ふかや均整院では、伝統的な整体技術である身体均整法に、私が古武道の経験から得た知見を加えて施術や運動指導を行っています。
私は古流剣術を中心に、伝統派空手(剛柔流)、沖縄空手(沖縄拳法)、システマ、アニマルフロー、ピラティスなどを鍛練・トレーニングしてきました。
その中で得たのは「多くの一般の方が身につけるべき健康的な姿勢・動き」と「武術や競技における高度なパフォーマンスを行うための姿勢・動き」には、共通の土台となる部分があるということです。
その土台を端的に言えば、生物としてのヒトが進化の過程の中で身につけてきた構造・機能を、しっかり使いこなせるようになることが非常に重要であるということです。
そして、そのような身体を身につけられるように、多くの方に整体の施術や運動指導を行うことが、ふかや均整院で私が行っている実践だと考えています。
これだけでは何のことか分からないだろうと思いますが、この身体のあり方を説明すると難しい話になってしまいます。そこでこのページでは、私がすべての人に必要だと考える、身体のあり方のポイントを端的に説明します。
項目だけピックアップすると下記の通りです。
- 重力と喧嘩しない、重力とうまく付き合える身体
- リラックスし、緊張と脱力がうまくコントロールできる身体
- 軸の通った身体
- 力の流れを止めない身体
- アラインメント・姿勢が整えられた身体
- 全身の多様な機能を使いこなせている身体
- 感覚の入力を自覚的にコントロールできる身体
- 内部・中心・背骨を使いこなせる身体
どれも欠けてはならないもので、すべてがつながっている感覚です。
これらは武術や競技の世界で大事であることはもちろんのこと、一般的な方の健康的な生活のためにも欠かせないものです(もちろん、求められるレベルは違います)。
私は整体の施術や運動指導によって、上記のようなポイントを踏まえられる身体に導くことを目指しています。
まだ整理が不十分な点もありますが、現時点での私の考えを説明します。
重力と喧嘩しない、重力とうまく付き合える身体
座る、立つ、歩くといった日常動作において、重力とうまくつきあえる身体になっていれば、楽に生活することができます。重力と喧嘩しない、重力を利用する身体の使い方ができれば、省エネで動けるからです。もちろん、これは武道やスポーツでも重要です。
座っている姿勢や立っている姿勢を見ると、多くの方が重力に負けて、さまざまな部位が「縮む」ような形で緊張しています。
重力に負けて前にアゴが出たり、首が落ちてしまう方は多く見られますが、これが重力に負けてしまっている一例です。
一方、世界レベルのアスリートの立ち姿などを見ると、実に力が抜けたまっすぐな立ち方をしています。これが、重力と喧嘩していない、重力とうまく付き合っている身体の状態です。
重力とうまくつきあうためには、
- 重力を感じられること=リラックスしていること
- 身体の構造(特に骨)が整っていて、最小限の筋力で身体を支えられていること
- 地面からの反力を感じ、活用できること
- 身体の中心(背骨)の感覚があること、ここで中心軸を感じられること
などが重要であると考えています。ややこしく見えるかもしれませんが、施術やトレーニングでこのような身体になることは可能です。
参考▶【正しい姿勢で立つ方法】疲れない・こらない・不調を防ぐ8つのポイント
リラックスし、緊張とリラックスがうまくコントロールできる身体
リラックスできる身体であることも大事です。
現代では、多くの方が身体を緊張させリラックスしにくくなっています。また、逆に弛緩しすぎて不調になっている場合もあるようです。身体均整法では、このような身体は「骨格筋型」とも表現されています。
私が考える理想の身体は、緊張とリラックスを自在にコントロールできる身体です。
つまり、日常においては余計な緊張がなく、リラックスしていられるし、運動時や活発に活動したいときには適度な緊張も可能になるような身体です。
このような身体であれば、リラックスによって重力を活用した身体の使い方もしやすいため、疲れにくくもなります。
参考▶【力まないために欠かせないこと】4つのポイントとともに徹底解説
軸の通った身体
普段の姿勢、動作を楽にこなすためには、身体に軸が通っていることも大事です。
軸とは、簡単にいえば身体の真ん中を通っているラインのことです。軸にもいくつかの種類がありますが、私が考えるのは重力によって引っ張られるライン上の軸(重心線)のことです。これは同時に、重力によって引かれることで地面から返ってくる反発力(地面反力)のラインでもあります。
難しく思われるかもしれませんが、この軸は誰もが活用しているものです。軸がなければ転んでしまいます。
しかし、その軸のあり方に無自覚であるために、姿勢をゆがませ、さまざまな部位を余計に緊張させている方が多いです。その緊張がコリや不調の原因になっていきます。また、運動する方にとっては、軸の意識が弱ければ、リラックスして動けず競技力が上がらない要因になります。
この軸というものは、ただ意識すればできるというわけではありません。
軸を作るためには、
- 身体の構造(特に骨)が整っていること
- リラックスできること
が最低の条件として必要です。そのため、これらの要素を身につけられるように施術やトレーニングによって導きます。
力の流れを止めない身体
健康のためにも、運動のためにも、身体の中で力の流れを止めないことが大事だと考えています。
力の流れを止めないためには、余計な緊張、力み、縮む力がないことが大事です。たとえば、床を押すことで生まれる床反力と言われる力がありますが、この力はあらゆる運動で重要なものです。しかし、特に脚や体幹で力み(余計な緊張)があると、床反力がうまく使えません。
とはいえ、ゆるゆるにゆるんで力の抜けた身体なら力が通るのかと言えばそうでもありません。力の流れを止めないためには、適切な力の使い方や姿勢があるのです。
そのような力の使い方や姿勢は、施術やトレーニングを受けることで、誰でも身につけていくことができます。
アラインメント・姿勢が整えられた身体
ここまで説明してきたような「重力と喧嘩しないこと」「リラックスすること」「力の流れを止めないこと」などのためには、そもそも姿勢が整えられ、最小限の筋力の発揮で身体を支えられていることが大事です。
よく使われるたとえですが、正しい姿勢とは「手のひらの上に棒を立て、手を動かしてバランスを取っているような状態」です。しかし、多くの方がバランスをうまくとることができないため、棒をぎゅっと握ったような姿勢(=余計な筋力を使っている姿勢)になってしまっています。
本来、体重を支えるのは硬い骨の役割です。しかし、この骨の並び(アラインメント)が歪んでしまうと、骨で体重を支えられないため、その周りの筋肉を無意識に固めて、体重を支えようとしてしまうのです。
したがって、余計な筋力を使わずリラックスして立つためには、骨の並びが綺麗に整った状態が理想なのです。
しかし、これは単に「気を付けて正しい姿勢を意識する」くらいでは不十分です。ほとんどの人は無自覚な身体の歪みを持っていたり、自分では修正が困難なわずかな歪みや緊張を持っているものだからです。
そのため、整体の施術を受けたり、トレーニングによって時間をかけて身体を整えていくことが大事なのです。
全身の多様な機能を使いこなせている身体
あなたは、自分の身体の機能をどれだけ使えていますでしょうか?
私は、現代人のほとんどすべての人が、偏った身体の使い方をしており、その機能の大部分を使えていないと考えています。
多くの社会人はそもそも運動不足で、日常的な動きの大部分は「座る」「立つ」「歩く」くらいですので、動物としての人間の身体の機能を全然使っていない状態です。
「日常的に運動をしているから自分は大丈夫」とお考えの方もいるかもしれませんが、一般的な運動だけでも、身体の機能は一部しか使えていないものです。
たとえば、原始人や野生のサルの生活を想像してみてください。サルであれば「走る」「木登り」「ジャンプ」「子供の抱っこ」「地面を転がりまわる」「ぶら下がる」「闘う」など現代人がほとんどやらない運動を日常的にするものでしょう。
また、原始人であれば、上記に加えて「投げる」「穴を掘る」「重いものを持ち上げる・引っ張る・運ぶ」などさらに複雑な動きをするものでしょう。これも現代人に足りていない「運動」です。
つまり、通常のスポーツ・武道や筋トレ、肉体労働でも、身体の機能は一部しか使えておらず、その偏った身体の使い方によってさまざまな怪我や不調につながるのだと、私は考えています。
そのため、私はこのような「身体機能の使い方の偏り」による影響を少しでも改善できるように、整体の施術やトレーニングの内容を工夫して提供しています。
参考▶【体が歪むのはなぜ?】生活全般にある原因と具体的な4つの対処法
参考▶身体の多様な動きを鍛えることが健康にも競技の基礎にも大事
感覚の入力を自覚的にコントロールできる身体
現代人にとって、感覚の入力をコントロールすることはとても大事だと考えています。
なぜなら、下記のようなさまざまな要因から外界から受け取る情報量が飛躍的に増え、それが強いストレスとなっていると思われるからです。
- スマホ、PCなどの電子機器の利用
- 特に都市部のような人口が過密した環境での生活
- 広告のような能動的に働きかけてくる情報の多さ、触れる頻度の多さ
逆に、多くの方は、都会から離れて山や海、大きな公園のようなところに行って癒される経験をしていると思います。
触れる情報の質や量によって、人間は疲れたり、癒されたりするものなのです。
しかし、誰もがいつも自然の中で生活できるわけでもありません。そのため、都市部にいても、日常的に電子機器を使う生活をしていても、できるだけ疲れないように感覚をコントロールできることが重要になっているのです。
そのための方法として、たとえば「不安になるような状況で平常心を保つ練習をする」という方法があります。
参考▶ネットは思考力を低下させる?「ネット・バカ」にならないための注意点
内部・中心・背骨を使いこなせる身体
健康な生活のためにも、スポーツ・武道でより高いパフォーマンスを発揮するためにも、身体の内部・中心・背骨を使えるようになることもとても重要です。
現代人の普通の生活では、どうしても身体の外の筋肉を使いやすく、身体の内部(お腹や肩のインナーマッスル、背骨や骨盤、股関節を動かす筋肉など)は使えていません。もしくは、使えていても偏っていたり、歪んでいたりするものです。
このような身体の状態では、さまざまな身体の不調になったり、スポーツ・武道でも実力が頭打ちになり、どれだけ技術の練習をしても上達しなくなる、ということにもなります。
そのため、身体の内部・中心から使えるように、施術やトレーニングで導くことも行っています。
このように、当院では整体の施術、そしてパーソナルトレーニングの両方で、上記のような理想の身体の状態を設定し、それに近づけるように施術、トレーニング指導を実践しています。
ご興味のある方は、LINEから、もしくは予約フォームからお気軽にご連絡ください。
■剣術師範、整体師(身体均整師)、ライター。セルフケア・トレーニングのオンライン教室運営中。
■池袋周辺で施術・トレーニングを行います。【旧:ふかや均整院】
■現代人の脳・感覚の使い方の偏りや身体性の喪失を回復するために【suisui】という独自のプログラムをオンライン教室中心に運営しています。