怪我への対策

【在宅勤務・テレワーク】腰痛になりやすい原因・座り方と5つの対処法

2022年9月28日

「在宅勤務で腰痛になってしまった(なりそう)」

「在宅勤務で腰痛の予防・対処法が知りたい」

このような方に向けて、この記事を書いています。

最近では在宅勤務する方が増えていますが、在宅勤務ではいつもと違う環境になるため、腰痛などの不調に悩まされる方も多いようです。

腰痛のタイプも原因もいろいろなものがありますが、座り方を変えることで、腰痛を予防したり、繰り返さないようにすることが可能です。

この記事では、

  • 在宅勤務で腰痛になる原因
  • 腰痛になりやすい座り方
  • 在宅勤務での腰痛対策、グッズ

などについて詳しく説明します。

知りたいところから読んで、活用してください。

1章:在宅勤務・テレワークで腰痛になる原因

まずは、在宅勤務・テレワークで腰痛になる原因から解説します。

腰痛になりやすい座り方は2章で説明します。

1-1:自宅のイスでは姿勢が歪みやすい

在宅勤務で腰痛になる原因は、家では間違った座り方になりやすいからです。

会社では、基本的にはデスクワークに適したイスやデスクが用意されています。一方、自宅の家具は基本的に、デスクワーク用に作られたものではありません。そのため、仕事のために長時間座っていると、姿勢が歪み腰痛になりやすいのです。

特に、下記のような場合は腰痛になりやすいです。

  • ソファーや座面が柔らかすぎるイスに座っている
  • 座面が前や後ろに傾いているイスに座っている
  • 地面にそのまま座っている、座椅子で仕事している
  • イスと机の高さが合っていない

1-2:歪んだ姿勢の負担を一番受けるのが腰

また、そもそも、腰は人間の人体の中で姿勢の歪みの影響を受けやすい部位です。

なぜなら、腰の部分は、上半身と下半身のつなぎ目であり、背骨以外の骨がない部分だからです。

また、背骨は1本1本が関節になっており、いろいろな方向に動くようになっています。そのため、腰の部分の背骨(腰椎)も動きやすく、負担が大きいとずれてしまいます。

このずれがひどくなると、神経根症やすべり症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの辛い症状にもつながってしまいます。

特に40代、50代になると多くの人が腰椎に少なからず、ずれがある状態になっていると言われています。

そのため、少しでも腰椎への負担を減らし、腰椎がずれないように、腰痛にならないように普段から姿勢に気を付けることが大事なのです。

■ブログ・SNSの紹介■

このサイトでは「一生元気に動ける体になりたい」「心身の不調を改善したい」「心身を磨いてより良い人生を歩みたい」といった方に向けて、整体師・剣術指導者の著者がさまざまな情報を発信しています。ぜひブックマーク&Twitterフォローなどをして、今後もお読みください。

2章:在宅勤務・テレワークで腰痛になりやすい座り方

それではこれから、在宅勤務で腰痛になりやすい座り方について説明します。

腰痛になりやすいのは以下のような座り方です。

  • 猫背、丸背
  • 反り腰
  • 背もたれによっかかった座り方
  • 横座り、左右に偏った座り方
  • ソファーや柔らかい座面に座っている
  • 床に座っている

※具体的な対処法は3章で解説しています。

2-1:猫背、丸背

デスクワークの姿勢で非常に多いのが、猫背、丸背と言われる、腰や背中を丸めた姿勢です。

たとえば、

  • 骨盤を丸めた(後傾した)姿勢
  • 顎を突き出す姿勢
  • 前のめりな姿勢

などをしている場合、腰が丸まる形の猫背になっていることが多いです。

このような猫背、丸背の姿勢を続けると背骨がずれるような形に圧力がかかるため、腰の部分の背骨(腰椎)に大きな負担がかかります。

そのため、猫背、丸背の姿勢を続けることで、背骨の間にある椎間板と言われる部分が背中側に飛び出し、椎間板ヘルニアになることがあります。

他にもさまざまな腰痛や腰の疾患の原因になるため、猫背、丸背の姿勢は取らず正しい姿勢を心がけることが大事です。

2-2:反り腰

「猫背にならないように」と気を付けている方の多くがやってしまうのが、反り腰の姿勢です。

反り腰とは、背中の下半分、特に腰のあたりを反ってお腹や胸を前に突き出すような姿勢です。

  • 骨盤を前傾させている
  • お腹や胸を前に突き出している
  • 顎を強く引いている

といった姿勢の方は、反り腰になっている可能性が高いです。

背骨は自然なS字の形になるのが普通ですので、腰の部分は少し反るのが普通です。

しかし、この反りが強くなりすぎる「反り腰」になると、これも背骨の1本1本がずれてしまう原因になります。

繰り返しますが、背骨がずれると非常に辛い腰痛、慢性腰痛の原因になりますので、そうならないためにも正しい姿勢で座れるようになることが大事です。

詳しくは3章で解説しています。

2-3:背もたれに寄りかかった座り方

背もたれによりかかった座り方も、気を付けなければ腰痛の原因になります。

在宅勤務では、デスクワーク用のイスではないリビング用のイスなどを代用することが多いと思います。その場合、背もたれの角度が変えられず、下記のように背もたれに背中の上部を預けるように寄りかかることもあるのではないでしょうか。

在宅勤務・テレワークでの腰痛

このような座り方を日常的にしていると、これも腰(腰椎)に負担をかけることになり、腰痛の原因になるのです。

この座り方を楽に感じる方もいるかもしれませんが、楽なのは筋肉を休ませ靭帯に体重をかけるような姿勢になっているからです。

筋肉を使っていない分、楽に感じていても別の部分に負担がかかり、それが腰痛につながっていくのです。

とはいえ、背もたれに寄りかかること自体がダメというわけではありません。背もたれを使う場合はお尻を背もたれに密着させることが大事です。

詳しくは3章で説明します。

2-4:横座り、左右に偏った座り方

在宅勤務に限らずですが、横座りしたり、左右に身体を傾けた座り方をしている方も多いと思います。

在宅勤務では、特にイスと机の高さが合わないために、無意識に身体を傾けてしまっている場合も多いと思われます。

  • 右手でマウスを操作している
  • イスの向きがナナメになっている
  • イスと机の距離が空きすぎ
  • 頬杖をつく
  • 脚を組む

特にこのような習慣がある場合は、身体が左右のどちらかに偏っている可能性が高いです。

このように、日常的に身体を左右に傾けて使っていると、

  • 背骨が捻じれる
  • 背骨が側弯する(横に曲がる)
  • 骨盤が左右に傾き、それが癖になる

といったことになります。このような背骨や骨盤の歪みから、腰痛だけでなく肩こりや背中の痛みなど、さまざまな不調に繋がってしまいます。

そのため、横座りや左右に偏った座り方は、3章で紹介するような方法で改善することが大事です。

2-5:ソファーや柔らかい座面に座っている

お尻が痛くなるために、ソファーや分厚い座布団を使って、柔らかい座面の上に座っている方もいると思います。

確かに、お尻の表面は楽になるかもしれませんが、柔らかすぎる座面に座ると姿勢が崩れやすくなります。座面が柔らかいと、お尻の表面全体に圧が分散されるため、自分ではどこに体重がかかっているのか分かりにくくなり、姿勢の歪みに鈍感になるのです。

結論を言ってしまえば、座面が硬めのイスに坐骨をしっかり立てて座るのが、一番腰には良い姿勢です。

とはいえ、いきなりこのような座り方をすると疲れるため、3章で紹介するように段階的に行ったり、他の座り方と合わせてやってみてもいいです。

現在、ソファーや分厚い座布団の上に座っているという方は、正しい座り方を覚えた上で座る意識をしっかり持つことが大事です。

2-6:床に座っている

床に座って在宅勤務している場合も、姿勢が歪み腰痛になりやすいです。

イスを使わずに床に直接座ると、どうしても下記のような状態になりやすいです。

  • 横座りする
  • 猫背になる
  • 過度な反り腰、前傾姿勢になる

ここまで説明してきたように、これらの姿勢はすべて腰痛の原因になります。最初は腰の筋肉の疲れや痛みを感じるだけでも、日常的に繰り返していれば、背骨が歪み治りにくい腰痛に繋がります。

そのため、できればイスを使って座った方がいいですし、もし床に直接座るなら3章で紹介する注意点を意識してください。

3章:在宅勤務・テレワークの腰痛対策

それではこれから、在宅勤務の場合の腰痛対策について、具体的に説明します。

在宅勤務の腰痛対策は下記の通りです。

  • 骨盤を立てて座る(丸めず、反らない)
  • 椅子には浅く座る
  • 背もたれを使うなら腰をくっつける
  • 床に座るなら分厚い座布団や座椅子を使う
  • こまめに動き回る

順番に説明しますので、できることからやってみてください。

3-1:骨盤を立てて座る(丸めず、反らない)

まずは、正しく座るためのポイントから説明します。

もっとも重要なのは、骨盤を立てて座ることです。骨盤をまっすぐ立てることで、腰・背中を丸めず、かつ反りすぎない、負担が一番少ない姿勢にすることができます。

骨盤を立てた座り方

骨盤を立てて座るためのポイントは以下の通りです。

①体幹を真っすぐ立て、頭をお尻の真上にする

骨盤を立てるために、体幹を横から見たときに真っすぐになっている状態にしましょう。

つまり、お尻の真上に頭が乗っかっている形です。

この姿勢になると、体の重みを最小限の力で支えればよくなるため、腰痛などの不調を予防できます。

逆に、頭が前に落ちてくると、背中を丸め腰に負担のある座り方になるため、気づいたら頭がお尻の真上に来ているかチェックするようにしましょう。

➁坐骨の2点を意識

体の重さを、坐骨の2点で支えることも大事です。坐骨とは、姿勢を正して座った時にイスにあたるお尻の2つの骨のことです。左右に1つずつあることを感じてみてください。

正しく座るために座骨を意識する

上半身の重みを、この坐骨の2点に等しく落とすように意識して座ると、腰痛を予防できます。

姿勢が崩れると、坐骨の一方に体重が偏ったり、坐骨の前側や後ろ側だけに体重をかけてしまっていることも分かるはずです。そうならないように気を付けて座ってください。

③アゴは軽く引く

骨盤を立てて座るためには、アゴを軽く引くことも大事です。

アゴが前に出ると、頭が前に落ちて姿勢が崩れてしまうからです。アゴを引くときは、うなじから軽く上に引っ張られるような感じで引いてみてください。

骨盤を立てた、疲れにくい、腰痛予防になる座り方について、詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

【骨盤を立てた正しい座り方とは】疲れない4つのポイントを詳しく解説

3-2:イスには浅く座る

在宅勤務で腰痛を予防するためには、イスには浅く座ることをおすすめします。

人間の身体は構造上、イスに深く座ると、座面の真ん中でバランスを取ろうとします。つまり、自然に頭が前に出て、背中を丸めようとするのです。また、腰を強く反ってお腹を前に突き出す場合もありますが、どちらも座面の真ん中でバランスを取ろうとするためです。

イスに浅く座ることで、座面の面積を狭くし、体幹を真っすぐ立てられるライン上でバランスを取れるようになります。

とはいえ、イスに浅く腰かけて座るのは疲れる場合もあると思います。

その場合は、

  • こまめに立ち上がって動き、疲れを解消する
  • 腰と背もたれの間に硬めのクッションなどを入れる

といった工夫をしてみてください。

3-3:背もたれを使うなら腰をくっつける

長時間の在宅勤務では、腰が疲れるため背もたれを使わざるを得ない、ということもあると思います。

そのような場合は、背もたれと腰の間に隙間がなくなるように、しっかりくっつけて座ってください。背もたれと腰の間に隙間が空くと、腰(腰椎)の一部に強い負担がかかってしまいますが、背もたれにしっかり腰をくっつけると、負担が腰、背中の全体に分散されるため、腰痛になりにくくなります。

ただし、背もたれを使う場合はイスをしっかりデスクに近づけて、腕を無理に伸ばさなくても作業できるようにしてください。

デスクとイスの距離が遠いと、無理に腕を伸ばしたり、姿勢を崩したりして、肩こりなどの原因にもなるからです。

3-4:床に座るなら分厚い座布団や座椅子を使う

在宅勤務では、新しいイスやデスクを購入できないため、しょうがなく床に直接座って仕事をせざるを得ない場合もあると思います。

床に直接座る場合は、分厚い座布団や座椅子を使うことをおすすめします。

人間の身体の構造上、床に直接座ると、イスよりもさらに姿勢が崩れやすくなります。特に、骨盤が後傾し猫背になる姿勢になりやすいです。また、横座りになって背骨を側弯させてしまうこともあります。

そのため、少しでも床から高さを作って、骨盤を立てやすい姿勢にする必要があるのです。

ただし、分厚い座布団や座椅子を使う場合は、座面が硬めの素材でできているものをおすすめします。

前述のように、座面が柔らかすぎると、姿勢が崩れて腰痛になる原因になるからです。

「座面が硬いとお尻が痛い」と思われるかもしれませんが、お尻の表面の痛さは慣れるものです。それよりも、お尻の表面の痛さを回避しようとして、姿勢を崩す方がよくないのだと理解しておきましょう。

3-5:こまめに動き回る

在宅勤務で腰痛にならないためには、こまめに動き回り座りっぱなしにしないことも大事です。

そもそも、人間は何百万年もの間、生活のために毎日多様に動き回って生活してきました。しかし、文明の発達によって身体を動かさなくても生活できるようになり、私たち現代人は驚くほど身体を動かさずに生活しています。

しかし、人間の身体は現代の「身体を動かさない生活様式」に合った形には進化できていません。

そのため、座りっぱなし、運動不足の生活では必ず身体の不調が出てきてしまうのです。

在宅勤務では、特に家にこもりっきりで運動不足になります。

そのため、こまめに立ち上がってストレッチしたり、時間があれば外に散歩に行ったり、こまめに動き回ることが大事なのです。

こまめに動き回ることで、腰痛をはじめとする身体の不調を予防することができます。

1日の中でまとまった時間を取って運動するよりも、30分仕事をしたら立ち上がって動く、というようにこまめに動き、身体をこりかためないことが大事です。

体がゆがむ原因
参考【体が歪むのはなぜ?】生活全般にある原因と具体的な4つの対処法

続きを見る

4章:在宅勤務・テレワークで腰痛を予防するグッズ

在宅勤務・テレワークで腰痛を予防するためには、下記のようにグッズを活用することもおすすめします。

グッズを使いつつ、徐々に自分の力で正しい姿勢を維持できるようにしていくのが理想です。

①骨盤矯正用のイス

普通のイスでは腰が痛くなるという場合は、骨盤矯正用のイスを購入してイスの上に置いて使うことをおすすめします。

下記のようなものですので、多くの方が目にしたことがあると思います。驚くほど正しい姿勢が楽になりますので、おすすめします。

➁バランスボールをイスとして使う

バランスボールに座ると、自然と疲れにくい姿勢になります。そのため、トレーニング時などだけでなく日常的に利用することをおすすめします。

③ストレッチポールで背中をほぐす

在宅勤務で腰や背中が疲れたら、ストレッチポールで腰・背中をほぐすことをおすすめします。具体的な方法はYouTubeなどにも多く紹介されていますが、まずは自分が気持ちがいいように工夫して使ってみることをおすすめします。

④マッサージ機を活用する

在宅勤務で腰がひどく疲れる場合は、まずはマッサージ機などに頼ることもおすすめします。

上記のような振動機能付きのポールは私の自宅にもありますが、ひどい疲れには効果的です。

まとめ

この記事では、まず在宅勤務・テレワークで腰痛になりやすい座り方として下記のものを紹介しました。

  • 猫背、丸背
  • 反り腰
  • 背もたれによっかかった座り方
  • 横座り、左右に偏った座り方
  • ソファーや柔らかい座面に座っている
  • 床に座っている

さらに、在宅勤務・テレワークでの腰痛対策として、下記のものを解説しました。

  • 骨盤を立てて座る(丸めず、反らない)
  • 椅子には浅く座る
  • 背もたれを使うなら腰をくっつける
  • 床に座るなら分厚い座布団や座椅子を使う
  • こまめに動き回る

できることからやってみて、腰痛にならないように、腰痛がひどくならないように生活を変えていきましょう。

このサイトでは、このような腰痛予防のこと以外にも「体の正しい使い方」「さまざまな不調の原因と対策」「ずっと心身ともに健康に過ごすための方法」などについて詳しく解説していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

-怪我への対策