怪我への対策

【肘が伸びない】主な2つの原因と自分でできる4つの対処法を解説

肘が伸びない場合の対処法

「肘が180度まで伸びきらない」

「長年スポーツや武道をしてきて、肘が伸び切らなくなった」

という方は少なくないようです。

あなたも、肘を伸ばしたときに、180度まで行かず手前で止まってしまう、それ以上伸びなくなるという自覚があるのではないでしょうか。他人から指摘されてはじめて気づく、というケースもあるようです。

肘が伸び切らないと、運動中にケガをする原因になったり、余計な負担をかけて他の部位を緊張させる原因にもなりますので、何らかの対処を行っていくことが大事です。

肘が伸びないケースとしては、

  • 強い痛みがあって肘が伸びない
  • 長年のトレーニングで骨にトゲができて肘が伸びない

といったものもありますが、このような場合は医療機関に行くことをおすすめします。

しかし、長年の運動や生活習慣から肘が伸びきらなくなっている人も多く、それは現代人に多い傾向のようです。

そこでこの記事では、主に腕の緊張や歪みから肘が伸びなくなっている方に向けて、

  • 肘が伸びない原因
  • 肘が伸びない場合の問題
  • 肘が伸びない人がやるべきワーク

などについて説明します。

知りたいところから読み、これからの生活や運動に役立ててください。

1章:現代人には肘が伸びない人が増えている

「肘が伸びない」という方は、現代人には増えているようです。まずはその理由から説明します。

より具体的な原因は2章で解説します。

1-1:スポーツによる肘への負担で肘が伸びなくなる

肘が伸びないという方で多いのが、まずスポーツ、武道・格闘技、ダンスなどの運動を激しく行ってきて、肘を酷使してきたというケースです。たとえば、野球の投球動作やテニスのスイング、剣道の打ち込み、上半身を鍛えるウエイトトレーニング、などで肘は酷使されます。

練習やトレーニングのたびに適切なケアを行ったり、無理のない範囲で行う場合は、自然治癒によって肘のケガは回避可能です。

しかし、ケアや休息が不十分であったり、試合などで無理な使い方をしてしまった、という場合は肘に過度な負担がかかり、変形性関節症などになり得ます。

このように、急性のケガであれば、特にスポーツを専門とする整形外科などにかかり、適切な治療を行うことが必要です。

しかし、長年の運動・トレーニングによって、強い痛みや可動制限はないものの「肘が最後まで伸びない」「いつも微妙に曲がったまま」という方も少なくありません。

このような場合は、

  • 長年の運動習慣における運動の癖
  • 常態化してしまった筋肉の緊張
  • 骨のずれ、歪み

などがある可能性があります。このような場合は、この記事の後半で紹介する対処法を実践してみてください。

1-2:現代的な生活で肘が伸びなくなる

特に武道やスポーツを頑張ってきたわけでもないのに、気づいたら肘が伸びづらい、という方も増えているようです。

これは、現代的な生活による影響と考えられます。

そもそも人間の身体は、どのような環境にも適応できるように進化してきました。そのため、人間の身体は「使ったように創られていくもの」と言えます。

つまり、その人の育った環境、仕事の内容、やってきた運動、食べたもの、さらに言えば家にあるイスの形や高さ、家具の配置などによっても、その人らしい身体へと変わっていくものです。

したがって、日常的な身体の使い方次第では、簡単に歪んでしまうものなのです。

※身体が歪む理由について、詳しくは以下の記事で説明しています。

現代人の生活は、より身体を使わない方向へ、より動かず同じ姿勢を続けるものへと変わってきていると言えます。

さらに言えば、身体を「縮めて使う」方向にも変化しているようです。

たとえば、

  • パソコンの操作、タイピング
  • スマホの操作
  • 食事
  • 掃除や食器洗い、料理などの家事
  • 車の運転
  • 工場労働などの肉体労働

などなど、どのような作業も肘を縮めたままで行うことがほとんどです。肘を伸ばして、腕をのびのびと使って動くことはなかなかないのではないでしょうか。

このように肘を曲げ、腕を縮めてしまうのは、特に精密な作業や集中して行う作業は、無意識に手先を安定させようとするからです。手先を安定させるために、脇から腕までを固めることが多いのです。

そのため、現代人的な生活を続けるほど腕の緊張が日常化し、肘も伸ばしにくくなってしまうのです。

逆に、原始的な生活を考えてみましょう。

サルは木に登ったり、ぶら下がったりしますので、腕をのびのびと使っています。また、人類が何十万年も行ってきた狩猟採集生活では、モノを投げたり、押したり引っ張ったりと、やはりのびのびとした全身運動を行っていたことが想像できます。

手先を安定させる必要がある文明的な生活は、せいぜいここ数千年で行われるようになったものです。

そのため、人間の身体は手先ばかりを使う現代的な生活にまだ適応していないと言えるのです。

したがって、現代的な生活を続けるほど肘は伸びにくくなり、その結果、

  • 腕から肩、首にいたる緊張・コリ
  • 筋肉の緊張による頭痛
  • 呼吸が浅くなり、全身の不調や病気の遠因になる

といったことにも繋がりかねないのです。

次に、肘が伸びないことによって起こりえる問題について、簡単に紹介します。

2章:肘が伸びない場合に起こり得る問題

肘が伸びない、伸び切らない場合には下記のような問題が起こりえます。

  • スポーツ、武道などでは怪我の原因になる
  • 腕で身体を支えにくくなる
  • 生活の中でも痛めやすくなる

それぞれ簡単に説明します。

肘が伸びない人が行うべき対処法については3章で説明しています。

2-1:スポーツ、武道などではケガの原因になる

肘が伸びないと、スポーツや武道などの運動においてケガをする原因になり得ます。

特に、腕に余計な緊張があるために伸びなくなっているという場合、その余計な緊張を保ったまま運動することになるためケガしやすいです。

また、そもそもこれまでにしてきた身体の動かし方が間違っていたために、肘が伸びなくなっているということも考えられます。つまり、間違った動きを身に着けてしまっているのです。

その場合も、やはり関節や筋肉に余計な負担がかかってしまうため、ケガしやすいと考えられます。

2-2:腕で身体を支えにくくなる

肘が伸びないと、腕で身体を支えにくくなります。

たとえばヨガや体幹トレーニングなどを行う場合、手を地面に置いて身体を支えることも多いですが、このようなときに肘が伸びないと、曲がったまま体重を支えなければならなくなります。

まっすぐに伸ばせれば骨で体重を支えられるところですが、曲がったままだと余計な筋力が必要となるため、疲れやすくなります。

2-3:生活の中でも痛めやすくなる

肘が伸びなくなると、腕に余計な緊張があるため、腕を伸ばしたり、物を持ち上げたり、手を叩いたりするようなちょっとした動作でも痛めてしまうことがあります。

実際、飛んでいる蚊を手で叩いただけで肘がねん挫のようになってしまったケースも耳にしたことがあります。

肘が伸びないような状態では、手首を回すような動きにも悪い影響が出がちです。

そもそも、前腕(肘から先の腕)には橈骨と尺骨という骨があり、この2本の骨が回ることで手首を回すことができます。

しかし、肘が伸びきらない状態だと、肘にある筋肉が凝り固まっており、手首を回したり肘を曲げ伸ばしする動きをするときに、間違った動きをしてしまう場合があります。

そうなると、肘を使う時に痛みが発生し「曲げ伸ばしができない」「物が持ち上げられない」といったことにもなります。

このように、肘が伸びない状態は、日常生活にも影響が出てしまう可能性もあるのです。

そこで次に、肘が伸びない人が行うべきワークを紹介しますので、ぜひ実践してください。

3章:肘が伸びない人が行うべきワーク

肘が伸びない場合は、下記のようなワークを日常的に行うことをおすすめします。

  • ぶら下がり
  • 肘の回旋ストレッチ
  • 四つん這いのトレーニング
  • 伸ばして使うトレーニング

順番に説明します。

3-1:ぶら下がり

まず、最も簡単で効果があるのが「ぶら下がり」です。

これは単に、鉄棒やぶら下がり健康器、懸垂マシンなどでぶら下がるだけの運動です。

ぶら下がるという動きは、実は人間にとってとても重要です。人類の祖先は長い間樹上で生活しており、サルを見ても分かるように「ぶら下がる」という動きとともに手・腕・肩が発達してきました。

しかし、現代人はぶら下がるような負荷のかかる動きをほとんど行いません。そのため、生活の中でぶら下がる動きを取り入れるだけで、肘の不調はもちろん、肩こり、首こり、腰痛などの改善にもいい影響があります。自分の体重によって肘だけでなく全身がストレッチされるからです。

ぶら下がりは、誰でもできる一種のセルフ整体なのです。

ぶら下がるポイントは下記です。

  • 肘をしっかり伸ばす
  • 全身の力を抜いて最小限の力でぶら下がる
  • できるだけ頻繁に、毎日何度もやるといい

3-2:肘の回旋ストレッチ

肘を下記のように回旋させてストレッチさせる方法も有効です。

■肘の回旋ストレッチ①

  • 肘を反対の手で固定し、上腕を地面と水平にした状態で手のひらを肩の方に向ける
  • ここから5秒くらいかけてゆっくり肘を完全伸展させつつ、同時に手のひらを前に向ける(肘から先の内旋)
  • ここから最初の位置に戻し、それを繰り返す

■肘の回旋ストレッチ➁

  • イスに座って腕をだらっと垂らし、そこから上腕を後ろに引いて肘を曲げる。手のひらは後ろに向ける(内旋させている)
  • この形のまま肘を伸ばして完全伸展させ、そこから5秒くらいかけてゆっくり元の位置に曲げていく。これを繰り返す。
  • ※内旋とは、手を前に出した形で、手のひらを下に向ける動きのことです

3-3:四つん這いのトレーニング

肘が伸びない場合、そもそも肘以外の腕、肩の全体的な使い方がよくない場合もあります。

その場合は、肩から先の使い方を適切なものに改善することが、肘の痛みや怪我の予防に繋がります。また、何らかの競技をやっている場合は、競技力の向上にもなります。

■四つん這いのトレーニング

四つん這いになり、

  • 手を肩幅にし、肩関節の真下に置く
  • 膝は骨盤の広さか、それよりやや広いくらいに開く
  • 膝を股関節の真下よりやや前に置く
  • 足首を立てて足指をすべて床につける

というポジションを取ってください。

この形で、背骨を真っすぐにし、頭側とお尻側に上下に引っ張り合うようにします。

この形を維持したまま、上腕骨を外旋させてください。

上腕骨を外旋させると、脇が締まった感じがすると思います。さらに、肩甲骨が下(お尻側)に下がり、肘のシワの部分が正面を向きます。この形で、腕が背中からしっかりと繋がるのです。

この状態で、肘ができるだけ伸びるようにしてみてください。

このようにして腕が背中から繋がることで、自分の体重を肩・腕の強い構造で支えられるようになります。

逆に、脇があく(上腕骨が内旋する)と、肩甲骨が上(頭側)に上がり、肘が曲がりやすくなり、腕と背中のつながりが弱くなります。その形で腕に強い負担がかかると、腕、肩のどこかを痛めやすいのです。

この形を身体に覚えさせるために、四つん這いで体重をかけながら「脇締め」「肘伸ばし」「肩甲骨下げ」を無意識にできるようにトレーニングしてみてください。

余裕がある方は、両膝を地面から浮かして負荷を強めてみましょう。

3-4:伸ばして使うトレーニング

肘が伸びない、伸びにくいという方は、普段から身体を縮めて使ってしまう癖がついている可能性があります。

縮めて使う癖があると、

  • 関節や筋肉を痛めやすい
  • 余計な緊張で疲れがたまる
  • 肩こり、首こりなどの原因になる
  • 身体の緊張で精神的に落ち着かない

といったことにも繋がります。

そのため、身体を伸ばして使う癖をつけていくことが大事です。

一例ですが、下記の記事にあるようなトレーニングを行うことをおすすめします。

肘が伸びない場合の対処法
参考【肘が伸びない】主な2つの原因と自分でできる4つの対処法を解説

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また、ヨガやピラティス、体幹トレーニングなどをやるときに、下記のポイントに気を付けて動くようにすると、身体を伸ばして使う癖がつきます。

■身体を伸ばして使うポイント

  • 手足が地面についているときは、手足を伸ばす動きで地面を押す意識をする
  • 手足が空中にあるときは、腕の付け根、脚の付け根から指先まで強く伸ばして繋がる意識を持つ
  • 常に背骨を上下に伸ばす意識

このように指先まで伸ばす、地面や空間を押す、といった意識で身体を使うことで、身体を伸ばして力を出す感覚がつかめるはずです。

そこで大事になるのが背骨を伸ばす意識なのですが、こちらについては以下の記事で解説しています。

肘が伸びない場合の対処法
参考【肘が伸びない】主な2つの原因と自分でできる4つの対処法を解説

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まとめ

今回は、肘が伸びにくい方に向けて、その原因や対処法を説明しました。

簡単にまとめると、肘が伸びにくいのは「縮めて使う習慣がある」「日常生活の中で伸ばして使っていない」ということが原因になっていることがあり、その対処法として下記のものを紹介しました。

  • ぶら下がり
  • 肘の回旋ストレッチ
  • 四つん這いのトレーニング
  • 伸ばして使うトレーニング

このサイトでは、このようなセルフケア以外にも「体の正しい使い方」「さまざまな不調の原因と対策」「ずっと心身ともに健康に過ごすための方法」などについて詳しく解説していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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