減します。より施術の効果を高めるためには、相手の体の緊張を「ゼロ」にする必要がある。そのための触り方が「相手をゼロにする触り方」です。これは武術における柔らかい崩しと同じ触り方だと考えています。

まだまだこの触り方の理想にはほどとおいのですが、それでも、反射を起こさせないように柔らかく、やさしく、繊細に触ることを意識し続ければ、いつかは武術の達人に近い、理想の触り方ができるようになるのではないか、と思います。

お客様からすれば、わずかな違いにしか感じられないかもしれません。しかし、この触り方の工夫によって施術の効果を高め続けることが、私の施術時の大事なこだわりの一つです。

いずれは、武術的な崩しの技を一つの指標として、緊張させない(反射を起こさない)柔らかい触り方が身につけられる方法をまとめたいとも考えています。

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