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【呼吸の仕方が悪いと肩こりになる!】3つの主な対処法を徹底解説

2022年9月20日

呼吸を変えて肩こりを改善する方法

「呼吸の仕方が悪くて肩がこってしまう」

「肩こりの原因が呼吸だと聞いたことがある」

「呼吸を改善して肩こりを治したい」

このような方に向けてこの記事を書いています。

結論から言えば、呼吸の仕方が悪いために肩こりになっている方は非常に多いですが、その場合は、呼吸の仕方を変えることで肩こりが改善できます。

しかし、肩こりの原因にはいろいろなものがあるため、呼吸が唯一の原因であると決めつけない方がいいのです。

この記事では、

  • 呼吸が悪いと肩こりになる理由
  • 呼吸を変えて肩こりを改善する方法
  • 肩こりを改善する、呼吸以外の方法

などについて詳しく説明します。

ぜひこの記事を読んで、できることから試してみてください。

1章:呼吸が悪いと肩こりになる理由

それでは、まずは呼吸が悪いと肩こりになる理由から説明します。

呼吸を変えて肩こりを改善する方法から知りたい場合は、2章をお読みください。

1-1:呼吸のメカニズム

呼吸が悪いと肩こりになる理由を説明するために、簡単に呼吸のメカニズムを紹介します。

まず、人が呼吸をするときには、吸うときには横隔膜という肋骨の下の方にある膜が引き下がることで肺に空気が入ります。

そして、息を吐くときには、膨らんだ肋骨が自然に縮む力によって、息が吐きだされます。そのため、基本的に横隔膜以外の筋肉が積極的に使われることがありません。

誰しも子供のころは、このような自然な呼吸をしていたため、呼吸のせいで肩こりになることなどはありませんでした。

しかし、大人になるに連れて、呼吸によって肩こりになりやすくなるのです。

1-2:肩こりの原因とは

大人になると呼吸が原因で肩こりになりやすいのは、余計な筋肉を使って呼吸をしようとしてしまうからです。

前述のように、呼吸を正しく行えば、横隔膜以外はあまり使われません。しかし、これは正常な呼吸が行われている場合のことです。横隔膜が正しく動かなかったり、肋骨の動きが悪い場合などは、呼吸補助筋といわれる筋肉が働いて、なんとか呼吸をしようとします。

そもそも、肺は自分自身の力で動くことはできません。そのため、肋骨が動くことによって肺に空気が入るように、横隔膜や筋肉が動くようになっています。

この横隔膜以外の筋肉の緊張が続くと、肩こりの原因になります。

特に、

「息を吐ききれていない」

「息を吸い過ぎている」

という場合に、呼吸補助筋が緊張し、肩こりの原因になります。

前述のように、呼吸で息を吐くときに、しっかり吐ききっていれば肋骨が自然に戻る力で息が自然に吸われます。

しかし、息を吐ききれていない場合は、肋骨がしっかり収縮(内旋)しきれないため、さらに肋骨を広げるため首、肩、胸の筋肉を使わなければならなくなるのです。

この状態が続けば、首、肩、胸が緊張しぱなっしになり、それが肩こりの原因になるのです。

特に鎖骨周りがこりやすい場合、呼吸の仕方が悪いために肩こりになっていることが多いです。

そのような場合は、これから紹介する方法で呼吸を改善することで、肩こりも解消していくことができます。

2章:呼吸法を変えて肩こりを改善する方法

呼吸法を変えて肩こりを改善するため、下記のことをやってみてください。

  • 息を吸い過ぎないこと
  • 肋骨を柔らかく使う
  • お腹の中にボールを意識する

順番に説明します。

2-1:息を吸い過ぎないこと

肩こりを改善するためには、まずは息を吸い過ぎないことが大事です。

そもそも、呼吸の仕方は、呼吸の長さと深さによって分類できます。

  1. 長くて深い呼吸
  2. 長くて浅い呼吸
  3. 短くて深い呼吸
  4. 短くて浅い呼吸

運動不足の方、デスクワークばかりの方、ストレスが多い方などは、(4)の短くて浅い「ハッハッ」という呼吸になっていることが多いです。

また、呼吸を意識しても(2)の長くて浅い呼吸になってしまい、結局、頑張って長く呼吸しようとしているだけで、浅い呼吸になってしまうことが多いです。

大事なのは、呼吸を深くしていくことです。深くできれば、長くも短くもできるようになります。

そのためには、まずは息を吸い過ぎないことが必要です。そして、息を吸い過ぎないためには息を吐ききることが大事です。

息を吐くときに、吐ききれていないとお腹の中に空気が残ったまま、次の空気を吸おうとしてしまいます。すると、肋骨が縮み切らないうちにさらに膨らませようとするため、首や肩の筋肉が緊張してしまうのです。

その結果、肩こりになってしまいます。

このような場合は、下記のように呼吸してみてください。

《息を吸い過ぎない呼吸法》

  • 息を吐くときに、体の力を抜きながらお腹の空気をすべて吐いていく。最初は少し頑張って吐いていくが、慣れたら頑張らずに吐ききれるようになる。
  • 吐ききったら、お腹が自然に膨らむ力を使って息を吸う。自分で頑張って息を吸おうとせず、自然に空気が入ってくるのを感じる。
  • 肋骨が膨らむ力で自然に吸ったら、またそこから力を抜きながら吐いていく。これを繰り返す。

※呼吸は鼻だけで吸い、吐く鼻呼吸で行ってください。

2-2:肋骨を柔らかく使う

肩こりを改善するためには、肋骨を柔らかく使って呼吸することが大事です。

そもそも肋骨は、呼吸のたびに膨らんだり縮んだりする動きをします。しかし、周囲の筋肉が硬く緊張したままになっていると、動きが悪くなってしまうのです。

そこで、呼吸をするときには、肋骨が全体的に膨らみ、縮んだりすることをしっかり意識してみてください。

特に、息を吐いたときに、肋骨全体が下に下がり、首や肩、特に鎖骨周りの筋肉がゆるんでいくイメージを持ってみてください。

こうすることで、肋骨がしっかりリラックスし、次に息を吸うときの準備になります。

もし「あまり動いていない」「肋骨の一部しか動いていない」という場合は、3章で紹介するようなストレッチを行って、肋骨全体が柔らかく動くようにしていくことが大事です。

また、次に紹介するボールの意識も大事です。

2-3:お腹の中にボールを意識する

呼吸で肩こりを改善するために、お腹の中にボールを意識することも大事です。

これから詳しく説明します。

《吸う時のポイント》

(1)胸、腹を360度膨らませるように吸うこと

まず、息を吸うときは胸からお腹まで全部を膨らませるように吸うことが大事です。

よく「お腹を膨らませるように呼吸しよう」とか「胸を膨らませないようにしましょう」と言われることがありますが、どこか一部を膨らませるような呼吸は、日常においては避けたいです。

むしろお腹から胸、そして背中まで、体幹が360度膨らむような呼吸を行うことが大事です。

具体的には、肋骨の一番下あたりに手を当てて、そこがお腹側、背中側に同じだけ膨らむように息を吸うようにしましょう。

(2)吸う時間は長くしすぎないこと

また、息を吸うときはゆっくり吸い続けず、3~4秒くらいで吸ってしまうことが大事です。

もう少し詳しく言うと、吸う時間と吐く時間、そして吐いた後に止める時間が「1:3:1」くらいか「1:4:1」くらいになるのが理想です。

(3)姿勢を崩さないこと

大きく息を吸おうとすると、

  • 胸や腰を反らせる
  • 首を上向きにする

などの動きをしてしまう方もいますが、このような動きはしないようにしてください。

こうすると、呼吸する上で本来不必要な筋肉を使ってしまい、余計な疲れになるからです。

そのため、前述した正しい姿勢を維持したまま、腰も胸も反らせずに吸うことが大事です。

《吐く時のポイント》

(1)肺の中の空気をすべて吐ききるように吐く

上記のように息を吸ったら、次に肺の中の空気をすべて吐ききるようにして吐いてください。

呼吸が浅くなってしまっている多くの方は、吐いているつもりでも吐ききれておらず、肺の中に空気が残っているのにまた吸ってしまう、ということを繰り返しています。

そのため呼吸法のトレーニングとして行うときは「吐ききった」と思ったところから、さらに頑張って吐ききるようにしましょう。

(2)胸、腹が360度縮むように吐くこと

息を吐く時も、胸、腹、背中が同じだけ縮むように吐くことが大事です。

吸うときと同じように、肋骨の一番下を手で触りながら、4つの点が同じだけ縮むように意識して吐いてください。

慣れるまでは、実際に触って行うとやりやすいです。

(3)吐いた後数秒息を止めること

息を吐ききったら、それから数秒は息をとめてみてください。息を止めることで、さらに体内の酸素が消費され「体内の酸素がなくなってから吸う」という健全な呼吸ができるようになります。

この呼吸法をトレーニングして習慣化すれば、普段から呼吸が深くなり、疲れにくい身体になっていきます。

むしろ、呼吸することで身体がリラックスし、疲れがとれるようにもなっていけるはずです。

呼吸について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。

呼吸で疲れる原因と対処法
【呼吸が疲れる5つの原因】今すぐできる呼吸トレーニング法を解説

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呼吸が浅いと肩こりになる理由と対処法
【呼吸が浅いと肩こりになる】その理由と肩こり解消の4つの方法

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3章:呼吸だけじゃない!肩こりを改善する方法

ここまで、呼吸の仕方を改善して肩こりを解消する方法を説明しましたが、肩こりの原因にはさまざまなものがあります。

そのため、呼吸法以外にも、下記に紹介するようなことで、肩こりが改善します。

  • リラックスした身体にすることが一番大事
  • 正しい姿勢を楽にできるようになること
  • ストレッチより縮めてからゆるめる

順番に説明します。

3-1:リラックスした身体にすることが一番大事

まず、肩こりの改善のためにはリラックスした身体にすることが一番大事です。

全身に余計な緊張がありリラックスできていないと、

  • 筋肉が疲労する
  • 血行が悪くなり老廃物が蓄積される
  • 姿勢が悪くなり、身体を支えるのにさらに余計な緊張をしてしまう

といったことに繋がります。

そのため、まずはリラックスして余計な緊張をなくしていくことがとても大事なのです。

とはいえ、リラックスしてと言われても簡単にはできない方も多いと思います。リラックスするには、ただ脱力をイメージしたり、ストレッチをしてもあまり効果がありません。

リラックスのためには、まずは下記のことを試してみてください。

■ストレッチしながら体が溶けていくイメージを持つ

リラックスできる簡単な方法を紹介します。それは、ストレッチをするときに、伸ばしている部位がバターが溶けるようなイメージで気持ちよく力が抜けていくようにすることです。

たとえば二の腕のストレッチなら、頑張ってそこを伸ばすのではなく、伸ばしながらそこが溶けて柔らかくなっていく意識で行うようにしてください。

このストレッチ×イメージだけでも、リラックスしやすくなります。

3-2:正しい姿勢を楽にできるようになること

肩こりは、姿勢の悪さが原因になっていることも多いです。

姿勢が悪いため、肋骨(胸郭)の動きが悪くなって呼吸が浅くなることもあります。そのため、まずは楽に正しい姿勢ができるようにすることも大事です。

そもそも、正しい姿勢とは楽な姿勢で、最小限の筋肉しか使わない姿勢のことです。

この姿勢ができると、呼吸の浅さも肩こりも改善していきます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

【骨盤を立てた正しい座り方とは】疲れない4つのポイントを詳しく解説

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正しい姿勢で立つポイント
【正しい姿勢で立つ方法】疲れない・こらない・不調を防ぐ8つのポイント

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3-3:筋肉を縮めてからゆるめる

肩こり改善のためにストレッチや筋トレをする方も多いですが、重要なのは両方を組み合わせて行うことです。

そもそも、肩こりは筋肉が緊張してしまっている状態のことですが、この緊張は普通のストレッチだけではゆるみません。むしろ、頑張って伸ばそうとするほど緊張が強くなってしまいます。

そのため、前述のようにイメージの力を使ってゆるませることも大事です。

それに加えて、筋肉を緊張させた後にゆるませることも、おすすめです。

そもそも、筋肉は最大まで緊張させた直後が、最大にゆるむという性質があります。つまり、最大限筋力を使った直後に、筋肉は最高までリラックスするのです。

そのため、肩こりの場合は、肩周辺の筋肉にしっかり負荷をかけて緊張させた直後に、一気に力を抜くとリラックスできるのです。これだけでも、肩の筋肉の緊張がゆるみ、血行がよくなるため、肩こりの改善効果があります。

具体的な方法として、一つ紹介します。

■肩の筋肉の緊張を使ってゆるませる方法

座った状態で、誰かに肩の上に両手を置いてもらいます。

この状態から、肩をすくめるように力を入れて相手の両手を上に押し上げようとしてください。押さえている人は、簡単に押し上げられないようにある程度体重をかけておきます。

この状態で5秒キープし、一気に力を抜きましょう。これを数回繰り返してください。

すると、肩の力が一気に弛緩して肩こり改善の効果が出てきます。

まとめ

呼吸法を変えて肩こりを改善する方法として、以下のものを紹介しました。

  • 息を吸い過ぎないこと
  • 肋骨を柔らかく使う
  • お腹の中にボールを意識する

また、呼吸以外の方法としては、姿勢を正しくすること、リラックスすることが大事です。

このサイトでは、「体の正しい使い方」「さまざまな不調の原因と対策」「ずっと心身ともに健康に過ごすための方法」などについても詳しく解説していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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