読書

『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)の要約・感想

2021年8月17日

杉山登志郎『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)を読みました。

発達障害系の新書は多くありますので、被る部分も多いですが、子どもの特性、発育に特化した内容も多く読む価値は高いと思います。特に子育て中の方、子どもの教育の携わる方は読んでおくと良いと思いました。

この本で学んだ内容を簡単に紹介します。

1章:『発達障害の子どもたち』の要約

1-1:自閉症系の発達障害の基本的特性

自閉症の病理の基本は、下記のもの。

(1)対話で雑多な情報から、目の前の人の情報に自動的に注意を絞り込めない

(2)一度に処理できる情報が限られている

■自閉症系の特性

(1)雑音が除去できない。自力で注意を向けようとして過剰に集中したり、細部を見てしまう。

(2)一般化、概念化できない

(3)認知における心理的距離が保てない

■自閉症系の認知の穴=誤学習の影響

曖昧な認知が苦手で、細かいところを深く認知し、間違った結論や行動に繋げてしまう。

1-2:アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、診断基準によると、自閉症の3つの症状のうちコミュニケーション障害が軽いもの。著者としてはこれらを区別するのは難しいため「知的な遅れがない広汎性発達障害」として扱うべきと主張。

自閉症では、知的能力が低い方が仕事を続けやすいというデータがある。

  • 理由①健常者として仕事に就くと、多彩な人間関係を要求されストレスがたまる
  • 理由②マルチタスクができない。練習してないことを応用的にできない。

1-3:アスペルガー症候群の特徴

①幼児教育以降、集団行動が著しく苦手

➁興味に没頭する。カタログ的知識を持つ

③双方向的会話が苦手

④興味のない授業に参加しない

⑤人の気持ちが分からない、読めない

⑥ファンタジーへの没頭

小学生高学年になると、ルールに従えないことは減っても、周囲を過度に気にするようになる、被害的になる。アスペルガー症候群の人も人の心を分かるようになるが、それは健常人とは違う方法である。直感的に分からないため、推論を重ねながら苦労して読んでいる。いじめがあると被害的に読み取るようになる。

青年期に、自己が周りと違うことに気づき、何が問題か分からなくなる。

2章:『発達障害の子どもたち』の感想

基本的な内容は他の本とも共通するため割愛しますが、この本で触れられている内容の中でも特に重要なのは「誤学習」についてだと思います。

つまり、自分が発達障害的な特性を持っていることにある時期に気づき、努力して周りに合わせようとした結果、間違った行動を身に付けてしまうということです。

行動自体が間違っていなくても、普通の人が普通にするコミュニケーションに、合わせるために必死になって努力するため、普通のコミュニケーションにも過剰なストレスを抱えるようになっていることもあるでしょう。

その結果、普通の社会生活でも強い負担を蓄積し、二次障害としてうつ病や適応障害になっていくケースもありそうです。

これは子どもの発達障害に向けた本ではありますが、そういう意味では大人の発達障害に関わるテーマでもあり、読んでよかったと思いました。

興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

-読書

© 2021 フカメモ